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辛坊治郎氏 / 「『ヘイトスピーチ防止法』は、「危うい法律」だ。言論統制の出発点になる可能性――」
http://blog.goo.ne.jp/nrn54484/e/6277adadda6f58317864b1956f76e6bb
2016年08月31日 のんきに介護
辛坊氏の論述(修辞)法は、
次の通りです。
すなわち、
二つの項目は、似て非なるものである。
したがって、一方に当てはまっても、他方には当てはまらない、と。
彼が取り上げる似て非なる項目は、
次の論点を巡ってのものです。
(1)在日米軍VS在日朝鮮人と
(2)欧州のヘイト・スピーチ取締法VS日本の防止法です。
以下、何がどう似て非なるものか、
辛坊氏の考え方をまとめてみましょう。
まず、(1)について。
・似ている点:両者ともに在日。
・非なる点:在日米軍の軍人たちは、駐留目的を離れては無関係。在日朝鮮人は、北朝鮮という国を介してつながっているので無関係と言えない。
次に、(2)について。
・似ている点:ヘイト・スピーチを規制する。
・非なる点:欧州のヘイト・スピーチは、法理上、表現の自由が「法律による留保」の下で認められているに過ぎない。他方、日本国憲法は、「法律による留保」がないので、完全な形の表現の自由が認められている。したがって、欧州では合法的であっても、日本では憲法違反である。
この対比法のどこがどう変なのか?
一言で言うと、
尺度が違うのです。
「在日米軍が怖い」
という意識が何によって支えられているかと言うと、
日米関係の非対称性です。
米軍は、
日本において治外法権という
鎧で守られている。
日本国内において生じる出来事だから
属地的に
日本が取り締まることが可能なら、
怖がる必要はありません。
刑事政策の
問題として、あるいは、国防の必要という論点から
許容度が決まってくるでしょう。
しかし、米国の優位性から
米国の軍人、軍属の差別意識の発露として
凶悪犯罪がなされているわけです。
辛坊治郎氏に
その認識があるのかと言うと、
Nothingです。
何にもありまへん。
この人、きっと日本は属国でよし
と考えておられるのですな。
他方、
「在日朝鮮人が怖い」
という恐れの背後には何があるでしょう。
これは、
会社の社長が
労働組合員を怖がるのと
心理的に同じじゃないでしょうか。
支配するものが最も恐れるのは、
反乱です。
辛坊氏の論述には現れませんが、
そういう不合理な
恐怖感があるきりです。
その不合理性を隠すために、
彼は、
次の事柄を取り出します。
そして想像を逞しくして概ね、
こんな風に考えているのではないか――。
すなわち、拉致事件では、
北朝鮮の工作員が実行犯として動いた。
在日朝鮮人は、
祖国、北朝鮮に送金している。
となれば、
彼らは北朝鮮の国籍を有する者として、
日本での滞在目的を
「工作員」とみなしてよいだろう、と。
しかし、米国の場合、
日米に不公平な関係が作られている点は、
安保条約、ならびにその関連法で
確認できます。
これに対して、
在日朝鮮人を「工作員」とみなしてよいだろうとする
根拠は、
妄想です。
たとえば、日本人でブラジルに移民した人、
ブラジルの地で
外国人扱いされているのだとすると、
反感を持つでしょう?
たとえ、日本に送金を行っている事実があってもです。
移民した人が
日本の「工作員」となって、
ブラジルの国益を害するかどうかは、
両国の緊張関係にかかってくると思います。
戦闘状態にあれば、
「工作員」として動くかもしれません。
裏を返せば、
戦闘状態にない限り、
そのような行動をしないということです。
在日朝鮮の方だって、
同じ心理で動くと思います。
果たして、
日本と北朝鮮、
戦闘状態にあるんですか?
僕は、
ないと思います。
あるのは、
安倍晋三とその仲間である
戦闘状態になって欲しいという願望だけです。
実は、
この点、辛坊氏は、
無色透明・中立的な見方をできる人なんでしょうか。
ネトウヨの一角を占めるものとして、
北朝鮮との
緊張関係を煽りたい下心が
あるきりなんではないでしょうか。
そもそも辛坊氏は、
ヘイトスピーチの捉え方を間違っていはしないでしょうか。
批判をすること全般を
このヘイト・スピーチと捉えているのではないでしょうか。
和訳して
「憎悪表現」と言われます。
いわゆる、極右と呼ばれる売国奴たちは、
火(対立)のないところに煙(憎悪)を見ています。
在日の人にすれば、
日本は育った国、つまりは、祖国何ですよ。
そこをあえて、
辛坊氏は、
見損なっています。
その見過ごしは、
なぜ、起きるのでしょう?
