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安倍総理も、東京の朝日健太郎と沖縄の島尻安伊子を心配している〔PHOTO〕gettyimages
民進党の参院選「当落調査」を入手! 意外な結果に安倍総理も戦慄、これが全選挙区の勝敗だ
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48929
2016年06月20日(月) 週刊現代 :現代ビジネス
新聞やテレビの世論調査では、この選挙を読み解くことはできない。安泰と言われる候補者の足元がぐらつき、ノーマークの候補者が猛烈に追い上げる。刻々と変わる情勢を、1枚の紙が雄弁に物語る。
■安倍総理と幹部たちが戦慄した選挙予測
「1人区では12選挙区、複数区では3選挙区で、自民党候補が苦戦の見込みです。6月第2週に行われた自民党の選対事務局長会議では、各ブロック長に『これらの区は特に重要だから、気を引き締めてかかるように』と指示が下りました。
そのとき、若手の議員から『われわれにも各選挙区の詳しい情勢予測を見せてくれ』という声が上がりましたが、党執行部は『それは見せられない』ときっぱり。
しかも6月9日には、優勢と思われていた愛媛まで重点選挙区に入った。『そんなに厳しいのか』と、憶測を呼んでいます」(官邸スタッフ)
7月10日投開票となる参院選の選挙戦が、6月22日の公示を前に早くもヒートアップしてきた。
本誌は今回、自民党と民進党の各選挙区情勢を生々しく物語る、内部資料を手に入れた。
両党とも、激戦が展開されるとみられる全国30あまりの重点選挙区で、詳しい事前調査を行っている。ただし、自民党に関しては「情報が漏れるのを嫌ってか、各区ごとに結果を細切れにして管理している」(前出・官邸スタッフ)ため、まとまったペーパーにはなっていない。
一方、民進党では、全国34選挙区の情勢調査がひとつの表にまとめられている。それをほぼそのまま掲載したのが、最終ページの一覧表だ。
「5月末にこの調査結果一覧表を見たことが、安倍総理が衆参同日選挙を諦めた理由の一つです。昨年末の時点では、32の1人区ではほぼ全勝で、山梨と岩手でやや苦戦という程度だった。しかし、わずか半年でここまで情勢が変わるとは、総理も思っていなかった」(前出・官邸スタッフ)
安倍総理と自民党幹部たちが戦慄した選挙予測とは、いかなる内容だったのか。この民主党の当落調査を、最新の各選挙区情勢とあわせて、詳しく見ていく。
■現職大臣が危ない!
まず、「総理みずから『ここは絶対に落とせないぞ!』とハッパをかけている」(自民党選対関係者)のが、福島選挙区だ。
「福島は今回2人区から1人区になり、自民・民進の現職同士が争う形です。しかも自民党の岩城光英は、現職の法務相。現役閣僚を絶対に落選させるわけにはいかないのですが、現時点では、野党統一候補となった増子輝彦がリードしている。
民進党の調査でも、無党派層からの支持で増子が7%の差を付け、B評価(接戦~やや優勢)となっています。
これには理由があります。増子氏は'14年に出された原子力協定承認案を『福島県に不利な内容だ』と猛反対し、党の役職を降ろされてしまった。地元ではそのときの『増子さんは福島のために、役職をなげうって頑張ってくれた』というイメージが根強く残っている。
このままいけば、岩城は勝てないかもしれません」(前出・自民党選対関係者)
苦戦が報じられている沖縄・北方領土担当相の島尻安伊子氏に加えて、さらにもう一人、現職大臣が落選となれば、政権は大打撃を免れない。
今回の選挙で最も注目を集めている東京選挙区では、自民党の2人目の候補者が元ビーチバレー五輪代表選手の朝日健太郎氏に正式決定し、情勢がほぼ決した。自民党ベテラン議員が言う。
「直前まで党内では『朝日って言われても、そんなに知名度ないんじゃないか』とか『またスキャンダルでも出たらどうするんだ』と懸念の声が出ていましたが、結局は彼以上の候補者が誰も首を縦に振ってくれなかったということです。
だって、(朝日氏の名前を)聞いたことないでしょ? 都連も『もうこっちは(現職候補の)中川雅治一本でいく。2人目のことは知らん』と言っているので、ちょっとムリかもしれない。
Aプラス評価の蓮舫が、また150万票取るでしょうね。次点が中川、3・4位が民進の小川敏夫か公明党の竹谷とし子。残り2議席を、共産党やおおさか維新の会の田中康夫、朝日などが争うことになる」
