2016年9月26日(月) 「皇室典範改正が筋」 NHK「日曜討論」 生前退位で小池氏 25日のNHK「日曜討論」で日本共産党の小池晃書記局長は、天皇の生前退位の問題について、「これは、一代限りの問題にとどまらない、制度の在り方にかかわる問題であり、皇室典範の改正という形で行うのが筋だ」と語りました。 小池氏は、生前退位の意向をにじませた天皇のメッセージについて、「高齢によって象徴としての責任を果たすことが難しくなるのではないかと案じる『お気持ち』はよく理解できる」と述べ、「いくら高齢になっても、亡くなるまで仕事を続けなければならないというあり方が、このままでいいのかということが問われている。政治の側の責任として、生前退位について真剣な検討が必要だ」と述べました。 そのうえで、「憲法でも皇位については皇室典範の定めるところにより継承するとされており、皇室典範の改正で解決していくのが筋だ」と語りました。 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-09-26/2016092602_01_1.html 2016年9月26日(月) NHK「日曜討論」 小池書記局長の発言 日本共産党の小池晃書記局長が出演した25日のNHK「日曜討論」。26日から始まる臨時国会にどう臨むか、各党の幹事長らと議論しました。 臨時国会――国民の願いに応える対案示し、安倍暴走にストップを 番組では冒頭、民進党の野田佳彦幹事長が「国民目線で政権をチェックするのが(野党の)一番の役割だ。(23日の)4党1会派の党首会談で野党連携を確認しているので、十分心していきたい」と発言。小池氏は次のように語りました。 小池 多くの皆さんは、明日がどうなるのかと、暮らしや社会保障への不安を抱えています。野党の連携という話も出ましたが、どんな問題でも皆さんの願いに応える対案を示し、力を合わせて新しい政治を開いていく国会にしたい。 一方で、安倍政権は、安保法制(戦争法)を全面的に発動して、南スーダンのPKO(国連平和維持活動)の任務拡大、武器使用の拡大、沖縄では県民の民意を踏みにじって基地建設の強行をしようとしている。参院選では語っていなかったことを、まるで「だまし討ち」のようにやっている。こういった暴走にしっかりストップをかけ、あらゆる分野で政治のチェンジを求めていく論陣を張って頑張りたい。 次に、臨時国会で審議される2016年度第2次補正予算案について、大半を借金で賄う従来型のばらまきである問題などが問われました。「国として将来に責任を持てる範囲で対応していく」と弁明した自民党の二階俊博幹事長に対し、小池氏は反論しました。 小池 安倍政権で最大の28・1兆円という経済対策を打たざるを得ないのは、結局、アベノミクスの好循環と言っていたけれども、それが行き詰まっている証明です。 総務省の家計調査でも、家計の消費支出は昨年9月から11カ月連続でマイナスになっていて、日経新聞が行った日本の主要大企業の社長アンケートでは、「国内景気は横ばい」が78・9%、理由としては個人消費の伸び悩みが82・8%です。いま本当に経済再生と言うのであれば、個人消費を本気で温める政治が必要ですが、補正予算の中身は、相も変わらず、従来にも輪をかけたような大型公共事業のばらまきになっている。一方で、社会保障については参院選が終わった途端に、医療も介護も年金も生活保護も負担増がオンパレードになっています。これでは、経済再生どころか消費を冷え込ませ、景気を悪化させるだけだと言わざるをえません。 二階氏が災害対策を理由に補正予算案を正当化したのに対し、小池氏は批判しました。 小池 災害対策は大事です。だから私たちは第1次補正予算に賛成しました。しかし、今回の補正予算の中心は大型開発で、たとえばリニア新幹線や大型クルーズ船のための港の整備などです。保育・介護の人材確保が149億円の一方で、21世紀型インフラ整備は1兆4千億円で100倍です。 リニア新幹線計画については、巨額の建設費で、採算の見通しがない。環境破壊など大変な問題があります。しかも、もともとJR東海の民間資金で行うと言っていた事業であり、そこに公的資金が投入されても工事量が増えるわけではありませんから、景気対策にならない。公的資金投入による国民負担のリスクが残るだけです。借金を重ねて公共事業をというのは失敗を続けてきたわけで、今度のやり方はその反省がまったくありません。 TPP――食料主権も国の主権も売り渡すもの、強行突破は許されない 議論はTPP(環太平洋連携協定)の問題に移り、首相時代に交渉参加に向けた事前協議を始めた野田氏が「当時大反対していた自民党が一気に交渉参加したのは驚いた。私がちゅうちょしたものをのみ込んだのではないか。現行の協定案に賛成するわけにはいかない。臨時国会では拙速も強行もだめだ」とクギを刺しました。小池氏は次のように述べました。 