同氏は、
自分の胸に手を当ててよく考えて見るべきです。
それこそ、
憎悪故でしょう。
その憎悪がどこから出てきたのか考えた場合、
彼らを預かっている国の
人間として理不尽なことをしてきた
という罪を
認めたくない
という一事に突き当たるはずです。
さて、では、
2点目の「欧州のヘイト・スピーチ取締法VS日本の防止法」の関係の理解が
正しいか否かの問題に移ります。
「法律の留保」
という専門用語を使ったので、
難しいと
感じた人いたでしょうね。
問題の根本は、
辛坊氏の用語法である言論の自由に対して、
日本国憲法は、
「完全な保障規定」なのか否かです。
確かに憲法24条の文言を読む限り、
無制約に認められます。
しかし、言論の自由は、
自由権のカタログに載っている一つです。
すなわち、人権規定の
総論に当たる憲法第12条において、
「常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ」
と規定されていて、
無制約ではありません
(この憲法の文言を知った上での批判でしょう。
欧州では、
言論の自由を制限する局面では、
法律を作らないといけない。
日本は、
「公共の福祉」を持ち出せば、
ヘイトスピーチを規制できるではないか
と指摘した人が
外国特派員の中にいました。
まさに正鵠を射ています)。
辛坊氏は、
法律論においてはど素人でしょうから、
これ以上は
突っ込まないです。
法律論以前にナチスのユダヤ人迫害の
反省を踏まえた
議論になっていないことだけ指摘しておきます。
かの地にある特徴として指摘すべきは、
「ヨーロッパの多くの国の憲法は『法律の範囲内での言論の自由』しか認めていない」
ということではなく、
ナチスへの徹底的な反省です。
現に
ナチスの文献について
制約が課せられているドイツにあっても
表現と言論の自由は民主主義の基本として重視されています。
表現の自由がさほど重んじられないのは、
イスラム圏の話でしょ。
知ってか知らぬかミスリードと思います。
また、イスラム圏の
言論の自由が制約される場合として挙げられる内容が
――宗教を侮辱したり、政府を批判したりする芸術や言論は、社会に害をもたらすものであり、表現の自由という大義名分の下に守るべきではない(サイト「独断時評」熊谷徹さん・文「表現の自由とドイツ 」参照。*http://www.newsdigest.de/newsde/column/dokudan/3027-837.html)――
だということを考え合わせると、
日本に
言論の自由なんてあったっけ?
と思います。
たとえば、日本は、
未だ太平戦争への反省がうやむやです。
それをしようとすると、
“自虐史観”などと
米国に自虐的に服従しようとする人たちから
非難されます。
つまり、「公共の福祉」という
原理的制約の下、
認められる言論の自由を
抑圧するため、
「自虐」などという
レッテル貼りを活用しているわけです。
つまるところ、
言論の自由を封殺してきた歴史が日本にあります。
そこを隠そうとしています。
そんな人たちが
求めた“完全な”「言論の自由」とは、
「言論の自由」を逆手に取った
民族差別であったり、「言論の自由」を
骨抜きにする
言葉の暴力でした。
辛坊氏は、
報道の自由に仕える仕事をしながら、
屁理屈をこねながら、
それらの暴力に加担することでした。
恥を知りなさい
という以外の忠告を見つけられないです。
〔資料〕
「辛坊治郎氏が激怒。米軍への「ヘイト」にしか見えぬ朝日新聞の投書欄」
MAG2NEWS(2016.08.21)
☆ 記事URL:http://www.mag2.com/p/news/216711
6月に施工された「ヘイトスピーチ防止法」。特定の人種や民族への差別を煽るための「ヘイトスピーチ」を制限するために制定されたこの法律について、キャスター・ジャーナリストの辛坊治郎さんは自身のメルマガ『辛坊治郎メールマガジン』で、朝日新聞に掲載された読者投稿の内容を例に挙げ、「危うい法律」だと指摘。「ヘイトスピーチ」防止法が将来的には権力による言論統制の出発点になる可能性があると、強い危惧を抱いているようです。
米軍関係者への「ヘイト」としか思えない朝日新聞の投書
終戦記念日の直前の8月11日、朝日新聞の読者投稿欄である「声」欄を読んでいて、戦慄しました。こんな投稿の掲載が、全国紙、それも日本を代表する日刊紙に許されていいんでしょうか?
