2016年5月15日(日) 被爆国政府として恥ずべき態度あらためよ 志位委員長が主張http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-05-15/2016051502_02_1.jpg (写真)記者の質問に答える志位和夫委員長=14日、広島市中区 日本共産党の志位和夫委員長は14日、広島市で記者団から、核兵器禁止のための「法的措置」を検討する国連ジュネーブ作業部会について問われました。 志位氏は「ジュネーブ作業部会は、国連総会で圧倒的多数の加盟国の賛成で決まり、『核兵器のない世界』を実現するための『法的措置』を検討するものです。ここでいう『法的措置』というのは事実上、核兵器禁止条約が主題になります」と指摘。「この作業部会では、いま圧倒的多数の国が、核兵器禁止条約が必要だと訴えています。ところが核保有国の5カ国(米、英、仏、ロ、中)は、設置そのものに反対し、ボイコットしています」と述べました。 さらに日本政府について「設置には棄権し、作業部会に参加しましたが、核兵器禁止条約の国際交渉には反対し、『段階的アプローチ』を主張しています」と指摘。「段階的アプローチ」について「この議論は2013年の国連総会で、当時のアメリカ、イギリス、フランスが共通して主張し始め、核廃絶を永久に先送りするものです。それと同じ議論を日本がジュネーブの作業部会でやっていることは、まさに核保有国の代弁者そのものです。被爆国の政府として恥ずかしいことであり、根本からあらためるべきです」と厳しく批判しました。 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-05-15/2016051502_02_1.html 2016年5月15日(日) 核兵器禁止条約 交渉開始支持が多数 国連作業部会 日本の孤立際立つ ⁅ジュネーブ=島崎桂⁆スイス・ジュネーブの国連欧州本部で2〜13日、「核兵器禁止条約」など核兵器廃絶に向けた法的措置を話し合う作業部会の第2回会合が開かれました。参加した約70カ国の多数が禁止条約の交渉開始を支持する中、日本やカナダなどは禁止条約の締結ではなく既存の国際法による「段階的な核軍縮」を主張。国際的な孤立を際立たせました。 同作業部会は昨年末の国連決議で設置。核保有国は2月の第1回会合に続き、参加を見送りました。 「非核地域」を構成するメキシコやインドネシアなど9カ国は来年にも禁止条約の交渉を開始するよう提案。太平洋の島しょ国や中南米諸国からも同様の要望が上がりました。 一方、日本の佐野利男軍縮大使は禁止条約について議論することそのものを疑問視するなど、ボイコットした核保有国の代弁者の役割を果たしました。 作業部会には日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)から和田征子、藤森俊希の両事務局次長が参加。藤森さんは1歳の時に広島で被爆した体験を語り、「核兵器を禁止、廃絶する条約をつくり、核兵器のない世界へ前進しよう」と呼び掛けました。 さらに国際署名「被爆者は核兵器廃絶を心から求めます」を紹介。国連総会への「億単位」の署名提出を実現するため、各国に協力を求めました。 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-05-15/2016051502_03_1.html 2016年5月15日(日) 共同広げ非核の日本へ 結成30年 非核政府の会が総会 笠井議員が報告 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-05-15/2016051504_01_1.jpg (写真)非核日本の実現に向けて共同を広げることなどを確認した全国総会=14日、東京都内 非核の政府を求める会は14日、第31回全国総会を東京都内で開きました。同会は今年、結成から30年を迎えました。総会では、核をめぐる国内外の情勢を確認。「非核の日本への政治転換をめざす運動が、いまほどその存在意義の発揮を求められているときはない」などとする議案と、「戦争法廃止・立憲主義回復、非核の日本を求める共同さらに大きく」と題するアピールを採択しました。 原和人常任世話人(全日本民主医療機関連合会前副会長)が、議案報告を行いました。今回の総会について、国際社会では核兵器廃絶条約の交渉開始を求める世論が大勢となり、国内では、戦争法廃止の国民運動や野党共闘が発展するなど、「激動の情勢のもとで開催される」と語りました。 