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【壮絶選挙区に迫る】参院選、自民危うし 「1人区」は32 「与党18、野党系14」の激戦予測
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20160607/plt1606071140001-n1.htm
2016.06.07 夕刊フジ
参院選が迫り、安倍首相の演説にも熱がこもる
野党も共闘で巻き返しを狙う
小林吉弥氏
夏の参院選(6月22日公示、7月10日投開票)では、32ある「1人区」の勝敗が最大の焦点となる。今回、自民、公明与党に対抗して、民進党と共産党など野党4党がすべての1人区で候補者を一本化した。気になる「与党vs野党系」の勝敗はどうなりそうか。緻密な選挙予測で定評のある政治評論家の小林吉弥氏によると、現時点で「与党18、野党系14」の激戦だという。
定数2で、改選数1の1人区。自党候補が当選すれば、対立党候補は落選するため、ここでの勝敗が選挙全体の鍵を握る。
2007年の参院選では、民主党が当時29あった1人区で「23勝6敗」と圧勝し、09年の政権交代につなげた。10年の参院選では、野党時代の自民党が「21勝8敗」と圧倒し、12年に政権奪還を果たした。
今回の参院選、小林氏による注目の1人区予測は別表の通りだ。
まず、与党は、北関東や北陸、四国、九州で優位に戦いを進めている。いずれも、自民党が伝統的に強い地域だが、優勢は18にとどまっており、伸び悩んでいる。
一方、野党系は東北や近畿で健闘している。民進党の支持率は1ケタ台にとどまっているが、優勢は14と意外に善戦している。
小林氏は「民進、共産両党の共闘は、一定の成果が出そうだ。4月の衆院北海道5区補選では、野党統一候補が惜敗したが、『民共共闘』の効果はかなりあった」と説明する。
これに対し、自民党については厳しくみている。
小林氏は「国会会期末、消費税増税や衆参同日選などをめぐり、自民党内の結束が乱れ、『安倍一強』が揺らいだ印象がある。安倍晋三首相は、自民、公明両党で改選議席の過半数である『61』を目標に掲げたが、それほど簡単ではない」と語る。
1人区は風の影響を受けやすく、オセロゲームのように議席がひっくり返ることがある。
小林氏は「青森や岩手、秋田、山形、山梨、長野、滋賀、奈良、岡山、大分の10選挙区で激戦だ。今後、情勢が変化する余地がある」と指摘した。
個別の選挙区も注目される。
生活の党と山本太郎となかまたちの小沢一郎代表のおひざ元である岩手では、生活の現職が突然引退を表明し、新人対決となっている。
野党系は、小沢氏の元秘書で、岩手県の達増拓也知事の秘書も務めた元県議の木戸口英司氏(52)に一本化した。
これに対し、自民党は、元慶応大ラグビー部監督の田中真一氏(49)を擁立。前回13年の参院選で、同選挙区で圧勝した平野達男元復興相が支援する。
小林氏は「木戸口氏がやや優勢だ。岩手はかつてのような『小沢王国』ではなくなったが、小沢氏の勢力はまだ根強く残っている」と分析した。
全国で唯一、共産党候補が野党統一候補となった香川では、再選を目指す自民党の磯崎仁彦元経産政務官(58)と、共産党の田辺健一県常任委員(34)が激突する。
小林氏は「民進党が本気で共産党候補を推せるかがポイントだ。与党に勝つのは難しいのではないか」と分析した。
与野党が激しく競り合う長野では、2期目を目指す自民党の若林健太参院農水委員長(52)に、民進党から元TBSキャスターの杉尾秀哉氏(58)が挑む。
小林氏は「長野は共産党票が約10万票ある。これが決め手となる可能性が高い。民進系候補がやや優勢だ」とみる。
安倍首相は3日、参院選に向けた全国遊説をスタートさせ、真っ先に1人区の福島に入った。「1人区の攻防」は激しさを増している。
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