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生長の家公式サイトに掲載された声明文
日本会議産みの親「生長の家」が安倍政権と日本会議の右翼路線を徹底批判!「日本会議の元信者たちは原理主義」
http://lite-ra.com/2016/06/post-2325.html
2016.06.10. 生長の家が安倍政権と日本会議を徹底批判 リテラ
〈来る7月の参議院選挙を目前に控え、当教団は、安倍晋三首相の政治姿勢に対して明確な「反対」の意思を表明するために、「与党とその候補者を支持しない」ことを6月8日、本部の方針として決定し、全国の会員・信徒に周知することにしました。〉
宗教法人「生長の家」が、昨日6月9日、ホームページにてこんな書き出しで始まる声明文を公開。安倍政治に真っ向から反対を宣言した。
生長の家は1930年に故・谷口雅春氏によって設立された宗教団体で、49年に法人化。当時は皇国史観や国粋主義的思想のもと「明治憲法復元」や反共を掲げ、政治家と結びついて積極的に政治活動を行っていた。
また、現在、安倍政権と一体化して、改憲を推し進めている極右団体「日本会議」も元生長の家の信者が中心になっている。その生長の家が、この声明文では、安倍首相の政治姿勢に対する明確なNOを突きつけているのだ。
〈その理由は、安倍政権は民主政治の根幹をなす立憲主義を軽視し、福島第一原発事故の惨禍を省みずに原発再稼働を強行し、海外に向かっては緊張を高め、原発の技術輸出に注力するなど、私たちの信仰や信念と相容れない政策や政治運営を行ってきたからです。〉
〈安倍政権は、旧態依然たる経済発展至上主義を掲げるだけでなく、一内閣による憲法解釈の変更で「集団的自衛権」を行使できるとする“解釈改憲”を強行し、国会での優勢を利用して11本の安全保障関連法案を一気に可決しました。これは、同政権の古い歴史認識に鑑みて、中国や韓国などの周辺諸国との軋轢を増し、平和共存の道から遠ざかる可能性を生んでいます。また、同政権は、民主政治が機能不全に陥った時代の日本社会を美化するような主張を行い、真実の報道によって政治をチェックすべき報道機関に対しては、政権に有利な方向に圧力を加える一方で、教科書の選定に深く介入するなど、国民の世論形成や青少年の思想形成にじわじわと影響力を及ぼしつつあります。〉(声明文より)
見ての通り、生長の家は、安保法の強行による民主主義と立憲主義の破壊だけでなく、原発再稼働や歴史修正主義、さらにメディアへの圧力行為まで、かなり全般的に安倍政権の政策を批判しているが、同教団がこれほどまでにはっきりと現政権との距離を明確にするのは、安倍首相と二人三脚でその極右的政策の数々を支援している「日本会議」の存在がある。
日本会議は、1997年に宗教右派が結集した「日本を守る会」と、「日本を守る国民会議」という二つの団体が合流して結成された国内最大の保守系団体。著述家・菅野完氏の労作『日本会議の研究』(扶桑社)に詳しいが、日本会議の事実上の事務方である右翼団体「日本青年協議会」は、かつての全共闘時代に民族派学生運動を牽引した生長の家関係者が組織したものだ。とりわけ、日青協会長の椛島有三氏は、現在日本会議の事務総長を務め、その前身から運動のオーガナイズに寄与してきたという。こうした同書が指摘する生長の家OBと安倍政権との関係について、声明文ではこのように書かれている。
〈最近、安倍政権を陰で支える右翼組織の実態を追求する『日本会議の研究』(菅野完、扶桑社刊)という書籍が出版され、大きな反響を呼んでいます。同書によると、安倍政権の背後には「日本会議」という元生長の家信者たちが深く関与する政治組織があり、現在の閣僚の8割が日本会議国会議員懇談会に所属しているといいます。これが真実であれば、創価学会を母体とする公明党以上に、同会議は安倍首相の政権運営に強大な影響を及ぼしている可能性があります。事実、同会議の主張と目的は、憲法改正をはじめとする安倍政権の右傾路線とほとんど変わらないことが、同書では浮き彫りにされています。〉(声明文より)
また、生長の家は60年代半ばには「生長の家政治連合」(生政連)を結成し、運動だけでなく、「参院のドン」と呼ばれた村上正邦氏らを通じて政界に影響力を及ぼしていた。しかし、生長の家内では、こうした政治偏重の一部信者らの姿勢に反発する動きも現れ、生政連は83年に活動停止。生長の家自体も同時期に政治活動から撤退し、近年では、環境問題への取り組みなどにシフトしている。そうした現教団から見て、日本会議と安倍政権の行いは「誠に慚愧に耐えない」ものだという。