安倍政権が強行した戦争法と、日米の「核密約」体制とが合わさり、「日本は他国に例をみない危険にさらされることになりかねない」と指摘。「非核の政府の実現がいっそう切実さを増している」「国民運動、共同の本格的な発展が求められている」とのべました。 常任世話人で、日本共産党衆院議員の笠井亮氏と、前長崎総合科学大学教授の藤田俊彦氏が議案にかかわって補強報告を行いました。 笠井氏は、オバマ米大統領の広島訪問について発言。「訪問自体は前向きに評価する」とのべ、「米国の核政策の真剣な再検討、『核の傘』に依存してきた被爆国日本の姿勢を改める機会にさせるときです」と強調しました。藤田氏は、2月から国連欧州本部で開かれている国連軍縮作業部会の意義や、各国の議論を詳しく紹介しました。 討論では、一日も早い非核政府の実現へ向けた全国の活動や、夏の参院選挙へ向けて、戦争法廃止をはじめとした国民諸階層との非核・平和の共同の拡大など、新たな前進について議論しました。 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-05-15/2016051504_01_1.html 2016年5月15日(日) 主張 ビキニ国賠訴訟 事実隠した政府の責任は重大 アメリカが1954年に太平洋マーシャル諸島ビキニ環礁でおこなった水爆実験で被災した日本のマグロ漁船の元乗組員や遺族ら45人が、国を相手に国家賠償を求める訴訟を高知地裁に起こしました。被災から62年、被ばくの実態を隠し、乗組員の健康被害を放置し続けた日本政府の責任と違法性を初めて問う裁判です。 日米「政治決着」が根源に 「ビキニ被災」といえば、第五福竜丸と、亡くなった同船無線長の久保山愛吉さんが知られていますが、同じように放射能で汚染された海域で操業し、取れた魚を食べ、放射能の混ざった雨水をシャワーがわりにした日本人乗組員が数多くいました。そのなかには40〜50代の働き盛りで亡くなった漁民も少なくありません。 後年に障害が出るなど体に複雑で深刻な影響をもたらすのが、放射能被害です。にもかかわらず日米両政府は被ばくの実態がほとんど分からない、わずか10カ月後の段階で、被害のほんの一部である第五福竜丸関係や物的被害の補償だけですませる「政治決着」をはかりました。人的被害については、調査すらしませんでした。アメリカの「好意」による見舞金(名目は慰謝料)として受領し、今後新たに判明した被害はいっさい補償しないというひどい内容です。この「政治決着」こそが「許しがたい日本政府の責任と違法行為の根源となり、出発点となった」(訴状)ことは明らかです。 被災から提訴まで62年もかかったのは、日本政府が日米の「政治決着」を何より優先させ、長年にわたり、被災状況の資料の存在そのものを否定し、開示を拒否し続けてきたからです。 日本共産党の山原健二郎衆院議員(当時)は86年3月の国会質問で、ビキニ被災状況の調査と政府保有資料の開示を求めましたが、政府側は「資料はない」「第五福竜丸以外の漁船については、その実態、数字についてはつかんでいない」の一点張りでした。ところが、アメリカが近年公開した文書の中にビキニ被ばく関係があることが判明、市民団体や日本共産党国会議員団の連携した追及で、厚生労働省も2014年にようやく文書を開示しました。 国会答弁とは正反対に膨大な資料が存在していたことは、開示を拒否し、事実を隠し続けた日本政府の不当な姿勢を浮き彫りにしています。 被災したマグロ漁船が多かった高知県を中心に埋もれていた事実を1980年代から掘り起こしてきた太平洋核被災支援センターの山下正寿事務局長(同県宿毛市)も原告に加わりました。「『ビキニに行った』と話す300人以上の漁民と接した。亡くなった人も多い。その怒り、家族の苦しみをぶつけたい」と山下氏は語ります。 核兵器廃絶の運動と結び ビキニ被災は、アメリカによる広島、長崎への原爆投下に続き、日本人が核兵器と放射能の犠牲になった大きな事件です。 国賠訴訟に合わせて結成された「支援する会」は、アメリカなど核保有国の責任を追及し、核兵器廃絶を求める運動もすすめることを確認しました。被爆者による核兵器廃絶の新たな国際署名運動も始まっています。これらの運動と連帯し、一致した願いである「核兵器のない世界」の実現へ、さらに力を合わせることが重要です。 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-05-15/2016051502_01_1.html
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