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高揚感に浸る安倍首相からにじみ出る「超長期政権」の野心と、経済界が抱く「ある不安」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49135
2016年07月09日(土) 歳川 隆雄「ニュースの深層」 現代ビジネス
■自公で改選議席の過半数は間違いない
7月10日の参院選を前に精力的に激戦区を東奔西走してきた安倍晋三首相は今、高揚感に浸っている――。
最直近の世論調査の結果を見ても、32ある1人区で野党統一候補に頭ひとつリードを許していた青森、福島、山梨、そして三重で自民党候補が急追しているからだ。
6日の青森、7日の福島遊説で手ごたえを感じたに違いない。
さらに5日に訪れた新潟は、選挙戦序盤まで野党統一候補、しかも小沢一郎生活の党代表直系の森裕子元文部科学副大臣に届かないとされた、現職の自民党候補・中原八一国土交通政務官が、土壇場になって優勢に転じたのである。
安倍首相がハイテンションになるのも分からないではない。
自民党候補が確実に敗北を喫するのは、岩手、山形、宮城、長野、沖縄の5県である。そして投開票日ギリギリまで大接戦を展開しているのが、上述の4県であり、仮に自民党がその4県すべてを失っても、焦点の1人区は23勝9敗である。
2勝2敗のイーブンであれば、自民党の25勝7敗。それは途端に自民党が参院単独過半数57議席獲得を意味する。複数区は北海道(定員3)で2人目候補を落としても16議席が確実視されるので、1人区が24勝8敗でも、比例の最低獲得見込みの17議席を加えると57議席になる。
公明党もまた選挙区7議席、比例6(7)議席獲得は確実であり、議席を大幅に増やす。いずれにしても、安倍首相の公約である「自公で改選議席の過半数」は100%間違いない。
それどころか、自民、公明両党におおさか維新の会(代表・松井一郎大阪府知事)、日本のこころを大切にする党(代表・中山恭子元少子化担当相)を加えた所謂「改憲勢力」が3分の2の78議席に達する可能性が高いのだ。
■「EU離脱」ショックは一段落したが…
仮にそうなれば、憲法改正を悲願とする安倍首相は心躍るかもしれない。2018年9月に自民党総裁任期切れとなるが、任期3年の1期延長=超長期政権の野心が頭をもたげて来るかもしれない。だが、東京の金融市場は真逆の反応を示すことになるはずだ。
英国の「EU離脱(Brexit)」ショックが一段落したものの、円高・株安基調に変化は見られない。東京株式市場の日経平均株価は1万5000円台を低迷している上に、対ドル円レートも100円を突き抜けて90円台後半突入は時間の問題だ。
海外機関投資家が注目する日本銀行(黒田東彦総裁)の政策決定会合は今月下旬の28〜29日に開かれるが、歯止めがかからない円高推移からすれば追加緩和策決断は不可避である。
その金融政策の中身についても、市場関係者が期待を込めていの一番に挙げるのはETF(上場投資信託)買い入れ額倍増の約6.3兆円への引き上げである。次に期待されるのが現行のマイナス金利0.1%を0.2%へ引き下げ、同時にマイナス貸出金利の導入である。社債など新たに購入するリスク資産の種類拡大も期待されている。
こうした金融政策を実施する前提に日銀が想定しているのは、もちろん財政出動である。安倍政権が9月上旬にも召集される秋の臨時国会冒頭で10兆円規模の第2次補正予算を編成して大型の景気対策を打ち出すことが不可欠というのである。
■「政権の命綱である」株価
ところが、つい最近、筆者が会った経済官庁のトップは「せいぜい真水で3兆円といったところだろう。財務省の壁は高くて厚い。しかし、来年の通常国会で第3次補正を組む」と述べた。
だとすると、「10兆円」の根拠に何ら実体がないのだが、市場は既に織り込んでいるだけに失望が大きく、株安・円高はさらに進む。そこで浮上するのが「改憲勢力の3分の2確保」である。
市場関係者は、その場合、安倍政権が道半ばのアベノミクス推進より憲法改正に舵を切るのではないかと、心配半ば見ているのだ。株安・円高要因に、今参院選の結果も含まれているのだ。
選挙に勝利しても「政権の命綱である」株価は、皮肉なことにさらに下落しかねない。
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