天木直人は確信犯だな。反日勢力からいくら金を貰っているのだろう。 米国が核兵器の先制不使用を宣言すれば中国・北朝鮮などに対する抑止力が損なわれ、紛争の危険性が高まる。 2016.8.16 09:27 安倍首相、オバマ大統領に核先制不使用反対の意向 「米側に伝達」ワシントン・ポスト紙報道 http://www.sankei.com/world/news/160816/wor1608160017-n1.html 【ワシントン=青木伸行】米紙ワシントン・ポスト(15日付)によると、安倍晋三首相はハリス米太平洋軍司令官に対し、オバマ大統領が検討している核兵器の先制不使用に反対の意向を伝えた。 米政府高官の話として報じた。安倍首相はハリス司令官に、米国が先制不使用を宣言すれば北朝鮮などに対する抑止力が損なわれ、紛争の危険性が高まると伝達したという。首相は7月26日、首相官邸でハリス司令官と会談しており、この席で表明したとみられる。 同紙はまた、日本のほか韓国や英国、フランスなども米国の先制不使用に反対していると指摘した。 米紙ウォール・ストリート・ジャーナルもこれまでに、カーター国防長官、ケリー国務長官ら有力閣僚も反対していると報じており、「実現の可能性は低くなった」との見通しを示している。 「日本の核武装」と「米国の核の傘の維持」を同時進行で大至急で進めるべきだ。
浮上する「核抑止力の論理」 核兵器について我が国では、「つくっても、保有してもならない兵器」、その延長線上で「使えない兵器」として考えられてきた。しかしながら日本の安全を維持してきたのは、紛れもなくアメリカの「核の傘」である。 日本が戦略的に考えなければならないのは、北朝鮮や中国が日本と紛争を起こした場合、日本の力で日本の利権や国土を守ろうとするならば、戦いは戦争の力学によってエスカレートし、核の問題にまで及んでくることである。 日本は不法な侵略や攻撃を阻止するため、つまり抑止するための力をいかに持つかを考えなければならない時期に来ている。 「核兵器は使えない兵器であり、使えない核兵器を開発する意味があるのか」という意見が我が国には多い。 だが日本に核兵器があれば、相手側も核兵器を簡単には使えないという、抑止の論理が働くことになる。日本は、アメリカの「核の傘」に頼っていたために忘れてきたこの問題を考えなければならなくなっている。 日本の技術力をもってすれば、中国や北朝鮮のような開発途上国の核の脅威に対抗できる核戦略体制をつくりあげることは難しいことではない。 難しいのは世論を統一することだが、そうしたことを考える以前に、総合的な核戦略思考を持つために、アメリカの核戦力がいかに精密につくられているかを見てみよう。 アメリカの核戦略体制は、費用の面からだけでも到底、真似のできないものである。私は長い間、テレビ番組のためにアメリカの軍事力を取材し続けてきた。 一昔前、まだ冷戦が厳しかった頃、取材したネブラスカ州の大陸間弾道ミサイル基地は、30年後に訪れた時も、同じ状態で実戦態勢を取り続けていた。 アメリカは現在も、1メガトンの核爆弾を8ないし10、搭載するミニットマンミサイル450基を全米各地のサイロに実戦配備し、ロシアと中国の軍事基地や、政治拠点を狙っている。 このミニットマンミサイル部隊はアメリカ空軍に属しているが、アメリカ海軍は、現在14隻のミサイル原子力潜水艦をほぼ全て、太平洋に展開し、中国の軍事基地を狙っている。その1隻、ミサイル原子力潜水艦「ペンシルベニア」の実戦パトロールに同乗を許されて取材したことがある。 アメリカのミサイル原子力潜水艦は、トライデント大陸間弾道ミサイル24基を装備し、アメリカ西海岸のバンガーを基地として常時4隻が、西太平洋の中国沿岸で戦略パトロールを行っている。搭載しているトライデントミサイルは、0.8メガトンの核爆弾を8、ないし10装備している。 アメリカは依然として、ステルスB2戦略爆撃機やB52Hなどの戦略爆撃機による核攻撃態勢を維持している。 私はこのうち、ステルスB2戦略爆撃機をミズーリ州ホワイトマン空軍基地で、B52Hをグアム島のアンダーセン基地で、内部を詳しく取材したことがある。B52Hは、長い間、アメリカの戦略攻撃力の中心になってきたB52の最新型である。 私がここまでアメリカの戦略攻撃態勢について詳しく述べてきたのは、こうした最新鋭の強力な核戦力が日本を守る「核の傘」を構成し、かつてのソビエト、現在のロシアや中国、さらには北朝鮮からの核攻撃を防いでいることを認識してほしいからである。 今アメリカで起きている、日米安全保障条約が不要であるという論議は、この強力な「核の傘」が日本周辺から消えることを意味しているのだ。