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2016年06月05日
日本と云う国が、第二次大戦による敗北移行、右翼思想を持つ日本会議のような勢力に後押しされている安倍さんのような強権政治家が出てきても、一向に純粋な国家主義的方向に向かって行かない。嘆いているわけではないが、それが日本と云う国の構造的問題だと云う点が問題なのだ。つまり、敗戦後、米軍が占領軍として日本を占領していた時でも、「進駐軍」と云う曖昧な言葉で、占領されている事実を矮小化し、国民に安堵を与えた。このような、一敗地に塗れ、ぼろ糞になったのに、ぼろ糞に見えないものにした知恵は、当時の問題をクリアしたが、戦後71年が過ぎても、米国占領の歴史を、逆に永続化させるぬるま湯にした部分がある。
このことは、或る意味で、安倍さんや日本会議やネトウヨが一方的に考える右傾化を阻止している面もある。ただし、永続敗戦状態が定常化していると云う問題を永遠に引き摺っている。日中問題、日韓問題、日露問題等々の解決に、日本独自に外交が出来ないジレンマを抱えた状態から抜け切れない。表層的な外交しかできないので、ODA開発援助のひも付き円借款を、大盤振る舞いした話をするのが、精々になっている。
逆に言えば、やはり、これだけ平穏で、穏健で、他国と争わない日本と云う国が定着したかと思いきや、まだまだ、過去の歴史を修正したがったり、それを理由に中韓といがみ合うことが、行動美学な勢力が、それ相当存在したのかと気づかされた点は重要だ。その意味では、ジレンマ的だが米軍が占領的にプレゼンスを日本国内で持っている方が、国民にとって安全と云う状況があるもの、事実だ。そのように考えると、地位協定などで、米国に口を出す、何らの能力も有していないのは、当然かもしれない。どうも流れは、沖縄を犠牲にして、生き残りたいと云うのが、日本政府の本音のようだ。日本政府自身が、沖縄は占領地なのだと云う心理的作用から抜け出していないと云う事実を知ることにもなる。三つの記事が目についた。
沖縄県は、個人的な感想だが、独立運動に切り替えないと、日米の精神構造を変えることは難しいような気がする。そして、その独立闘争が起きたとしても、個人的には容認する。国民投票でも出来るのであれば、沖縄独立に一票を投じたい。理由は極右でも、極左でもない。人道的見地と武士の情けだ。そして、本土の棲む人間として、恥ずかしいからである。恥を忘れた連中が、日本には増えすぎた。日常、非日常、そのすべてで、日本人は中国人を蔑んでいるが、似たレベルで恥ずかしい国民になりつつある。
≪ 「軍属」の範囲を明確化へ 防衛相、地位協定改定明言せず
【シンガポール共同】中谷元・防衛相は4日午後(日本時間同)、カーター米国防長官とシンガポールで会談した。日米地位協定が定めた米軍属の範囲を 明確化するため、近く協議に入る方針で合意した。沖縄の女性遺棄事件を踏まえた再発防止策の一環。地位協定の見直しに踏み込む可能性に関し、中谷氏は明言 を避けた。協定改定を求める沖縄の理解を得られるかが今後の焦点になる。
協議については、日米の外務、防衛当局によるハイレベル会合で実施することとした。
会談で中谷氏は、米軍属の扱いを見直す前提で対米調整を進める意向を伝達。再発防止に向け、監視態勢の強化にも取り組む考えで一致した。 ≫(東京新聞)
≪普天間県外移設「本土で反対起こる」 98年梶山官房長官が書簡
米軍普天間飛行場の返還合意時の官房長官だった故梶山静六氏が1998年、普天間飛行場の移設先が沖縄以外だと「必ず本土の反対勢力が組織的に住民投票運動を起こす」と本土側の反発を恐れ、名護市辺野古を移設先とする理由を記していたことが3日分かった。現在の安倍政権 は「辺野古が唯一」として移設計画を強行する姿勢を崩していないが、普天間飛行場の県内移設が政府説明による米軍の抑止力などではなく、政治的都合によって沖縄に押し込められていった構図が改めて浮き彫りになった。
政府と沖縄を仲介した元国土事務次官の下河辺淳(しもこうべ・あつし)氏に宛てた書簡で記した。書簡は下河辺氏所蔵の資料を保存する「下河辺淳アーカイヴス」(東京)の中から、沖縄国際大の前泊博盛教授が確認した。近く書簡は県公文書館へ寄贈、公開される。