投稿者は京都府に住む82歳の男性で、以下のような内容でした。
――「緑と入日の美しい京都府最北端、京丹後市経ヶ岬に米軍の移動式早期警戒レーダー『Xバンドレーダー』が配備されることが私たちの地元に伝えられて3年半になる。日本国内2基目、近畿で唯一の日米地位協定に基づく基地。2014年からレーダーの本格運用が始まり、米軍関係者らも地元で暮らしている。
(中略)弾道ミサイルを探知するXバンドレーダーは稼働しているが少し前には沖縄県で、元米海兵隊員の米軍属の男による女性殺害・遺棄事件が起きた。私達住民は自分の事として憂慮している。私たちは日常的に、街中でもスーパーでも米軍関係者と出会っている。沖縄の事件の事を思うと怖い。
(中略)地域住民全体が安心して生活する権利を、確保するか否かの瀬戸際である。私も憂慮する市民の一人である。憂うべき現在の問題に、敢然と対処して行かねばならないと切実に思う。」――
これって明らかに米軍関係者に対するヘイトスピーチでしょう。
アメリカで元軍属が凶悪事件を起こした事を引き合いに出して、米軍関係者を「怖い」って言うのは、誰がどう言いつくろっても間違いなく唾棄すべき差別です。例えば在日外国人が凶悪犯罪を起こしたからと言って、その外国人と同じ国籍の人に対して「身近にいるのが怖い」というのは間違いなくヘイトスピーチですよね。
だって、アメリカ元軍属の沖縄での強姦殺人(犯人は強姦については認めていないようですが、たぶんそうでしょう)と米軍の活動との間に直接的な因果関係はなく、「米軍関係者=凶悪な犯罪の恐れのある人々」と、百歩譲って個々の人間が思うのは個人の勝手ですが、その差別意識を新聞の投書欄に掲載するのは間違ってます。
これ程明らかな差別投稿を紙面に掲載する朝日新聞って、いったいどうなってるんでしょうか。
例えば、「北朝鮮が拉致という凶悪事件を起こした。近所に在日朝鮮人が住んでいるのが怖い」と投書したら誰でもこれがヘイトスピーチだと分かりますよね。でもこっちの方がさっきの投稿よりはまだ大分マシです。
なぜなら、北朝鮮の拉致は、北朝鮮政府自体がかかわっていたことが明らかになっていて、実際に朝鮮籍の在日の人が犯行に加担していたことが判明しています。つまり、この意味で「在日朝鮮人が怖い」という指摘については、全く根拠がない訳ではありません。
勿論、多くの朝鮮籍の在日の皆さんには北朝鮮の金王朝の所業について責任はなく、実際に凶悪な国家犯罪に直接加担したのはごくごく一部でしょうから、朝鮮籍の在日の皆さん全体を「怖い」と公的に指摘するのは差別だし、ヘイトです。ただし、在日朝鮮籍の皆さんの長年の献金で金政権が支えられてきたことは間違いなく、その責任については、どこかで検証が必要だとは感じていますけど。
話を元に戻すと、「拉致があったから朝鮮籍を持つ在日の人が怖い」と公然と口にするのはヘイトスピーチではあるものの、論理的に完全な間違いとは言えません。しかし、「元米軍属が強姦殺人事件を起こしたから在日米軍関係者が怖い」というのは、「一分の理」も無いヘイトスピーチです。
高齢男性がそう思い、それを新聞に投稿するのは言論の自由です。しかし、これを活字にして紙面に載せるのは全く次元の違う話です。朝日新聞には猛省を求めたいです。
こう考えると、先ごろの通常国会で成立したいわゆる「ヘイトスピーチ防止法」の危うさも分かります。なぜなら、朝日新聞の声欄担当者が正にそうであるように、「何がヘイトか」について絶対的な基準はない訳ですから、成立した法律に罰則など公権力行使に関わる条項が無いとはいえ、将来の運用いかんによっては、これが権力によって特定の言論活動を縛る出発点になる可能性が無い
とは言えません。
そもそもEU憲法草案をはじめヨーロッパの多くの国の憲法は「法律の範囲内での言論の自由」しか認めていないために、例えばドイツで、「街角で『ハイルヒットラー!』と叫ぶと犯罪」みたいな法律を作ることは可能ですが、日本の憲法第21条は、「法律の範囲内での言論の自由」を定めた大日本帝国憲法下で次々法律で言論が縛られて行った反省に立って、法律で規制できない完全な言論の自由を定めてますから、特定の言論を法律で縛ることはそもそも現行憲法上不可能なんです。
私はさっきの朝日新聞の投稿は、6月に施行された「ヘイトスピーチ防止法」に引っかかると確信しています。しかし朝日の担当者はそう思わなかったってことですよね。
ここがこの法律の恐ろしい所で、何がヘイトかはとても難しく、これを法律で規制出来るとすると、将来この法律が出発点になって、権力に都合の悪い言論が「ヘイトだ」と規制される可能性が生まれるんじゃないかと私は強く危惧しています。
image by: austinding / Shutterstock.com
『辛坊治郎メールマガジン』より一部抜粋
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