小池 TPPでは関税を撤廃して、多国籍企業の利益のために日本の農業をはじめとする産業が破壊され、食の安全、医療、雇用など、非関税障壁という関税以外のルールも撤廃する、そしてISD(投資家対国家紛争解決)条項があり、多国籍企業が他国政府に巨額の賠償請求をするなど、食料主権も国の主権も売り渡すものです。 しかも、この間の交渉過程が一切明らかにされていない。日本が何を要求したのかも、他国から何を求められたのかも全部黒塗りでした。その交渉に当たった甘利(明・前経済再生相)さんは国会に出てこず、大臣を降りてしまった。これではまともな議論ができるわけがありません。 野田さんからも拙速なことは許さないという話があり、野党の書記局長・幹事長会談でも確認をしました。今国会での強行突破は許さないということで、結束して力を合わせたい 米国の大統領選と政府与党の判断について問われた小池氏は、こう発言しました。 小池 米大統領候補が2人とも反対しています。各国でも、ベトナムをはじめ、多くの国が米国の動向を見極めようとしており、拙速に批准しないと言っている。米国が入らなければ発効しないわけだから、当たり前の対応です。日本はなぜ、前のめりになるのか。 それから、新たな問題で、輸入米(SBS米)の米価の偽装が発覚しました。これは重大です。輸入米の価格は国産米と変わらないから大丈夫だと、政府はずっと説明してきた。ところが実際は安い値段で取引する仕組みができており、2年前には農水省は知っていたと報道されています。これはいままでの政府の説明と矛盾します。TPPで米には影響は出ないという根拠がこれだったわけですから、この問題の解明なしに議論は進められません。 二階氏は「改めて情報開示を積極的にして、今国会でTPPの承認が得られるようにしたい」と述べました。 自民改憲草案――憲法の名に値しないひどい中身 憲法改定問題では、野田氏が自民党の改憲草案に対し、「国民の権利を軽んじるものだ。撤回しないと議論は進まない」と批判。二階氏は「撤回するつもりはない。これで審議をしていきたい」と居直りました。小池氏は厳しく追及しました。 小池 撤回するつもりがないと、はっきりおっしゃったことは重大です。草案はひどい中身で、憲法9条2項を削除して国防軍を持つとしており、何の制約もなく海外での武力行使ができるようになります。緊急事態条項という事実上の戒厳令も敷ける。そして、基本的人権を「侵すことのできない永久の権利」だと定めた憲法97条を全文削除して、「公の秩序」、すなわち政府の都合で基本的人権は制約できるとしました。国家権力を制約するのが憲法なのに、国民を縛るものになっているわけで、これは憲法の名に値しないものです。 こういう時代逆行の改憲草案を撤回するつもりはなく、(衆参両院で)憲法審査会を開いてくれと。憲法審査会は単に議論する場ではなく、改正草案の原案を発議する場所です。安倍首相は自民党改憲草案をベースに(国会で改憲発議ができる)3分の2を構築するのが政治の技術だと言いましたが、いま、国民のなかで憲法を変えようという声は起こっていません。こんな議論を進める必要性はまったくないと、厳しく反対していきたい。 司会者から「自民党改憲草案を憲法審査会の議論のベースにするのか」と問われてまともに答えなかった二階氏に対し、小池氏はさらに批判しました。 小池 自民党改憲草案をベースに憲法審査会で議論するということを否定されませんでした。憲法全般については、憲法審査会でなくても、国会のあらゆる委員会で議論できます。憲法審査会の規定には、憲法改正原案の発議等を審査する機関と書いてあり、目的ははっきりしているわけです。そこで自民党改憲草案をベースに議論するというのであれば、とてもそんな議論を進めるべきではありません。 天皇の「生前退位」問題――皇室典範の改正という形で解決を 最後に天皇の「生前退位」の問題がテーマになりました。小池氏はこう主張しました。 小池 高齢によって象徴としての責任を果たすことが難しくなるのではないかと案じているという「お気持ち」はよく理解できます。そもそも1人の人が、いくら高齢になっても亡くなるまで仕事を続けなければいけないというあり方がこのままでいいのかということが問われていると思います。あくまでも政治の側の責任として、「生前退位」について真剣な検討が必要です。 そしてこれは、決して特定の個人の問題、一代限りの問題ではとどまらないもので、制度のあり方にかかわる問題です。憲法でも、皇位については皇室典範の定めるところによりと明記されており、きちんと皇室典範の改正という形で解決をしていくのが筋です。 野田氏も「特措法だけでいいのか、一代限りの法律は、小池さんがおっしゃったように問題があるかもしれない。静かに議論しないといけない」と述べました。 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-09-26/2016092604_01_1.html
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