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憲法改正を訴える集会では安倍首相からのビデオメッセージが (c)朝日新聞社
日本の右傾化進める“陰の組織” 官邸へ政策提言も〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160614-00000150-sasahi-pol
週刊朝日 2016年6月24日号より抜粋
5月末の伊勢志摩サミットで日本メディアがほとんど報じなかった“ある情報”を海外メディアは報じていた。G7首脳の伊勢神宮訪問が実現した背景には「安倍政権を陰で支える日本会議の存在があるのではないか」――というのだ。参院選を前に注目が高まる「謎の組織」の正体に迫る。
日本会議が安倍政権の政策決定に影響を及ぼしていることがよくわかる例が、安倍首相の悲願と言われる憲法改正の中身だ。
安倍政権では憲法改正の具体的なターゲットとして、98、99条に大規模な災害時などに内閣の権限を拡大できる「緊急事態条項」を新設することが、3年ほど前から急速に議論の俎上に上がってきた。実はこの話も、日本会議にその“源流”があるという。日本会議ウォッチャーで「子どもと教科書全国ネット21」事務局長の俵義文氏が語る。
「日本会議に関わりの深い有識者たちが憲法改正について議論するために01年に立ち上げた『民間憲法臨調』という団体があるのですが、緊急事態条項の新設を優先的に改憲のテーマにあげることは、ここが早くから指摘していました。特に東日本大震災の後、大災害への国民の不安が増大したあたりから、そうした主張が本格化しました」
俵氏によれば、大震災直後の11年5月に民間憲法臨調が開いた「公開憲法フォーラム」で、早くも「国民の生命・財産を守る国家の責務を果たすため、緊急事態対処の憲法体制を整備せよ!」との主張がなされていたという。
このフォーラムの発言者を見ると、安保法に賛成していた憲法学者の百地章・日本大学教授や森本敏・元防衛相など保守系の論客に交じり、自民党の古屋圭司衆議院議員も参加している。古屋氏は自民党の憲法改正草案の起草委員会の一員で、日本会議国会議員懇談会の副会長として名前がある。
「公開憲法フォーラム」の他の回には、稲田朋美政調会長、中谷元・防衛相、石破茂地方創生担当相など自民党の有力議員も参加している。この3人も同国会議員懇談会のメンバーだ。
こうした人脈をたどると、民間憲法臨調での議論が、自民党の憲法改正草案に少なからず影響しているといえるだろう。
そもそも、自民党が12年4月に発表した憲法改正草案には、日本会議が主張する価値観が如実に盛り込まれている。
<日本国民は、国旗及び国歌を尊重しなければならない>(第3条2項)
<国民の権利については、公益及び公の秩序に反しない限り、(中略)最大限に尊重されなければならない>(第13条)
<家族は、互いに助け合わなければならない>(第24条)
国旗・国歌の尊重、国民の義務の強調、男女共同参画社会への反対と、伝統的な家族形態の重視……これらは日本会議のホームページで主張されている思想と、ほぼそのままリンクする。
日本会議の影響力が及んでいるのは、単に政権に対してだけではない。『日本会議の研究』(扶桑社新書)を出版した著述家の菅野完(たもつ)氏は、日本青年協議会の機関誌である月刊誌「祖国と青年」の内容を検証した結果、こんなことに気がついたという。
「『祖国と青年』のバックナンバーをつぶさに読んでいくと、毎年定期的に必ず扱っていた北方領土の話をある時期に突然やらなくなった。同じころ、世間が竹島や尖閣諸島の問題で騒ぎだしますが、『祖国と青年』がどこよりも早く火をつけていました。冷戦が終わってソ連を敵と言えなくなったら、今度は韓国や中国を持ち出してくる。『祖国と青年』に載った話が、数カ月後の『正論』や産経新聞に出てくる。いわば、ネタ本になっているのです」
つまり、日本会議の中核である日本青年協議会の設定したアジェンダが保守陣営の論調を形成してきたというのである。
ただ、日本会議が実際に安倍政権に対してどれほどの力を持っているのかは、目下のところ意見が分かれる。日本会議に所属する自民党国会議員が言う。
「日本会議は安倍さん、麻生さんら2、3世の世襲保守系議員を囲むサロンみたいな組織で、実質的な力はない。武道館で集会をやれば1万人は集めるかもしれないが、世論への影響力はあまりない。政治家が入っているのは、選挙のときに役に立つかもしれないと思って、お付き合いで入っているだけですよ」
一方、前出の俵氏の見解はこうだ。
「日本会議は、極右的な思想を持つ自分たちの存在があまり注目されると、安倍政権に迷惑がかかると考えているのではないか。『美しい日本の憲法をつくる国民の会』など、日本会議と重なる人脈でテーマごとに別団体をつくっていることにも、日本会議の名を目立たせない意図を感じる」
日本会議が安倍政権を陰から操っているという指摘もある。だが、菅野氏はそんな見方には異を唱える。
「安倍首相の側もどうすれば有権者の支持が得られるかを計算して、主体的に政策を選んでいる面がある。民主党に政権を奪われていた時代、安倍氏が売りにするテーマは経済政策に加え、民主党政権への有権者の反感を背景とした『反左翼』があった。それが日本会議の路線とぴたりと一致したことで、現在のような蜜月の関係になっているのでしょう。今の日本社会全体の空気が『反左翼』になっていることが背景にある」
日本会議との関わりを取り沙汰されている生長の家は、日本会議の主張する改憲右派路線は、現在の同会の信念とは全く異質であり、7月の参院選でも「与党とその候補者を支持しない」と表明。次のように警鐘を鳴らした。
<公明党以上に、同会議は安倍首相の政権運営に強大な影響を及ぼしている可能性があります。(略)元生長の家信者たちが、冷戦後の現代でも、冷戦時代に創始者によって説かれ、すでに歴史的役割を終わった主張に固執して、(略)隠密的活動をおこなっていることに対し、誠に慚愧に耐えない思いを抱くものです。(略)はっきり言えば時代錯誤的です>
安倍政権は日本をどこへ導こうとしているのか……。(本誌・小泉耕平、秦 正理)
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