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翁長知事、首相にオバマ氏との面談要請、官房長官は「外交は中央政府で協議するのが当然」と否定的発言。これは間違っている。ー(孫崎享氏)
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24th May 2016 市村 悦延 · @hellotomhanks
A:事実関係
1:5月23日東京新聞夕刊(抜粋)
沖縄県で米軍属の元米海兵隊員の男が女性の遺体を遺棄した事件を巡り、
安倍晋三首相と翁長雄志知事は二十三日午前、
首相官邸で会談。翁長氏は会談で「基地があるゆえの犯罪だ。許せない」と憤りを示した。
二十六日からの主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)に合わせて来日するオバマ米大統領と、
自らが直接面談する機会を設けるよう首相に求めた。
翁長氏は会談で「再発防止や綱紀粛正という言葉を何百回も聞かされてきたが、
現状は何も変わらない。大きな憤りと悲しみを禁じ得ない」と強調した。
同時に「安倍内閣はできることはすべてやるというが、
できないことはすべてやらないという意味合いでしか聞こえない」と政権への不信に言及。
「地位協定を改定しなければ日本の独立は神話と言われてしまう」と、
在日米軍の法的地位などを定めた日米地位協定の見直しも求めた。
オバマ氏との面談については「県民の安心安全を守るため、
ぜひオバマ氏と直接話をさせていただきたい」と要請した。
首相は事件に関し「あってはならないものであり、身勝手で卑劣極まりない犯罪だ。
強い憤りを覚える。オバマ氏に厳正な対処を求めていきたい」と、
サミットに合わせて予定する日米首脳会談で求める考えを伝えた。
ケネディ駐日米大使や在日米軍司令官に関係閣僚を通じ、事件を抗議したことも翁長氏に説明した。
会談に同席した菅義偉官房長官は記者会見で、
翁長氏とオバマ氏の面談に関し
「一般論として言えば外交は中央政府で協議するのが当然ではないか」と慎重な姿勢を示した。
2:「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」は22日、那覇市内で幹事会を開き、
事件に抗議する数万人規模の県民大会を開催することを確認した。
時期や場所は継続して協議するが、早ければ6月中に開催する見通し。(沖縄タイムス)
B:評価
・ 「本土」の人々はこれまであまりにも、沖縄県民の痛みと距離をおいてきた。
今一度、次の琉球新報の社説の抜粋に是非目を通していただきたい。
「えたいの知れない重苦しい塊が胸の中に居座り続けている。
なぜ繰り返し繰り返し、沖縄は悲しみを強いられるのか。この悔しさはまさしく、持って行き場がない。
被害者の恐怖と無念はいかばかりか。想像すると胸が張り裂けそうになる。
もう限界だ。今のままの沖縄であってはならない。
しかも相手はかつて海兵隊員として専門の戦闘訓練、時には人を殺す訓練をも受けたはずである。
なすすべがなかったに違いない。沖縄はまさに現在進行形で「戦場」だと言える。
政府は火消しに躍起とされる。沖縄は単なる「火」の扱いだ。
このまま米軍基地を押し付けておくために当面、県民の反発をかわそうというだけなのだろう。
沖縄の人も国民だと思うのなら、本来、その意を体して沖縄から基地をなくすよう交渉するのが筋ではないか。
だが辺野古新基地建設を強行しようという政府の方針には何の変化もないという。
この国の政府は明らかに沖縄の側でなく、何か別の側に立っている。
綱紀粛正で済むなら事件は起きていない。
地元の意に反し、他国の兵士と基地を1県に集中させ、
それを今後も続けようとする姿勢が問われているのである。」
・翁長氏は来日するオバマ米大統領と、
自らが直接面談する機会を設けるよう首相に求めたのは相当せっぱつまった思いである。
・菅義偉官房長官は記者会見で、翁長氏とオバマ氏の面談に関し
「一般論として言えば外交は中央政府で協議するのが当然ではないか」と慎重な姿勢を示した。
交渉は確かに中央政府が行う。
しかし、状況説明を関係者が行うことは排除されない。
むしろ外交当局は自分達の主張を受け入れさせるために、関係者の見解を知らせるために、
関係者と先方政府とを合わせることは何らおかしい事ではなく、
むしろ積極的に活用することがしばしばある。
例えば拉致問題で、可能なら拉致家族と北朝鮮外交当局と合わせて、
拉致家族の思いを解ってもらうことがあろう。。
・歴史的に見れば、1995年沖縄で米兵による少女暴行事件が起こった。
沖縄県民が怒り、「米軍は出て行け」になった。なんとかしなければならないと思っていた時に、
大田知事が「基地返還アクションプログラム」を持ち、
その最優先に普天間基地の無条件返還があり、
これに橋本首相が飛びついたのが普天間問題の始まりである。
・普天間問題でかつて翁長氏がオール沖縄を代表し建白書をもって
東京に来た時に、安倍政権が誠意をもって対応しなかったことが、
かつて沖縄自民党の代表的立場にあった翁長氏を辺野古基地建設反対の中心人物にした。
何故安倍政権はこうした経験を学ぼうとしないのか。
・5月22日琉球新報は社説で、「全基地撤去要求 日米政府は真剣に向き合え」と書いた。
・菅官房長官発言のように沖縄県民の声に耳を傾けない姿勢は必ず将来大きい代償を払う事となる。
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