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二階俊博にかい・としひろ/1939年、和歌山県生まれ。和歌山県議を経て83年に衆院に初当選。運輸相、経産相などを歴任。現在、自民党幹事長。2015年5月に約3千人を引き連れ訪中するなど外交でも存在感を示す。当選11回(撮影/小原雄輝)
二階新幹事長、すべてを語った120分「総裁任期延長論を批判した石破茂に反論」〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160824-00000223-sasahi-pol
週刊朝日 2016年9月2日号より抜粋
小池百合子新東京都知事との確執と補選、憲法改正と総裁任期延長、翁長雄志沖縄県知事との長きにわたる対立、天皇陛下の生前退位問題……。これら難題解決のため、“自民党のラスボス”こと、二階俊博新幹事長が動き出した。作家・大下英治氏にその“秘策”を語った。今回はその一部をお届けする。
* * *
大下:新幹事長としての懸案の一つが、自民党東京都連に反旗を翻して当選した小池百合子新都知事と、党との関係かと思います。8月4日に小池さんと自民党本部で会った時には、どんな話をしたんですか。
二階:小池さんからは都知事就任のあいさつがありました。私はそれを受けて、「東京は一地方ではなく世界的な大都市であり、また五輪を控えてもいますから、選挙だけをテーマに争いを続けるより、少し双方穏やかになってお考えいただきたい」という意見をお伝えしました。
大下:都知事選であれだけ激しく戦った小池知事には、党内にまだ反発も残っているでしょう。うまく関係改善できるのでしょうか。
二階:選挙ではみんな真剣勝負で戦いましたが、今は少し刀を置いて、将来の東京五輪成功のため、都民のためにどうあるべきかを静かに考える時です。答えはおのずと明らかなはずです。自民党というのはこういう時に穏やかであるべきだと、少なくとも私はそう思っています。それに小池さんとは昔からの間柄ですから。
大下:今はまだ、みんなカッカしていますからね。
二階:だから私は「撃ち方やめ」と言っているんです。選挙で結果は出ているんですから、これ以上撃っても仕方がない。それも2万票や3万票負けたという話ではなく、100万票以上の差をつけられているんですから。小池さんのパフォーマンスに負けたという声もありますが、法律で許される範囲であらゆる手を尽くすのが選挙というもので、そこはお互い様。我々は未来のことを考えていくしかないんですよ。
大下:ところで、二階さんは2018年9月で終わる安倍晋三首相の自民党総裁任期の延長について、7月19日の会見で「余人をもって代えがたしという状況が生まれてくれば、対応を柔軟に考えていくのは大いに検討に値する」と、肯定的な発言をされていましたね。
二階:安倍首相は国際的にもこれだけの評価を得ていますし、気力、若さ、政策能力ともに絶好調で現在も走り続けている。支持率が高いのも当然のことで、もう少し長くやってもらいたいという声が巷にあふれています。だから、そういう道を開いてもいいのではないかということを申し上げました。ここから先は国民・党員の皆さまのご判断ですが、だんだんそうした方向へいくのではないか。
大下:となると、今年中に決めることになりますか。
二階:その辺りも含め、万事はこれからですよ。こういうことは政治のテーマとしてみんなで日頃から考えておく必要があるということです。今回の私の発言にしても、以前にも何かの機会で言及していたことを、改めて述べたまで。幹事長になったからといって、以前とまったく違う発言をしても通用しないでしょう。
大下:二階派は、一貫して安倍総裁を支持していますね。昨年9月の総裁選の時にも真っ先に安倍支持を打ち出し、派閥全員の署名を提出していましたね。
二階:あの時はちょうど埼玉県の秩父で派閥の研修会をしていたんです。みんなで議論をして首相の再選を支持することで意見が一致したので、意思表示をしておこうと。派閥に限らず、何かを主張する時にそのグループの意見が割れていたら意味をなさない。我々は全会一致で、みんなで火の玉のようになって安倍政権を支えようという決意を表明したわけです。それ以上でも、それ以下でもありません。
大下:ただ、総裁任期の延長については反発の声も出てきています。例えば今回の内閣改造で閣外に出た石破茂前地方創生相は二階さんの発言に対し、「まだ任期が2年もある状況で今のうちに変えるというのは、国民も違和感を感じている人は多いのではないか」と、不快感を示しました。
二階:しかし、そう言う石破さんも私が発言するより前に、同じ趣旨のことを言っているんですよ。7月12日にテレビ番組に出演して、総裁任期延長について「大義があって、自民党で決まれば当然ある」と発言しています。その時と今は反対のことを言っているんじゃないですか。この問題は単に安倍首相の任期を延ばそうというわけではない。国民・党員の支持があれば、もう一度総裁選に出られるようにしようとするだけです。党内の支持がなければ当然総裁選に当選できないのですから。いずれにしても、任期満了の年(18年)の党大会で党則変更となると無用な混乱を招きかねないので、今後一定の期間を設けて議論した上で、できれば年内には結論を出したいと思っています。(構成 本誌・小泉耕平、上田耕司)
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