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2016/06/06 05:42
<安倍首相が、2017年4月に予定されていた消費税率の10%への引き上げを2年半延期すると決めたことを「評価する」は63%で、「評価しない」の31%を大きく上回った。
安倍首相は14年11月に1回目の延期を表明した際、再延期しないと明言していたが、今回の延期を公約違反だと「思わない」人は65%に上り、「思う」は30%だった。
前回調査(5月13〜15日)で、消費増税を「延期すべきだ」との回答は69%を占めていた。今回調査でも、増税延期を評価する人が多いことから、公約違反と受け止める人は少数にとどまったとみられる>(以上「読売新聞」より引用)
読売新聞の世論調査は巧妙な議論のすり替えだ。日本経済は総需要不足に陥っているのだから「消費増税を延期する」というのは評価されるか否かという問題ではなく、経済政策として当たり前だ。しかし総需要不足に陥っているのは無策・無能なアベノミクスが二年半以上も続いたからに他ならない。
問うべきは2014年4月に消費税を8%に増税して、他にマトモな経済政策は口先だけのスローガンの大安売りに終始した安倍自公政権の政治責任であって、安倍氏の「消費増税延期」を支持するか否か、という設問自体がナンセンスだ。
そうした簡明なことを「消費増税延期に賛成か」という愚問にすり替えて、安倍自公政権の支持率アゲに懸命なマスメディアの姿勢こそが大問題だ。しかもテレビに登場する薄っぺらなコメンテータたちは口を揃えて「消費増税を延期すると財政規律が心配だ」と、財務官僚さながらの「家計簿」の感覚で発言する、という体たらくだ。
日本国家財政は破綻しない、と私は何度もこのブログで書いてきた。だがテレビに登場する御用コロンテータたちは「日本の国債残高は対GDP比でギリシャよりも悪い」と大合唱だ。だからギリシャと同様に財政削減に努めるべきだ、と総需要創出のための財政出動策とは真逆の発言ばかりしている。
この国は危険だ。それは経済学部の学生が入学当初の一年で学ぶ経済原論程度の知識さえないコメンテータたちばかりがテレビに登場しているからだ。そして財務官僚のスポークスマンよろしく、財政が悪いから消費増税は当たり前だ、というスローガンを国民に刷り込むことに必死だ。
経済原論程度の知識を備えたマトモな経済評論家なら消費増税を先延ばしにするのではなく、消費増税は凍結して、むしろ先々5%に戻すことを約束すべきだ、と発言するのがコメンテータとして総需要創出に観点をおくなら当たり当然出てくるはずだ。しかし、この週末のテレビ番組にそうした発言をするコメンテータは一人として登場しなかった。この国のマスメディアは腐り切っている。
停滞感と閉塞感に満ちた現在の日本経済の病理は総需要不足だ、という原因をチキンと把握することなく、場当たり的な政策に終始してきたのが安倍自公政権だ。経済原論程度の知識でもあれば安倍自公政権がすべきだった政策は投資減税であり、利益の労働分配率を上げた企業への減税であり、消費税の5%凍結だった。
しかし安倍自公政権は竹中氏を政府委員に迎えて「構造改革」と称する労働分配率低下策を引き続き推進し、企業の内部留保を増加させるだけの法人税本税の引き下げを行っただけだ。これほど口から出てくる言葉と政策が真逆の政権を私は古今東西知らない。
安倍自公政権は明確な米国の1%への奉仕政権だ。決して日本国民のための政権ではない。それは彼らが執って来た二年半有余の政権で行ってきた経済政策だけを見ても明らかだ。
だから経済は上向かないし、国民は困窮化する。そうした現象は政策を真似ている米国の後追いでしかない。読売新聞も米国の1%の意見に沿った記事を掲載し続けてきた。社説の論調もまさしくそうした線で続いてきた、私は四十年以上購読してきた読売新聞を見限ることにした。腐り切ったマスメディアに期待するものは何もない。
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