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読売新聞が社説で「高校生デモ参加『届け出』でトラブル防ぎたい」。教育委・学校に違憲行為を促すのか。
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/796a10cbf796dedd2e1505fd21a1e8d0
2016年02月29日 | 子どもの権利 Everyone says I love you !
測定と成果主義にもとづく学力幻想から私たちを解き放ち、民主主義と教育を結びつける新しい学びの様式へと誘う。
18歳選挙権の時代の新しい教育の姿を求めるすべての人にとって、必読の書である。
東京大学大学院教育学研究科教授・小玉重夫
はじめ、東京新聞だと勘違いして読んでいたので、「こちら特報部」と言ってることが真逆!と、文字通り飛び上がるほど驚いたのですが、読売新聞だと気づいて安心?しました。
読売新聞が今朝の社説で表題通り、文部科学省が高校生の政治活動について学校側の対応をまとめた「Q&A」で、高校生のデモ参加を事前に学校に届け出るように校則で決めたとしてもOKとしたことを支持しています。
いわく
・違法行為に発展する恐れがあるデモに、生徒が参加する事態は可能な限り、避けねばなるまい。休日に政治活動ばかりして、学業に支障が出るのも問題だ。
・たとえ校外の活動でも、教育上の観点から、学校が把握しておく必要はあるのではないか。
というのです。
まず第一に、バイトの中身が違法な場合もありますし、通学で痴漢行為をするかもしれません(笑)。
デモに限らず違法行為に発展しかねないことは学校外に山ほどあるのですから、違法な行為になる可能性があるから届け出制にすると言い出したら、すべての学外の行動を生徒は学校に届け出しないといけなくなります。
第二に、学校が生徒の校外での行動を把握しても、生徒の「不適切」な行動を止めることなどできません。なんなら、生徒が参加するデモにいちいちついていきますか?デモの参加者が増えていいかも。先生も外に出て学んだ方がいいし。
よい教育とはなにか: 倫理・政治・民主主義
ガート ビースタ (著), Gert J.J. Biesta (原著), 藤井 啓之 (翻訳), 玉木 博章 (翻訳)
白澤社
本書でビースタは、成果主義時代の教育についての議論が、効率や効果についての技術的で管理的な議論に置き換えられており、エビデンスがよい教育に結びついていないことを明らかにする。さらに、よい教育とはなにかという問いに向きあうことが何を意味するのか。
日本の教育の民主主義的発展にとっても重要な示唆を与える、教育関係者必読の書。
根本的な問題は、読売が
「届け出をさせる場合には、学校側の配慮も欠かせない。生徒個人の政治的信条を問いたださないようにするなど、思想・良心の自由に十分留意せねばならない。」
としていることです。
生徒がどのデモや集会に参加するかをいちいち届け出させて学校が把握する自体が、生徒の思想・信条を知ることになり、これは内心の自由として絶対不可侵とされる思想・良心の自由侵害になるのです。
なぜなら、思想良心の自由はその内心を他人に知られることが最も重大な脅威になるので、絶対的な「沈黙の自由」を保障の内容としているからです。
つまり、デモや集会への参加を届け出させておいて、思想良心の自由に十分に留保することなど論理矛盾で、不可能なのです。
ここが、デモ参加の届け出と、バイトやバイク通学の届け出とが全く違うところです。
昔の判例に、デモを届け出制にする地方自治体の公安条例の違憲性について、「デモは暴動化する危険性がある」と書いた判決があったのですが、今は一顧だにされていません。しかし、読売の記事や文科省の「Q&A」は、まさにこのデモ暴徒化論に立っています。
現実を見よ。
許可制ではなく届け出制であれば、政治活動の自由に対する制約の程度は低いのですが、その前に思想良心の自由侵害でアウト。憲法違反です。
大人のデモ行進も道路交通の安全との兼ね合いで届け出制にはなっていますが、参加メンバーの名簿を出させたら違憲でしょ?個人にとってどのデモや集会に参加するかしないか知られないことが人権なのです。
この点、自衛隊の保全隊がイラク戦争反対集会に参加していた市民の個人情報を探ったことが、プライバシー侵害だとして国家賠償請求が認められた仙台高裁の判決を想起すべきです。
読売新聞が社説で堂々と主張していることが違憲・違法だというのですから、この新聞を発行することを毎朝届け出制にした方がいいんじゃないか。
自衛隊の恐怖。文官統制を拒否、秘密裏に米軍と作戦計画立案、市民の集会を監視、住民票を自由に閲覧。
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/6d64d9931d5536268d4dfaab5d3aa44a
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文科省が高校生の政治活動について、校則で「届け出制にするのも校内禁止もOK」。どこが主権者教育か。
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/59b07c3c5599b91e78175f4e2f51f22a
高校生の政治活動の学校届け出制は「監視」。思想良心の自由と政治活動の自由を侵害し、憲法違反。
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/5b3a1f723c66e51ba9ff394f0ba9e2a0
高校生の政治活動は原則自由であり、必要最小限度の制約しか受けない。教育の中立性は強調すべきでない。
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/6fdb8695ab7736bd13fa0c65f04bb45b
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高校生を主権者に育てる―シティズンシップ教育を核とした主権者教育
広田 照幸 (著, 監修), 北海道高等学校教育経営研究会 (著, 編集)
学事出版
「18歳選挙権」への備えは万全ですか? 本書では、高校生を主権者に育てるためのシティズンシップ教育の推進を提案します。
問う! 高校生の政治活動禁止: 18歳選挙権が認められた今
久保 友仁 (著), 清水 花梨 (著), 小川 杏奈 (著)
社会批評社
高校生が社会の仲間として、主権者として社会問題を考え、自由に声を上げることのできる社会へ!―制服向上委員会と高校生たちの挑戦!