日本の安全にとって由々しき事態が生じようとしているのである。 我々は好むと好まざるとにかかわらず、現実問題として日本を守ってきた「核の傘」が消えかかっている事態を認識し、そのための対策を考えなければならない。 日本の核武装の問題はこれまでも真剣に論じられてきた。しかしながら、そういった核論争の中では、日本を覆ってきたアメリカの「核の傘」が極めて強力で大がかりであること、冷戦の間アメリカと対峙してきたロシア、それに追随して軍事力を強化している中国がアメリカの核戦力に拮抗する強大な核戦力体制を作っていること、などが論じられていない。 ロシアが膨大な核戦力を持っていることは一般によく知られているが、アメリカ情報当局によれば、中国も外部に情報を漏らさないまま、大陸間弾道ミサイル部隊を拡大し、それに見合う強力な核戦力を作り上げている。 日米安保条約が空洞化した後、日本がこうした世界の強固に確立した核戦力体制に対抗するためには、一通りではない複雑な核戦略が必要となる。 核兵器を製造するのはたやすい。だが単に核兵器を作って保有することが、効果的な抑止力になるわけではないのである。 日本が核戦略としてまず考えるべきは、アメリカの「核の傘」をいかにして消滅させずにおくかという問題である。 日本だけでなくヨーロッパもNATOを含めて、アメリカの「核の傘」によって安全を維持している。そのヨーロッパに対してもドナルド・トランプは、軍事援助をやめてしまえと主張しているが、ヨーロッパの事情は日本とは違っている。 ヨーロッパ、特に西ヨーロッパは人種的にも文化的にも、アメリカと同一である。しかもアメリカはNATO条約で西ヨーロッパ諸国を守ることを義務づけられている。ドイツの友人がこう言ったことがある。 「NATO条約の第5条によれば、NATO加盟国に対する攻撃は、NATO全体に対する攻撃と見なされる。アメリカは戦わなければならない義務がある」 日米安保条約にも、このNATO条約第5条と同じような条文が存在している。だが尖閣諸島問題をめぐる紛争がきっかけとなって中国が日本を攻撃した場合、NATOの条項と同様に、日米安保条約がアメリカの行動を義務づけているとは確信できない。 私が「いま日本は新しい核戦略を必要としている」と言っているのは、この問題に関わってくる。ロシアがNATO諸国を攻撃した場合、NATO加盟国はアメリカとともに戦う。 日本も、アメリカが一方的に日本を守るという日米安保条約に代えて、アメリカとともに戦う軍事協定を作る必要がある。 在日米軍が、日本を守るアメリカの強大な「核の傘」の一部である。日本が中国やロシアの核戦力に対抗できる核戦力を持つことができないのであれば、アメリカの核抑止力を日本に留めておくための経費を負担する必要がある。 トランプの発言は、なぜ日本を守るのか、守ってほしいのならば経費を負担すべきだというアメリカ国民の疑問を代表している。そうしたアメリカ国民を納得させ、アメリカの核抑止力を日本に留めておくためには、トランプが主張する日米安保条約に関わる経費の問題を真剣に検討すべきである。 アメリカの「核の傘」を構築する、アメリカ軍2万人が日本に駐留し続ければ、北朝鮮や中国が、そのアメリカ軍をミサイル核攻撃の標的にした場合には、日本とアメリカの立場が完全に一体化することになる。 かつて在日米軍を、日本の安全を維持するための人質だと見なす考え方が存在したが、そうした偏狭な考え方をするのではなく、日本の新しい核戦略として、アメリカ軍を日本に展開しておく必要がある。 政治的な駆け引きに基づくこうした戦略に加えて、日本は、どのような経済的犠牲を払おうとも、必要とあれば独自の核戦力を持つ能力と意志があることを、アメリカをはじめ世界に知らせる必要がある。 特に北朝鮮のような、初歩的な核兵器とミサイルで恫喝してくる国に対しては、独自の核戦力を開発する用意があることを明示しておく必要がある。 アメリカ国内には、日本に核武装させることがアメリカのアジア戦略にとって安上がりになるか否か検討するべきだ、という声が出始めている。 一方、日本ではアメリカの「核の傘」に守られてきたという現実を忘れた人々が、「核兵器反対」「憲法9条守れ」と声高に叫び続けている。 日本の人々は、アメリカの次期大統領になる可能性のある人物が、国民の声を代表して「日米安保条約をやめてしまえ」と主張していることを真剣に受け止めるべきである。 アメリカの政治情勢の変化によって、日本の安全保障政策が一大転換点に立たされていることを認識しなければならない。
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