梶山氏は、本土での反対運動に懸念を示した上で「岸本(建男)現(名護)市長が『受け入れ』のまま市の態度を凍結するとしている名護市に基地を求め続けるよりほかは無い」と記した。
政府はこれまで、普天間飛行場の県内移設について、沖縄の「地理的優位性」や米海兵隊の「抑止力」の必要性を挙げて説明してきた。
だが県は、もともと米海兵隊が本土にあったことなどから、沖縄への米軍基地集中は地理的必然性によるものではなく、合理的な説明は一切なされていないと反論している。 ≫(琉球新報)
≪ /98 「沖縄」「消費税」から見えた「非自立国」日本の徒花
1995年、沖縄の女子小学生が複数の米兵に暴行され、21年後、今度は20歳の女性が米軍属によって乱暴、殺害された。
96年、日米両国は沖縄の負担軽減策として普天間基地の返還で合意するが、20年後の今、返還は一歩だに動かず、代替施設としてより高機能の辺野古新基地建設が唯一の解決策として進展中である。
沖縄でこの間、何がどう変わったのか。過去の犠牲が現在の改善に生かされているのか。むしろ、事は逆に進んでいるのではないか。そんな疑念が芽生えてくる。
犯罪を生む温床はどうか。日米地位協定の米兵・軍属に対する強力な保護権能と、その運用をめぐる日本政府の弱腰がますます米側の駐留軍的特権意識をのさばらせている、ということはないのか。
負担軽減をめぐる政治力学はどうか。中国怖し、と新安保法制で一層の対米依存強化に舵(かじ)を切った以上、軽減色は薄めざるを得ない。何よりも、普天間問題の決着のされ方に大きな構造問題が潜んでいる。基地返還が基地新設にすり替わる手品のような交渉だった。
この経過を検証し手品の種に迫った近刊本が『普天間・辺野古 歪められた二〇年』(宮城大蔵、渡辺豪著、集英社新書)である。
96年合意は、普天間の全面返還であった。代替施設については、「既存の沖縄米軍施設内にヘリポートを新設」「嘉手納基地に機能の一部を移設」とする程度で、普天間機能を沖縄県内の既存米基地に分散する案で、新設はヘリポートのみ、という低姿勢な合意だった。当時の反基地運動の盛り上がりからすると当然の流れだった。
ところが、現在進行中の代替施設案は、長さ1800メートルの滑走路2本を持ち港湾施設まで付帯する本格的新基地である。総工費は1兆円、すべて日本側負担である。
■構想はなぜ、どう歪んだのか。
96年合意時点で、県内移設という大前提が政治的にぼかされていた。橋本龍太郎元首相が勲功を急ぎ、米側条件であった代替施設の詳細を詰めないまま大田昌秀元沖縄県知事に受け入れをせかした。大田氏は、不審、不安を感じつつも、側近の進言に従いそれに応じた。
■米主導の沖縄問題、次世代に先送りする消費税
自助自立の政治を取り戻せ
米側から見ると、「返還」はむしろ米側が日本側を誘導した。米側はその代償として橋本氏から「在日米軍の機能は低下させない」「移転費用は日本が負担する」「日本周辺有事の際、米軍が日本国内の民間空港を使用できるよう整備する」との言質を取った。日米防衛指針を18年ぶりに改定させ、冷戦崩壊で漂流していた同盟関係に朝鮮半島、台湾海峡有事対応という新たな使命を吹き込んだ(自衛隊の対米後方地域支援を盛り込んだ周辺事態法として立法化)。
代替施設も、「嘉手納統合案」「洋上浮体案」と二転三転、現行案に膨れ上がっていく。小泉純一郎政権では、埋め立て工事の増量を求める沖縄利権が蠢(うごめ)き、鳩山由紀夫政権では、「県外移設案」を米と外務官僚が一体となり、いかにつぶしたかが点描されている。
驚くべきは、現行案なるものは、実は60年代から米側にあった構想に酷似している、ということだ。交渉を担当した当時の防衛官僚によると、米側はこの案を96年合意直後から持ち出してきていた、という。「びっくりして冗談じゃないと思ったが、最終的にはそこに行った」と彼は述懐している。「返還」を機に 強烈な政治力を行使して、20年越しで日本側負担による夢の新基地を勝ち取った米海兵隊物語でもあるのだ。
■消費増税問題にも言及したい。
民進党が消費増税を2年先送りすべきだとの方針を打ち出した。安倍晋三政権の機先を制し、アベノミクスの失敗を問わんとする狙いはわかる。だが賢策ではない。
