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2016/09/12 04:34
<約3000人が死亡した2001年の米同時テロから11日で15年を迎え、国際テロ組織アルカイダのメンバーに乗っ取られた旅客機2機が突っ込み、倒壊したニューヨークの世界貿易センタービルの跡地「グラウンド・ゼロ」など、各地で追悼式が開かれた。
グラウンド・ゼロでは、旅客機がビルに激突した時刻やビルが崩れ落ちた時刻に合わせ、黙とうがささげられ、犠牲者の名前が遺族らによって読み上げられた。ハイジャック機1機が突っ込んだ首都ワシントン郊外の国防総省、別の1機が墜落したペンシルベニア州シャンクスビルでも式典が行われた。
オバマ大統領は国防総省の式典で演説し、「多様性は弱さではなく、われわれの偉大な強さの一つであり続ける」と述べ、イスラム過激主義などとの戦いの一方で、寛容さを保つ大切さを訴えた。さらに「米国人は恐怖に屈しない。われわれは自分たちの自由を守る」と決意を語った>(以上「時事通信」より引用)
旅客機をハイジャックしてトレードセンタービルに激突させた衝撃的な映像の記憶はまだ新しい。あれから15年も経ったのだ。
米国は鎮魂の式典を被害各地で開催したが、そこで「テロへの報復」を確認し合ったようだ。日本の終戦記念日のありようとは随分と異なる。
オバマ大統領は国防総省の式典で演説し、「多様性は弱さではなく、われわれの偉大な強さの一つであり続ける」と述べ、イスラム過激主義などとの戦いの一方で、寛容さを保つ大切さを訴えた。さらに「米国人は恐怖に屈しない。われわれは自分たちの自由を守る」と決意を語ったという。
米国は大統領が「寛容」を訴えなければならないほど、イスラムへの反感が募っているようだ。米国はモザイク国家といわれる移民により多種多様な民俗が暮らす国だ。国家として一体性を保つのに日本以上に言語や宗教の同一化は必要なのだろう。
しかし歴史的に見ればイスラムを先に攻撃したのはアフガンに侵攻しイラク戦争を主導した米国だ。公平に見るなら、世界で戦争を仕掛け武力を行使しているのは米国だ。
日本は米国の陣営に属し、日本のマスメディアも米国の所業を是認する立場で報じているが、世界各国がすべて米国の陣営ではない。世界全てがキリスト教徒の国ではない。
日本のマスメディアは米国の窓から世界の景色を見過ぎてはいないだろうか。それも米国の1%の窓から見える景色ばかり報道してはいないだろうか。
日本が隷属している米国は世界にとっては北朝鮮と同様な厄介な国ではないだろうか。世界を股に掛ける投資や企業が自由に世界の何処ででも利益を最大化させるための「仕掛け」作りがグローバル化という魔術だ。それに逆らうモノはことごとく排除してきたのが米国の正体だ。
しかし当の米国が変わり始めている。この11月の米国大統領選がどうなるか予断を許さないが、トランプ氏は間違いなく反グローバル化を指向する政治家だ。内向きと評する者もいるが、トランプ氏は内向きというよりも「国民の生活が第一」の政治を目指しているようだ。
過激な言動がトランプ氏の売りになっているが、彼が大統領候補としてこの時期まで残っているとは双子のワールドトレートセンタービルにハイジャック機が激突した当時に誰が思っただろうか。米国は確かに変わってきている。
行き過ぎたグローバル化が米国に恵みを決してもたらさないことに米国民が気付き始めた。交易の自由は保障されなければならないが、関税自主権まで放棄させるのは明らかな行き過ぎだ。国家主権に対する侵害そのものだ。だからトランプ氏は強烈にTPPに反対しているが、「国民の生活が第一」の政治を前面に打ち出す彼にとっては当然のことだろう。
ただ、そうした反グローバル化の動きが反イスラムの動きに連動して米国社会がイスラム排除にならないことを願うしかない。思想信条の自由と同時に宗教の自由も保障されなければならない。
確かに米国の1%が世界を支配しようとした野望は米国経済の衰退から潰えようとしている。その起死回生を狙ったのがグローバル化であり、米国ポチ日本を代表する連中が唱えた「構造改革」だ。
日本の米国ポチ政権は米国要請のグローバル化を忠実に履行しようとTPP批准を強行しようとしているが、米国の対テロ戦争に加勢しようと「戦争法」を憲法無視して強行決議してしまった。周回遅れの政策を日本の隷米政権は強行しているが、日本国民に反グローバル化の世界の潮流は伝わっていないようだ。日本の腐り切ったマスメディアがそうした反グローバル化を「悪」として伝えるか無視しているためだ。
しかし米国の「鎮魂式典」に潜む「報復祈念」は批判されなければならない。そうした論調が一切ない日本のマスメディアには改めて失望する。日本のマスメディアは「テロとの戦争」に日本も参加して、自衛隊員が戦死するのを容認しているのだろうか。日本が攻撃されたのならまだしも、わざわざ米国の戦争に出かけて行って自衛隊員が戦死する必要はない。
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