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さながら道化師 安倍支持率アップは「パンとサーカス」
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/189094
2016年9月2日 日刊ゲンダイ 文字お越し
9月1日は防災服(C)日刊ゲンダイ
仕事もしていないのに、なぜ支持率がアップするのか謎だ。ゴルフ三昧の長い夏休みを満喫し、休み明けにちょいとコスプレしてみせただけで内閣支持率が急上昇。安倍首相にしてみたら、こんなラクなことはない。
国民がメダルラッシュに熱狂したリオ五輪。閉会式に、安倍は人気ゲームキャラクターの「マリオ」に扮して登場した。その直後、日経新聞(29日付)の世論調査では、マリオお得意の「スーパーキノコ」でも使ったかのように、安倍内閣の支持率が62%にハネ上がったのだ。
日経は「閉会式に出席したリオデジャネイロ五輪が盛り上がり、4年後の東京五輪への期待が政権の追い風になった」とか分析していたが、実際、安倍の総裁任期延長についても賛成の声が増えた。リオ五輪前は、どの社の調査でも「反対」が多数だったのに、今回の日経の調査では「安倍首相に東京五輪・パラリンピックまで首相を続けてほしいと思う」が59%と、「続けてほしいとは思わない」(29%)の2倍に急増している。
「閉会式での安倍首相のパフォーマンスは、スポーツの政治利用に他ならず、オリンピック憲章に違反する行為です。ヒトラーの『民族の祭典』の世界ですよ。メディアは厳しく糾弾しなければおかしいのに、一緒になって浮かれていた。それ以前に、全世界が注視する場でこんな非常識なパフォーマンスをするトップリーダーが他にいますか。恥知らずもいいところです。しかも、首相がピエロになって注目を集めるために12億円もの税金が使われたという。メディアは首相のリオ閉会式での行動を徹底的に叩くべきです」(政治評論家・森田実氏)
だが、大新聞は東京五輪のオフィシャルパートナーになっている。巨大な利権商売の当事者なのだ。だから、安倍の政治パフォーマンスを決して批判しないし、国威高揚をあおる側に回る。同時に、五輪というサーカスでマリオの道化を見せられて大喜びする国民の側の問題もある。
■「安倍マリオは新しい道化」
1日の東京新聞「本音のコラム」で、法政大教授の竹田茂夫氏が〈安倍マリオは新しい道化なのか〉と、こう書いていた。
〈支配者から見れば、政治とは民衆にパンとサーカスを与えることに帰着する。今日と明日の生活の不安・不満を物心両面から抑えておけば、支配は安泰だ。これをやってのけたのはナチスだった。アウトバーン建設等で失業対策を打つ一方で、ナチ党大会やベルリン・オリンピック等の壮大な野外劇から「ハイル・ヒトラー」の敬礼まで、わざとらしい演技や演劇に大衆が参加しつつ自ら観客になるのが効果的なのだ〉
安倍政権がナチスの手口に学んだのは、解釈改憲や安保法による立法改憲だけではない。すぐ目の前には2020年東京五輪という壮大な「サーカス」も待っている。まさに、国民が〈参加しつつ自ら観客になる〉サーカスである。
そういう意味では、リオ閉会式で五輪旗を受け取った東京都の小池知事もまた、一種の道化師である。築地市場の移転延期を決めたことで世間は沸いているが、ただ「延期」を決めただけの話で、問題は何も解決していない。ワイドショーの見せ物として、都政と直接関係ない国民まで巻き込み、政治的なモラトリアムによって期待を引き延ばす手法は、いつまで経っても「道半ば」のアベノミクスに通じるものがある。「五輪の成功」を錦の御旗にして、「何かやってくれそう」という印象を与え続けるだけの典型的なサーカス政治だ。
過去最大の防衛予算を計上(C)日刊ゲンダイ
五輪を名目にすれば何でもまかり通る危険な風潮
国民が五輪や築地移転問題に目を奪われているうちに、アベノミクスの失敗は忘れ去られそうになった。
五輪が終わった途端、テレビは芸能人の強姦致傷容疑事件やシャブ裁判で占拠され、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の巨額損失など亡国的な暴政の数々もかき消されてしまった。熱しやすく冷めやすいのはメディアの方か、国民なのか。
GPIFは2015年度通年で5兆円超、今年4〜6月期でも5兆円超と、合計で10兆円以上の損失を出したことが分かった。ひと昔前なら大騒ぎになっているはずだ。なにしろ、アベノミクスの株高を演出するために国民の虎の子である年金資金が使われ、その結果、10兆円も溶かしてしまったとなれば、運用比率を独断で変えた内閣の責任問題になる。ところが世論の追及は甘く、それどころか「東京五輪まで安倍首相で」なんて声も上がる始末。なぜ、もっと怒らないのか。
「情報操作を巧みに使って国民をコントロールしてきたのが安倍政権です。支持率が低下するたび、女性活躍やアベノミクス再加速など、次から次へとテーマをブチ上げて目くらましに走る。『暗黒の民主党時代に戻していいのか』と論点をズラして自分の失政を隠してしまう。メディアはそれを垂れ流して政権の宣伝機関の役目を果たしてきた。結果は関係ない“言ったもん勝ち”で、国民の思考回路を奪い、高支持率を維持して、選挙に勝てば、秘密保護法や安保法をゴリ押しするのが、この政権のやり方です。今回は、リオ五輪閉会式の分かりやすいパフォーマンスが国民の東京五輪への期待感を膨らませることに成功した。その途端、秋の臨時国会に共謀罪を新設する法案を提出するなんて話が出てきました」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)
■熱狂のツケは国民に回ってくる
反対の声が強く、過去3回も廃案になった「共謀罪」がゾンビのごとく復活してきた理由も4年後の東京五輪だ。「テロを防ぐため」と五輪を名目にすれば、国民も納得してしまいかねない。国民統制を進めたい政権にとっては千載一遇のチャンスというわけだ。
五輪の成功を名目にすれば、何でもまかり通ってしまうムードは危うい。アベノミクスの失敗で税収は減り、国の借金は増える一方なのに、五輪への期待感が放漫財政を許している。8月31日に出そろった各省庁の概算要求は一般会計の総額が101兆円台と、3年連続で100兆円の大台を突破した。中でも増加著しいのが防衛予算で、過去最大の5兆1685億円を計上。防衛費は、第2次安倍政権の発足で11年ぶりに増額して以来、これで4年連続の増加だ。
「急速に国家統制に服していった戦前さながらで、強権政権のやりたい放題が加速しています。だいたい、五輪で国威発揚などというのがロクなことにならないのは歴史が証明している。五輪を最大に政治利用し、パンとサーカスで国民の目くらましをしながら、同時に軍備を拡大して戦争に突き進んでいったのがヒトラーです。このままでは日本も同じ道をたどりかねません」(森田実氏=前出)
目先のパフォーマンスに惑わされ、五輪への期待を膨らませているうちに、国中に全体主義が浸透し、安倍の総裁任期はしれっと延長され、共謀罪が復活し、防衛予算も青天井という薄ら寒さ。それで国民生活が少しでも向上するのかといえば、否だ。財政破綻にしろ戦争にしろ、熱狂のツケはいずれ必ず国民に回ってくる。自分たちを不幸にする政権に喝采し、支持率を与える今の日本は、間違いなく「パンとサーカス」の国になっている。もはや悲しくなるほどの喜劇というほかない。
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