■舛添でマイナス500万票
厳しい状況に追い討ちをかけるのが、次々に新たな「公私混同」が明るみに出て、結局辞職した舛添要一東京都知事の存在だ。
「都議会の連中も、有権者の前では厳しく追及するしかないが、ホンネを言えば『今はひたすら謝り続けて、辞めないでくれ』と思っていた。
自民党に出入りしている選挙プランナーによれば、『舛添と甘利で比例は500万票減った』とのことです。つまり、最低でも2~3議席は失った」(前出・自民党ベテラン議員)
冒頭で述べた、自民党の「苦戦見込みの16選挙区」の内訳は、北から北海道・青森・岩手・宮城・山形・福島・千葉・神奈川・新潟・山梨・長野・三重・滋賀・愛媛・大分・沖縄。
民進党の調査と照らし合わせると、前述した福島を含め、北日本で野党優勢の選挙区が目立っている。前出の自民党ベテラン議員が言う。
「北海道では、自民党の長谷川岳のトップ当選が堅いですから、残り2議席を自民の柿木克弘、民進の徳永エリ・鉢呂吉雄で争うわけですが、民進党は徳永・鉢呂をともにAマイナス、やや優勢と評価している。鉢呂は労組の票を取り込める可能性が高いので、民進が2議席取るかもしれません。
もともと北海道から東北は、TPP交渉の不調や東日本大震災の復興の遅れで、政府に不満を持つ人が多い。自民党に元プロ野球選手の石井浩郎がいる秋田を除いて、全てが重点区なのです」
官邸と自民党が特に不安視しているのが、遠藤利明五輪担当相のお膝元・山形選挙区だという。
「ここは、JAの絡みがあって予断を許さない状況。自民は元全農幹部の月野薫を擁立し、野党は無所属の舟山康江ですが、自民党内では、月野の擁立をめぐってひと悶着あったんです。
月野は遠藤大臣の推しで出てきたんですが、山形選出の現職参院議員の岸宏一(引退を表明)が、遠藤大臣とは犬猿の仲で『絶対に月野の応援はしない』とソッポを向いてしまった。3月には、安倍総理がわざわざ岸を『会いたい』と官邸に呼んで、『どうかお願いだから、月野を応援してほしい』と頭を下げたそうです。
知名度でも、月野は舟山に負けている。'13年の参院選でも、舟山はTPP反対を訴えて出馬し、地元農政連の推薦を得ました。今回は自主投票になるので、いくら月野が全農出身とはいえ、相当な根回しをしないと厳しい。無党派の支持も41%差と舟山の圧勝で、Aプラス評価も頷けます」(同・自民党ベテラン議員)
青森でも、民進の田名部匡代氏は46歳の新人候補だが、「父親は宮沢喜一内閣で農林水産相を務めた田名部匡省で、実は名門出身。地元では『田名部先生の娘さんが出るなら、若い政治家を育てる意味でも、応援していこうじゃないか』という雰囲気になっている。それが、彼女のBプラス評価の理由でしょう。一方の自民党の山崎力は、『もう69歳だし、先がない』と見られている」(東北ブロック選出の自民党議員)という。
5月中旬まで野党候補者が決まらなかったため、一覧表の中に盛り込まれていないのが、小沢一郎氏の地元・岩手選挙区だ。
自民党からは慶應大学ラグビー部元監督の田中真一氏が、野党統一候補では達増拓也県知事の元秘書・木戸口英司氏(無所属)が出馬、事実上の一騎打ちとなる。しかし、野党内の混乱が収まっていない。民進党議員はこう証言する。
「当初、生活の党現職の主濱了が野党統一候補として出る予定だったのが、4月になって急に『家族の介護問題があるから、議員を辞める』と言い出した。しかも、『もう後継も決めた』と、勝手に木戸口を連れてきたんです。
これに、ウチの階猛(衆院議員)や黄川田徹(衆院議員)が『何で小沢系の候補者が勝手に出てくるんだ』と猛反発を始めた。だから、野党統一といっても気持ちはバラバラ。予定通り主濱が出れば、すんなり勝てていたかもしれないのに」
■三原じゅん子ブチギレ
中部地方に目を移すと、元TBSキャスターの杉尾秀哉氏が民進党から出馬を決め、注目を集めている長野選挙区では、今のところ野党が有利な戦いを進めている。杉尾氏の評価はBプラスである。
「今のところ、自民党の若林健太は、無党派層では杉尾に17%のビハインドで、かなり厳しい戦いです。相手が強すぎる。『頭のいい政治家しか信用しない』という長野独特の土地柄も、インテリの杉尾には有利です。
長野という地域はちょっと特殊で、昔は自民党だった羽田孜元総理と井手一太郎元官房長官が地元企業の票を握っていた。この2人が自民党を離れて以降、各企業のトップは自民党支持を続けましたが、社員や組合のグリップが利かなくなって、野党支持に流れてしまったんです。