〈当教団では、元生長の家信者たちが、冷戦後の現代でも、冷戦時代に創始者によって説かれ、すでに歴史的役割を終わった主張に固執して、同書(『日本会議の研究』)にあるような隠密的活動をおこなっていることに対し、誠に慚愧に耐えない思いを抱くものです。先に述べたとおり、日本会議の主張する政治路線は、生長の家の現在の信念と方法とはまったく異質のものであり、はっきり言えば時代錯誤的です。彼らの主張は、「宗教運動は時代の制約下にある」という事実を頑強に認めず、古い政治論を金科玉条とした狭隘なイデオロギーに陥っています。宗教的な観点から言えば“原理主義”と呼ぶべきものです。私たちは、この“原理主義”が世界の宗教の中でテロや戦争を引き起こしてきたという事実を重く捉え、彼らの主張が現政権に強い影響を与えているとの同書の訴えを知り、遺憾の想いと強い危惧を感じるものです。〉(声明文より)
“テロや戦争を引き起こす「原理主義」”というのは強烈な批判だが、これは、椛島氏ら一部OBへの決別宣言であると同時に、その影響を受けて戦前回帰的傾向を強める安倍政権への明確な拒絶に他ならない。声明文の最後はこのように締めくくられている。
〈私たちは今回、わが国の総理大臣が、本教団の元信者の誤った政治理念と時代認識に強く影響されていることを知り、彼らを説得できなかった責任を感じるとともに、日本を再び間違った道へ進ませないために、安倍政権の政治姿勢に対して明確に「反対」の意思を表明します。この目的のため、本教団は今夏の参院選においては「与党とその候補者を支持しない」との決定を行い、ここに会員・信徒への指針として周知を訴えるものです。合掌。〉
日本会議と安倍政権の関係者たちにこの言葉が響くとは思わないが、有権者には、彼らを生み出した当の宗教団体ですら、その右翼路線に危惧を抱いていることをぜひ認識しておいてもらいたい。
(編集部)
◇
今夏の参議院選挙に対する生長の家の方針
http://www.jp.seicho-no-ie.org/news/sni_news_20160609.html
2016年6月9日 宗教法人「生長の家」
来る7月の参議院選挙を目前に控え、当教団は、安倍晋三首相の政治姿勢に対して明確な「反対」の意思を表明するために、「与党とその候補者を支持しない」ことを6月8日、本部の方針として決定し、全国の会員・信徒に周知することにしました。その理由は、安倍政権は民主政治の根幹をなす立憲主義を軽視し、福島第一原発事故の惨禍を省みずに原発再稼働を強行し、海外に向かっては緊張を高め、原発の技術輸出に注力するなど、私たちの信仰や信念と相容れない政策や政治運営を行ってきたからです。
戦後の一時期、東西冷戦下で国内が政治的に左右に分裂して社会的混乱に陥っている時、当教団の創始者、谷口雅春先生は、その混乱の根源には日本国憲法があると考えられ、大日本帝国憲法の復元改正を繰り返し主張されました。そして、その実現のために、当教団は生長の家政治連合(生政連)を結成(1964年)して、全組織をあげて選挙活動に取り組んだ時代がありました。しかし、やがて純粋な信仰にもとづく宗教運動が政治運動に従属する弊害が現れ、選挙制度の変更(比例代表制の導入)によって、政党と支持団体との力関係が逆転したことを契機に、1983年に生政連の活動を停止しました。それ以降、当教団は組織としては政治から離れ、宗教本来の信仰の純粋性を護るために、教勢の拡大に力を注いできました。
この間、私たちは、第二代総裁の谷口清超先生や谷口雅宣現総裁の指導にもとづき、時間をかけて教団の運動のあり方や歴史認識を見直し、間違いは正すとともに、時代の変化や要請に応えながら運動の形態と方法を変えてきました。特に、世界平和の実現など社会を改革する方法については、明治憲法の復元は言うに及ばず、現憲法の改正などを含め、教団が政治的力を持つことで“上から行う”のではなく、国民一人一人が“神の子”としての自覚をもち、それを実生活の中で表現し、良心にしたがって生きること。政治的には、自己利益の追求ではなく、良心(神の御心)の命ずることを、「意見表明」や「投票」などの民主的ルールにしたがって“下から行う”ことを推進してきました。
私たちは、社会の変革は、信徒一人一人が正しい行動を“下から”積み上げていくことで実現可能と考え、実践しています。その代表的なものは、地球環境問題への真剣な取り組みです。人間の環境破壊は、今日、深刻な気候変動を引き起こし、自然災害の頻発や、食糧や資源の枯渇、それにともなう国家間の奪い合いや国際紛争の原因となっています。この問題は、資源・エネルギーの消費を増やす経済発展によっては解決せず、各個人の信念とライフスタイルの変革が必要です。私たちはそれを実行することで、世界平和に貢献する道を選びました。
