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(回答先: 高里鈴代「彼らの冒した犯罪は、個人的な犯罪を超えた構造的なものです」〜ジョンM「米軍は新人研修では、沖縄を見下すよう教え 投稿者 仁王像 日時 2016 年 6 月 28 日 20:06:10)
「鎮まらない沖縄の怒り」/西川 龍一 解説委員 2016年06月20日 (月)
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/247371.html
沖縄県で20歳の女性が殺害され、アメリカ軍の元海兵隊員の男が逮捕された事件への怒りが鎮まりません。きのう、翁長知事を支える県議会の与党会派などでつくる団体が主催した大規模な抗議集会が那覇市で開かれたほか、東京などでも追悼する動きがありました。
那覇市の陸上競技場で開かれた大規模な抗議集会には、翁長知事も出席し、主催者側の発表で、6万5千人が参加しました。
あいさつに立った翁長知事は、「政府は、県民の怒りが限界に達しつつあること、これ以上の基地負担に県民の犠牲は許されないことを理解すべきだ」と訴えました。
こうした大規模な集会は、県民の抗議の意志を県内外に示すことを目的に沖縄で続く取り組みです。1995年に起きた3人のアメリカ海兵隊員による少女暴行事件に抗議する県民大会は、8万5千人が参加して、アメリカ軍基地の整理縮小などを訴え、翌年、日米両政府が普天間基地の返還に合意しました。しかし、今回は、沖縄の思いが本土に伝わらないもどかしさを感じると話す人もいました。
これまで、与野党や保革を超えて行われてきたこうした集会ですが、今回、県議会の会派のうち、県政野党の自民党と中立の公明党は主張の分かれる政治テーマを掲げるのではなく、被害者の追悼や事件への抗議に絞って開催すべきだなどとして参加しませんでした。さらに、おおさか維新の会も超党派で行われないことを理由に参加を見送りました。
公明党は、参加を見送る代わりにおととい県庁前で独自に1500人が参加する追悼集会を開きました。自民党も別の日程での集会を開催する方針ですから、事件に対する怒りという点では沖縄の意見は一致していると言えます。
今回の抗議集会で注目されるのは、翁長知事自身があいさつの中で述べた2点です。「日米地位協定の抜本的な見直し」を目指すこと。そして「海兵隊の撤退・削減を含む基地の整理縮小に取り組んでいく」こと。普天間基地の辺野古移設阻止とともに、「不退転の決意を表明する」と話しました。この2つを実現することなしに、基地があるがゆえの沖縄の事件はなくならないとの考えからです。
まず、日米地位協定の問題です。日米地位協定は、安保条約に基づいて、在日アメリカ軍の法的な地位を決めているものです。公務中のアメリカ兵などが罪を問われた場合、アメリカ側に優先的な裁判権があることや、基地内では、アメリカの法律が適用されることなどが定められています。このことが犯罪などに対する軍人の特権意識を生んでいるという意見があります。
実際、沖縄で2012年に2人のアメリカ海軍兵が女性を乱暴した事件では、2人が事件を起こしても警察に捕まることはないと考えて犯行に及んだことが裁判資料から明らかになっています。2人は犯行時刻の5時間後にはグアムに移動することになっていました。結果的に逮捕されましたが、基地に入れば捜査は及ばないと考えたわけです。
ただ、外務省も地位協定そのものの見直しには、否定的です。複雑な交渉が求められ、どの程度時間がかかるのかも不明確だなどとして、及び腰です。実効性が高いのは、これまでのように運用の見直しを進めることという考えがあります。今回も日米両政府は、地位協定が適用される軍属の範囲を縮小する方向で協議を進めています。
しかし、地位協定は、1960年の制定以来、一度も抜本的な見直しはなされていません。
沖縄からは、そもそも交渉を求める前から腰が引けているという批判が、政治的な立場の違いを超えて出ています。
2点目は、海兵隊の撤退・削減を含む基地の整理縮小です。
元々自民党の県連幹事長も務めた翁長知事は、安保体制は維持する立場です。その翁長知事が今回、海兵隊の撤退・削減に触れた背景には、なんらかの形で沖縄の海兵隊が減らなければ、沖縄の負担軽減にはならないという思いがあります。
日本に駐留するアメリカ軍が占有する施設の74%が沖縄に集中しています。その理由として持ち出されるのが、中国や北朝鮮に対する抑止力です。
沖縄のアメリカ軍のうち、もっとも多いのが海兵隊の施設で、75%を占めています。しかし、海兵隊は、戦後の基地反対運動の高まりを受けて昭和30年代に本土から沖縄に移されたものです。元々戦略的な必要性から沖縄に移駐したわけではありません。
しかも、アメリカ軍の再編計画で、沖縄の海兵隊の一部はグアムへの移転が決まっているほか、部隊のすべてが沖縄に常駐しているわけではなく、アジア太平洋地域を巡回しています。海兵隊に詳しい専門家によりますと、空軍や海軍とは異なり、ここ数年、海兵隊が重視しているのは人道支援や災害を想定した国際共同訓練です。こうしたことは国内ではほとんど知られていません。活動の実態を知れば、撤退・削減に向けた交渉への道筋も見えてくる可能性があります。
実際、基地があるがゆえの沖縄の事件は、沖縄が本土復帰して以降も一向になくならないという実態があります。本土復帰以降、去年までに、アメリカ軍関係者による刑法犯罪は5896件。このうちおよそ10%が殺人や女性への乱暴などの凶悪犯罪です。中には乱暴されても警察に届けず、泣き寝入りするケースが数多くあり、実態を調べる術はないというのが実情です。
1995年の複数の海兵隊員による少女暴行事件以降に起きた犯罪の一部です。先ほど、地位協定の問題で指摘した2012年の2人の海軍兵士による女性乱暴事件の2か月前には、那覇市で海兵隊員による強制わいせつ傷害事件が起きていました。
今回も、沖縄では、女性殺害事件の直後に、現役軍人の飲酒運転による人身事故が起きました。
沖縄に駐留するアメリカ軍のトップである四軍調整官のニコルソン中将は、先週、NHKのインタビューに、事件発覚後、すべての軍人と軍属を対象に先月27日から出している外出や飲酒を制限する命令を今月24日に解除することを明らかにしました。当初の30日間より早い解除で、アメリカ側の対応は、毅然として規律を質すと言うことにはなっていないのではないかとの批判もあります。これでは、沖縄の人たちから、アメリカ軍の綱紀粛正や反省の言葉に意味があるのかとの声が聞かれるのも、もっともなように思います。
今回の事件を受けて、政府は実効性のある再発防止策の取りまとめを急ぎ、沖縄の理解を得たい考えです。今回の抗議集会に娘を連れて参加した主婦は、「事件が発覚して悲しみに暮れている最中に、本土では連日、東京都知事の問題が大きく取り上げられるのを見て、今回ほど本土の人たちと沖縄の断絶を感じたことはない。」と話していました。大学生の女性は、他人事のように捉えているように見える本土の我々に、「みなさんも今回の事件の第2の加害者です」という表現で、しっかり沖縄に向き合ってと呼びかけました。今月23日は、沖縄慰霊の日が控えています。怒りの本質を理解しなければ、沖縄の怒りは鎮まらないと思います。
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