私はあくまでも予定通り消費税率を来年4月から10%に引き上げるべきだと思っている。理由は簡単だ。国家予算は、96兆円の支出に対し税収は57兆円 しかない。34兆円は依然として国債発行による借金である。収入とは不釣り合いな過大なサービスを受給し、子々孫々に借金を負わせている。しかも、現役世代の特権としての投票権を行使して、それを持たない次世代に平気でつけ回しをする。それが1000兆円を超えた。GDP(国内総生産)の2倍強である。
これほど不道徳なことがあろうか。1年でも早く是正するのが、今を生きる我々国家国民の責任ではないか。支出(福祉サービスや軍事費)を減らすか、収入 を増やす(増税)しかない。成長による税収増で是正するのも一手だが、アベノミクスという異次元緩和実験の3年間は、税収増より出口政策不全という負の方が大であることを証明しつつある。増税すれば成長が阻害され元も子もなくなる、という議論以前の問題である。
支出を削れないとすれば、オーソドックスに増税するしかない。しかも、その国民に不人気なことを4年前の民主党政権が税と社会保障の一体改革という形の 法制度として作り上げてくれたではないか(結果、民主議員が大量落選)。安倍政権は、その犠牲に手を合わせ予定通り増税すべきである。民進党は民主党時代の過去の政治遺産を簡単に手放すべきではない。
さて、沖縄と消費税。共通するのは何か。それは国家としての過度な他力依存、非自立性である。
基地返還を基地新設に変えた手品の仕掛けは、戦後日本保守政治の従米路線という構造問題にある。日米安保体制におんぶに抱っこであり続けた非自立体質が普天間や犯罪問題に顕在化している。
増税先送りは財政に対する度を過ぎた次世代依存を示すものに見える。米国は怒らすと怖い。次世代は物言わぬ。そこには益もリスクも自分たちで引き受ける、という自助自立精神の衰亡がある。
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■人物略歴 くらしげ・あつろう 1953年、東京生まれ。78年東京大教育学部卒、毎日新聞入社、水戸、青森支局、整理、政治、経済部。2004年政治部長、11年論説委員長、13年専門編集委員
≫(毎日新聞:倉重篤郎のサンデー時評・サンデー毎日から)
倉重氏の沖縄問題における解説はほぼ正しい。しかし、民進党の自己矛盾だらけの指摘は容認するが、消費税が子々孫々につけ回しをしないと云う理屈は、実は財務省的言説に洗脳されているに過ぎない。なぜ、税収が足りないのか?個人消費は冷え込むばかりだ、実質賃金も構造的に上げにくい。国内の需要喚起が喫緊の課題だ。であるなら、サンダースと同じ発想で、富裕層への累進課税強化しかない。美田を残さず思想で、相続税を大幅アップも良いだろう。実質法人税の納税額が低い企業には「罰則課税」と云う税の方法もある。ある程度の知識人でも、この問題に嵌ると、ステレオ言説が繰り返される。財務省の網が堅固に拡充していると云うことなのだろうか。
最後になるが、ロイターが「消費税延期」だからと言って、消費が拡大するは変だろうと書いている。おそらく、日本人は消費マインドを落とせば落とすほど、自分が美しく思えるのかもしれない(笑)。それに、世間は、政府も、地域も、親戚も、近所も、子供も、誰も助けない時代が来るぞと脅かす本ばかり売れている。社会保障は、累進課税を70%レベルまで引き上げれば、いっぺんに解決するのに、誰もヤラナイ。
しかし、21世紀中盤以降は、そういう世界的トレンドが必ず生まれる。金持ちが海外に逃げると主張するアホ達が多いが、こんな住みやすい日本から、たかが税金だけで逃げるわけはない。消費増税で社会保障の拡充と云うステレオ言説はいい加減にやめろ。消費税は、消費が増えれば増収する。社会保障の充実には、富裕層への累進税率の引き上げが絶対に正論。筆者も、富裕層に含まれるだろうが、累進課税されても、それはそれで、構わないと思う。天皇陛下から、「多額納税栄誉ステッカー」でもバラ撒いて貰えば、仏壇の奥に貼っておこう(笑)。政府が出すのはいらないよ!無論、他国に移住などする気など、さらさらない(笑)。
≪ 増税延期でも消費拡大は疑問、将来不安増大