おまけに今回は、民進現職の北澤俊美氏が引退を表明しているので、その票もまるまる杉尾に乗っかることになる」(北陸信越ブロック選出の自民党議員)
関東地方の神奈川では、こちらも元日本テレビキャスターで民進党現職の真山勇一氏が、Bマイナスの「やや劣勢」評価ながら、最後の1枠に滑り込もうと猛追している。前出と別の民進党議員が言う。
「民進候補者は、連合が金子洋一に注力することを決めたので、金子は若干リードのB評価。ただ今回は、真山が知名度の高さを活かして追い上げています。われわれの調査でも、共産党の浅賀由香とほぼ互角か、少し勝っている。共産票にどう食い込むかが課題です。
自民党に関して言えば、三原じゅん子と、無所属だけど麻生派が推している、元みんなの党の中西健治は当確でしょう。もっとも、菅(義偉)官房長官は一生懸命公明党の候補を応援しているし、麻生派関係者はみんな中西のところに行っていて、三原に付いているのは地元の県連だけ。『いったいこの選挙区はどうなってるのよ!』とブチ切れているそうです」
一方で、東・北日本に比べて自民党支持が根強い西日本では、自民・民進の候補者が僅差の戦いを繰り広げる、真の激戦区が並んでいる。
■世耕夫婦が大問題に
まず舞台裏が注目されているのは、滋賀選挙区である。
「滋賀では民進から現職の林久美子が出ますが、彼女は言わずと知れた、世耕(弘成)官房副長官の嫁さん。そういう事情で自民側も腰が引けていて、大っぴらには攻勢に出られない。『ウラでは世耕も隠れて奥さんを応援している』なんて噂も流れていますが、それが自民党の滋賀県連幹部の耳に入って、『どっちかが議員辞めろ!』と怒りを買っているそうです。
自民候補も、一度県知事選に落ちた小鑓隆史。相変わらず『態度が偉そう』と言われていて、地元の評判があまりよくない。民進党の調査では、林がBマイナスでやや劣勢ですが、最新の情勢で言えばAマイナス~Bプラスで林優勢といったところでしょう。無党派の支持でも、すでに5%引き離している」(近畿ブロック選出の民進党議員)
民進党・岡田克也代表の地元でもある三重選挙区では、自民新人・山本佐知子氏と民進現職の芝博一氏が、つばぜり合いを繰り広げる。
「山本は自民党の元衆院議員・山本幸雄の孫なのですが、かつてその山本家の地盤を引き継いだのは、実は岡田代表なんです。党は違えど、地元で『山本幸雄の後継者』と見られているのは彼ということです。
事前調査では、芝がB評価で超接戦の予測になっています。しかし、ここから先は、昔の山本幸雄の支持者が民進党に流れる可能性が高い。そうなると、均衡が一気に崩れるかもしれません」(前出・近畿の民進党議員)
岡山では、自民新人候補が地元と身内から思わぬ逆風をくらっている。
「今回出馬する小野田紀美は、岡山県育ちではありますが、もともとは東京の北区で区議を2期務めていた半・落下傘候補。しかも、ここは稲田朋美政調会長の元秘書が出る予定だったのに、トップダウンで、それが反故になったんです。
相手方の民進も江田五月元参院議長が引退し、新人に代替わりしたので、選挙自体は小野田が勝つでしょう。ただ、『話が違う』という県連からの反発に加えて、稲田政調会長にも快く思われていないとなると、勝ってもあとが辛いでしょうね」(前出・官邸スタッフ)
全国の情勢を改めて見渡してみると、北陸や中国・四国、沖縄以外の九州各県など自民党が盤石の地域を除けば、今回の参院選ではかなりの混戦が予想されるということだ。
「1人区で共産党支持者の票がどのくらい野党統一候補に乗るか、まだ見極めがつかない。おそらく、1人区では32選挙区中、自民党が18~20議席、野党候補が12~14議席を獲得というところでしょう。自民党は改選議席の過半数である61議席には、届かないかもしれない」(自民党中堅議員)
安倍総理も「同日選を諦めて正解だった」と思っているだろう。
(*Yahoo!等配信先でご覧の方は、こちらで一覧表を見られます gendai.ismedia.jp/articles/-/48929?page=7)
※表中の表記は原則として原資料ママとしたが、明らかな人名の間違いなどは編集部で修正
「週刊現代」2016年6月25日号より
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