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甘利疑惑 このタイミングの強制捜査をどう見るべきか
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/179227
2016年4月11日 日刊ゲンダイ 文字お越し
不眠症という便利な病気で国会欠席(C)日刊ゲンダイ
甘利明前経済再生相の口利き賄賂事件で、検察がようやく強制捜査に着手した。
8日夜、甘利側にカネを渡した千葉の建設会社や同社と補償交渉をしていたUR(都市再生機構)に東京地検特捜部が家宅捜索に入り、領収書など大量の資料を押収。現金授受を告発した建設会社の元総務担当者・一色武氏の自宅も捜索した。特捜部は、すでに一色氏だけでなく、甘利の元公設第1秘書や国交省住宅局の担当者からも任意で事情聴取したという。
問題は、検察はこの事件を本気で立件するつもりがあるのかどうか、捜査の手が甘利本人にまで及ぶのかどうか、である。
一色氏は本紙のインタビューで、「甘利さんに渡した現金はあくまで口利きの“礼金”であり、新たな口利きへの“手付金”です。決して政治資金ではありません」とハッキリ証言している。元検事で弁護士の郷原信郎氏も本紙に「絵に描いたようなあっせん利得」「ど真ん中のストライクに近い事案」と断言していた。果たして、検察はどこまで本気なのか。あらためて郷原氏に聞くと、こう言った。
「UR側に対する家宅捜索のやり方を見ると、今回の捜査は言い訳的な“ガス抜き”とは考えにくい。捜索は夜から明け方という勤務時間外に行う徹底したものだった。妨害が入らない最も効果的な方法です。
若干疑問なのは、なぜ甘利側に家宅捜索に入らないのか、ですが、法務省や検察上層部は政治的な影響を嫌っているでしょうから、甘利側捜索の了承を得るのは難しく、無理をしなかったのではないか。もっとも録音テープなどがあるので直ちに甘利側に入る必要はありません。つまり、最大限好意的に見れば、現場のギリギリの努力で、やれるところから着手したということでしょう」
このタイミングでの強制捜査に、与党内では「衆院北海道5区の補選告示(12日)直前で、選挙に響く」などと懸念する声も出ている。ただでさえ北海道補選は、与党の町村娘婿VS野党統一候補で大接戦。与党の選挙戦略にマイナスなのは間違いないが、「特捜の現場はイケイケでヤル気」(司法記者)なのだという。
■8月の時効を前に捜査着手
ただ、甘利本人まで捜査の手が及ぶのかどうかは不透明だ。
「甘利さんまで含めてやろうとすれば、甘利事務所の家宅捜索は不可欠です。しかしそのハードルが高いので、まずは元秘書の事件の立件を目指すということではないか。あっせん利得か、場合によってはあっせん収賄もある。その捜査の過程で、甘利さん本人に対する証拠が出てくる可能性もある。安倍一極集中という政治的に強烈な“向かい風”の中、検察の現場は、一歩一歩やっていこうということでしょう」(郷原信郎氏=前出)
弁護士グループが甘利と元秘書をあっせん利得処罰法違反の疑いで東京地検に刑事告発したのが3月。今月8日には市民団体「政治資金オンブズマン」も甘利らを告発した。
加えて、今年8月に時効が迫っている。URから建設会社への補償金が2億2000万円に引き上がった直後、甘利の元秘書が建設会社からその“見返り”に500万円を受け取ったのは13年8月。あっせん利得処罰法違反の時効は3年で、今年8月なのだ。
参院選が7月に行われることを考えれば、強制捜査着手は、時効前のギリギリのタイミングだったという見方もできる。
怪しい閣僚がみな無罪放免の不条理
桜を見る会でご機嫌な安倍首相(C)日刊ゲンダイ
東京地検は絶対に元秘書の立件で済ませてはダメだ。
口利き賄賂の本丸は、あくまで2度にわたって、胸ポケットに50万円を入れた甘利本人だ。しかも1度は大臣室で受け取っている。補償金を吊り上げたチンピラ秘書や恫喝に屈したUR職員などの雑魚じゃない。検察は本丸まで切り込まなきゃウソだ。
しかし、自民党内に「甘利さんまで行くことはない」と断言する幹部もいるように、捜査の先行きは早くも危惧されている。小渕事件でも、結局、本人は無罪放免だった。あの事件の顛末は、安倍政権に対する検察の及び腰の象徴だ。
経産相だった小渕優子の政治資金をめぐり、明治座で支援者を観劇させた際の収支が不記載だったことなどさまざまな問題が発覚したが、政治資金規正法違反に問われたのは“金庫番”の元秘書ら2人だけだった。
小渕本人は14年10月に大臣を辞任したものの、2カ月後の衆院選に恥ずかしげもなく出馬。当選を果たし、その後、不起訴となったことで、みそぎが済んだことにしてしまった。約束した「調査」も適当なものでお茶を濁し、いまや涼しい顔で永田町を闊歩している。
小渕だけじゃない。安倍政権の怪しい閣僚は山ほどいたのに、誰も逮捕されていない。選挙区でうちわを配り、公職選挙法違反が疑われた松島みどり元法相も辞任後、選挙を経て戻ってきたし、違法献金など疑惑噴出で辞任した西川公也元農相に至っては、この後半国会の最重要テーマであるTPPで特別委員長の要職に就き、完全復権だ。TPP交渉をめぐり自分の手柄を自慢する本の出版まで計画していた。
■議員を続ける気だけはマンマン
だから甘利も捜査が自分に及ぶことはないと検察をナメている。病状のはっきりしない「睡眠障害」という便利な病気で、もう2カ月も雲隠れしたままだ。
強制捜査を受け、野党は甘利に対して参考人招致や証人喚問の要求を強めるだろうが、今後は「捜査中」を口実に一切頬かむりするに違いない。のらりくらり時間稼ぎして、国会終了。姑息な安倍政権が考えるシナリオはそんなところだろう。
甘利は下手すりゃ衆参ダブル選挙でみそぎだ。地元では3月に入って参院議員との新しいツーショットポスターが張り出されたという。説明責任を果たさずトンズラしてるのに、議員を続ける気だけはマンマン。そんなフザケた話があるものか。
政治学者の五十嵐仁氏はこう言った。
「このままみそぎなんて許されませんよ。あっせん利得処罰法違反では、検察は甘利さん本人についてもしっかり白黒をつけてもらいたい。そして、当局の捜査とは別に、甘利さんは説明責任を果たすべきだし、安倍首相も任命責任が問われてしかるべきです。この3年間、閣僚や自民党議員の不祥事が次から次へと出てきているのに、その具体的な中身は明らかにされず、誰もきちんと責任を取っていない。安倍政権は政治の信頼をどこまで貶めるつもりなのでしょうか」
やりたい放題の独裁政権の横暴に、検察はどこまで抵抗できるのか。甘利から事情聴取することもなく、秘書でオシマイなんてことがあれば、東京地検と安倍政権がグルだということが証明されるようなものだ。
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