[東京 3日 ロイター] - 消費の落ち込みを防ぎ、デフレ脱却を確実にする狙いで、安倍晋三首相が「新しい判断」として決めた消費増税の延期について、国内消費の増加には小売業界からも疑問の声が上がっている。 増税見送りでも、消費の弱さのベースとなっている課題は解決されないうえ、増税を見送れば、社会保障の負担拡大など消費者が抱える将来不安の解消も遠のき、購買意欲がさらに委縮する悪循環に陥る可能性すらある。
■ベースが弱い消費
消費税率引き上げの再延期を受けて、第一生命経済研究所では、16年度の成長率見通しを引き下げ、17年度を引き上げた。17年度については、駆け込み需要の反動減と増税による実質所得減がなくなる分、17年4月の増税を前提とした前回の見通しに比べ、1.0%ポイントの大幅な上方修正となった。
しかし、増税延期で消費が力強さを取り戻すわけではない、との指摘は多い。消費者の購買意欲を高めるには、少子高齢化や非正規雇用の拡大、社会保 障負担の増加、財政悪化によるインフレ懸念など、構造的な要因の解決が急務。しかし、増税延期がそれらを解決する術にはなりえない。
アベノミクスによって恩恵を受けたのは、資産や株式を保有する一部の富裕層に限られており、消費の中核である中間層の動きは弱い――。これが、多くの消費関連企業の実感だ。
三越伊勢丹ホールディングスの大西洋社長は、14年秋から中間層の消費の弱さが続いていると指摘する。「所得が増え、使える金が増えている感覚はない。本当に必要なもの以外は買う理由がない」と解説する。
その中間層を代表する勤労者世帯をみると、2014年に比べ、15年は実収入がわずかながら増加したにもかかわらず、可処分所得は実質0.1%減少している。実収入に占める税金や社会保険料の比率が上昇したためだ。特に15年10―12月期の可処分所得は2.2%減となり、16年1―3月期も 1.1%減と減少傾向は続いている。
加えて物価上昇が消費者の負担となった。家計の消費支出に占める飲食費割合(エンゲル係数)は、ここのところ23%台で徐々に上昇してきたが、 14年には24%、15年には25%へと高まった。特に賃上げなどの恩恵がない年金受給の高齢者にとっては、物価上昇は節約志向へと気持ちを向かわせる要因となった。
安倍政権による円安政策は、輸入物価上昇を招き、食品を中心に幅広い商品の値上げにつながった。一方で賃金への波及は限られ、徐々に消費は勢いを失っていった。 「あの時点では世の中の流れだった。世の中の流れに従った。しかし、実際は、景気は良くなっていなくて、悪くなっていた」。柳井正ファーストリテイリング 社長兼会長は、14年、15年と2年連続の値上げに踏み切った状況をこう振り返る。
■社会保障充実を先送りするツケ
今回の増税延期によって、社会保障の充実策の行方が不透明になって来た。安倍首相は1日の会見で「給付と負担のバランスを考えれば、10%への引き上げを延期する以上、その間、引き上げた場合と同じことを全て行うことはできないということは理解いただきたい」と述べている。
みずほ証券・シニアアナリスト、高橋俊雄氏は2015年度の消費支出は、年金生活となる60代と将来不安の大きい20代の減少が大きいとし「年金、介護、健康保険といった国の財政が抱える問題への将来不安が背景にある」とみる。そのため、消費増税延期でも「将来への不安が残る限り、消費回復は期 待し難いと考えられる」と指摘する。
消費増税延期について、産業界は歓迎一色ではなく、「予定通りに実施すべきだった」とする声が多く出ている。目先の回復ではなく、長期的な改革の必要性が差し迫っているためだ。
日本商工会議所の三村明夫会頭は、再延期を「残念」としたうえで「わが国が人口減少と超高齢化の加速という構造的課題に直面する中で、少子化対策の実行のためにも、消費税の引き上げは必要」と指摘する。
花王の沢田道隆社長も、実施時期はともかくとして、「増税は社会保障の充実の意味からもやるべきと言ってきた。もう一段増税して、しっかりと社会保障にあてて欲しい」と話している。
≫(ロイター:清水律子)
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