具体的には、私たちは宗教団体として初の環境マネージメントシステムISO14001の認証取得(2001年)をして、それを全国66の拠点に及ぼしました。また、莫大なエネルギーを消費する大都会・東京を離れ、国際本部の事務所を山梨県北杜市に移転し、そこに日本初のゼロ・エネルギー・ビル“森の中のオフィス”を建設して(2013年)、地球温暖化の最大の原因である二酸化炭素を排出しない業務と生活を実現しています。最近では、この生活法を全国に拡大する一助として、信徒からの募金により京都府城陽市にメガソーラー発電所(1700kW)を、福島県西白河郡西郷村に大規模ソーラー発電所(770kW)を建設し、稼働させています。これらの運動は、創始者・谷口雅春先生が立教当初から唱導してきた「天地の万物に感謝せよ」(大調和の神示)という教えの現代的展開であり、人類だけの幸福を追求してきた現代生活への反省にもとづくものです。
ところが安倍政権は、旧態依然たる経済発展至上主義を掲げるだけでなく、一内閣による憲法解釈の変更で「集団的自衛権」を行使できるとする”解釈改憲≠強行し、国会での優勢を利用して11本の安全保障関連法案を一気に可決しました。これは、同政権の古い歴史認識に鑑みて、中国や韓国などの周辺諸国との軋轢を増し、平和共存の道から遠ざかる可能性を生んでいます。また、同政権は、民主政治が機能不全に陥った時代の日本社会を美化するような主張を行い、真実の報道によって政治をチェックすべき報道機関に対しては、政権に有利な方向に圧力を加える一方で、教科書の選定に深く介入するなど、国民の世論形成や青少年の思想形成にじわじわと影響力を及ぼしつつあります。
最近、安倍政権を陰で支える右翼組織の実態を追求する『日本会議の研究』(菅野完、扶桑社刊)という書籍が出版され、大きな反響を呼んでいます。同書によると、安倍政権の背後には「日本会議」という元生長の家信者たちが深く関与する政治組織があり、現在の閣僚の8割が日本会議国会議員懇談会に所属しているといいます。これが真実であれば、創価学会を母体とする公明党以上に、同会議は安倍首相の政権運営に強大な影響を及ぼしている可能性があります。事実、同会議の主張と目的は、憲法改正をはじめとする安倍政権の右傾路線とほとんど変わらないことが、同書では浮き彫りにされています。当教団では、元生長の家信者たちが、冷戦後の現代でも、冷戦時代に創始者によって説かれ、すでに歴史的役割を終わった主張に固執して、同書にあるような隠密的活動をおこなっていることに対し、誠に慚愧に耐えない思いを抱くものです。先に述べたとおり、日本会議の主張する政治路線は、生長の家の現在の信念と方法とはまったく異質のものであり、はっきり言えば時代錯誤的です。彼らの主張は、「宗教運動は時代の制約下にある」という事実を頑強に認めず、古い政治論を金科玉条とした狭隘なイデオロギーに陥っています。宗教的な観点から言えば“原理主義”と呼ぶべきものです。私たちは、この“原理主義”が世界の宗教の中でテロや戦争を引き起こしてきたという事実を重く捉え、彼らの主張が現政権に強い影響を与えているとの同書の訴えを知り、遺憾の想いと強い危惧を感じるものです。
当教団は、生政連の活動停止以来、選挙を組織的に行うなどの政治活動を一切行ってきませんでした。しかし、政治に触れる問題に関して何も主張してこなかったのではなく、谷口雅宣現総裁は、ブログや月刊誌を通して“脱原発”や“自然エネルギー立国”を訴え、また日米の外交政策を分析して、それに異を唱えたり、注文をつけたりしてきました。また、昨年は憲法を軽視する安保法案に反対する立場を明確に表明されました。
私たちは今回、わが国の総理大臣が、本教団の元信者の誤った政治理念と時代認識に強く影響されていることを知り、彼らを説得できなかった責任を感じるとともに、日本を再び間違った道へ進ませないために、安倍政権の政治姿勢に対して明確に「反対」の意思を表明します。この目的のため、本教団は今夏の参院選においては「与党とその候補者を支持しない」との決定を行い、ここに会員・信徒への指針として周知を訴えるものです。合掌。
2016年6月9日
宗教法人「生長の家」
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