http://www.asyura2.com/16/senkyo205/msg/288.html
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事業者が稼ぐ付加価値に対する課税である消費税は、詐欺的で歪んだ税制だが、設備投資が旺盛でインフレ率も高く国際競争力も高まっていく経済状況なら、それなりに有効性を発揮する。
しかし、80年代後半のように溢れたカネの国内での使い道が株式や不動産への投資に偏り、設備投資などは海外向けに行われるというような成熟期経済においては、逆に経済全体の足を引っ張る“悪性腫瘍”のような税制でしかない。
高度成長がとっくに終わり、“円高”状況で輸出企業が否応なく海外展開をせざるを得なくなった89年に「消費税」(付加価値税)を導入したのは最悪とも言える政策判断である。
付加価値税は、グローバル企業を別にすれば、“先取り給与税”であり、“債務履行税”であり、“利益税”である。
“債務履行税”という意味は次のようなものでる。
借りたお金は、稼いだ付加価値(ないし稼いだ投資利益)から返済することになるから、利益に余裕がなくぎりぎりで経営している事業者は、消費税が課されるようになると、その負担増分だけ多く付加価値を稼がなければ債務をきちんと履行できなくなる。
89年の消費税導入は、バブルが崩壊した要因の一つなのである。97年の消費税増税も、その秋に拓銀や山一証券など金融破綻を引き起こしている。
いろいろ問題はあるが、付加価値税を導入していない米国は、その点でまっとうだと言える。
※参照投稿
「消費増税1%刻みも選択肢 自民政調会長:高度成長期なら有効な手法だが現状では悪影響のレベルは結果的に同じ」
http://www.asyura2.com/16/hasan107/msg/685.html
「消費税制は、「消費税増税+法人税減税」がセットになってこそグローバル企業の利益が大きく膨らむ仕組み」
http://www.asyura2.com/13/senkyo150/msg/762.html
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[政 その瞬間]国民生活向上へ付加価値税(70年 自民・水田政調会長) 消費税 導入の源流
「高度成長を続けてきた日本経済も成熟期に入る。所得税、法人税の自然増収は期待できなくなる」。1970年初夏、自民党政調会長の水田三喜男は党本部に政調幹部と大蔵省(現財務省)主税局長の細見卓らを集めて力説した。
同年6月、水田らは日本の消費税に相当する新税「付加価値税」を導入したばかりの欧州に向けて出発する。細見は同行する部下の内海孚(まこと)に「議員さんたちに付加価値税をあまり思い込ませないように。さりとて、その芽を摘まないように」と指示した。
のちに財務官を務める内海は当時の心境を「守り育ててきた税制に異物が入り込むことへの抵抗が主税局に根強く存在していた」と振り返っている。
戦後、日本は米国の専門家がまとめた「シャウプ勧告」に沿って、所得税と法人税などの直接税中心の税体系を築いた。水田は景気に税収が左右される直接税は「いずれ壁に突き当たる」として、税収が安定しやすい付加価値税の導入を目指していた。
欧州でまず水田らは68年に最初に付加価値税を導入したフランスを訪問。ベルギー、西ドイツ、イタリアなどを精力的に回った。帰国後、水田は「国民生活向上のための財源として付加価値税が最も妥当だ」と明言した。しかし、首相の佐藤栄作は沖縄返還に全力を傾けており、水田の思いは届かなかった。
76年、水田は付加価値税の導入を目にすることなく息を引き取った。3年後の79年、首相の大平正芳は80年度からの「一般消費税」の導入準備を閣議決定するが、党内、消費者団体などの反発を受けて断念した。87年に首相の中曽根康弘が売上税法案を国会に提出。猛反発を受けて廃案となった。
消費税を導入できたのは竹下登内閣の89年4月。水田の訪欧から約20年が過ぎていた。
=肩書は当時、敬称略
(福岡幸太郎)
◆「政 その瞬間」は政治が大きく動いた場面を検証し、象徴する言葉とともに人間模様を描きます。
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変動相場制への移行も背景
藤井裕久元財務相 水田氏は消費税の元祖だ。訪欧は日本が消費税の導入に向かううえで大きな転機だった。ドルの変動相場制への移行にも水田氏は関わったが、為替が変動すれば経済も変動する。そのときは消費税のような安定財源がないと、必ず所得税や法人税は波を打って、まともな社会保障政策もできない。見識を持った人だった。
[日経新聞4月24日朝刊P.10]
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