子どもの権利―次世代につなぐ
喜多明人 著
エイデル研究所
最新刊。
子どもの問題について、子どもの権利の視点を欠けば、決して解決しないと考えられる実践課題について問い直し、考察した「子どもの権利」普及の書。子どもの権利条約批准20周年・国連採択25周年を記念して刊行。「子ども権利」はわがままであり、途上国向けであるといった「子どもの権利バックラッシュ」に歯止めをかけ、「子どもの権利」を次世代につなぎ、国際子ども法としての子どもの権利条約の発展に道筋をつけたいという著者の思いが込められた一冊。『子どもの権利―日韓共同研究』(日本評論社、2009年)、『子どもの権利―アジアと日本』(三省堂、2013年)に続く「子どもの権利」シリーズ3作目。単著としては約20年ぶりの著作となる。
子どもの権利と人権保障――いじめ・障がい・非行・虐待事件の弁護活動から
児玉勇二 著
明石書店
最新刊。
本書は30年間、子どもの権利についての事件を担当してきた弁護士による活動の記録であり、現場からの報告である。著者は国連の子どもの権利条約の審査に関わるなど国際的な見地から、現在の日本の子どもの置かれた状況を検討し、今後のあるべき姿を提言する。
逐条解説 子どもの権利条約
喜多 明人 (編集), 広沢 明 (編集), 荒牧 重人 (編集), 森田 明美 (編集)
日本評論社
画期的な条約が採択されて20年、それはどう活かされてきたのか、これからどう活かしていくのか。いじめ、不登校、虐待、体罰、自殺や少年事件の深刻化、子どもの伸びやかな自己形成への支援は、いまだ不十分だ。国連の動向もふまえて、最新の状況を条文ごとに解説する。
民主主義ってなんだ?
高橋源一郎、SEALDs 著
河出書房新社
『ぼくらの民主主義なんだぜ』がベストセラーとなっている作家・高橋源一郎と、安保関連法案に反対する国会前抗議を毎週金曜日に主催し、テレビ、新聞、雑誌他あらゆるメディアで大注目を集める学生団体SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)が、2日間・計8時間に渡って、「自由」と「民主主義」を考えた対談、緊急出版!
SEALDs 民主主義ってこれだ!
SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動) (編集)
大月書店
写真:メンバー自身の撮影によるデモや抗議行動、日常風景など 。アートワーク:SEALDsの特徴である洗練されたデザインのフライヤーや映像 。スピーチ:一人ひとりの言葉で語られたスピーチを厳選して収録 。メンバー証言:それぞれの来歴や参加のきっかけ、SEALDsへの思いなど 。メンバー座談会:初期メンバーが前身であるSASPLの誕生から現在までを振り返る 。
対談:高橋源一郎(作家)と中心メンバー奥田愛基が語る「民主主義とは?」 。著名人・識者からの応援メッセージ:茂木健一郎、高畑勲、後藤正文、小林節 ほか
高校生への主権者教育より、マスコミの人権教育の方が先じゃないかと思う今日この頃。
高校生デモ参加 「届け出」でトラブル防ぎたい
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20160228-OYT1T50111.html
2016年02月29日 03時01分 読売新聞
高校生が節度を守りつつ、政治活動の経験を積めるようにしたい。
選挙権年齢が18歳以上に引き下げられたことを受け、解禁された高校生の政治活動について、文部科学省が学校側の対応をまとめた「Q&A」を公表した。
Q&Aでは、政治活動への参加を例外的に制限・禁止できる具体例などを挙げている。文科省が昨秋、従来の通知を見直し、放課後や休日に校外でデモや集会に参加することを容認したためだ。
行進中、投石や警備活動の妨害に及ぶ。無許可デモを繰り返す団体が主催するデモや、他人の生命・名誉を害する内容を連呼する集会に加わる。部活動での人間関係を背景に、先輩が後輩に支持団体の集会への参加を強要する。
いずれも高校生の行動として、不適切なのは明らかだろう。
議論を呼んでいるのは、校外のデモに参加する際、事前に学校へ届け出をさせることの是非だ。Q&Aは「必要かつ合理的な範囲なら可能」との考えを示し、判断を教育現場に委ねている。
一部の教育委員会では、「届け出は不要」との方針を学校側に伝えている。「届け出制にすると、学校の監視が強まり、生徒を萎縮させる」といった批判もある。
無論、放課後や休日に校外で行う政治活動は、基本的に、保護者の理解の下で、生徒が主体的に判断すべきものである。
ただ、違法行為に発展する恐れがあるデモに、生徒が参加する事態は可能な限り、避けねばなるまい。休日に政治活動ばかりして、学業に支障が出るのも問題だ。
たとえ校外の活動でも、教育上の観点から、学校が把握しておく必要はあるのではないか。
届け出をさせる場合には、学校側の配慮も欠かせない。生徒個人の政治的信条を問いたださないようにするなど、思想・良心の自由に十分留意せねばならない。
政治参加について、生徒がきちんと判断できる力を養う上で、主権者教育は重要だ。
選挙管理委員会による出前授業で、生徒たちに模擬投票を体験させる学校が増えている。地元住民から地域の課題を聞き取り、議会への請願書を作成する「模擬請願」に取り組む学校もある。
安全保障法制など、国論を二分するテーマを積極的に取り上げることも有益だろう。立場の異なる複数の新聞記事を教材に使えば、多角的な視点を提供できる。
教育現場には、政治への関心を高める授業を求めたい。
2016年02月29日 03時01分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
高校生の校外での政治活動、4府県2市「届け出不要」
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20160228-OYT1T50111.html
2016年2月22日07時49分 朝日新聞
JR渋谷駅近くをプラカードを手に練り歩くデモ隊=21日午後5時11分、東京都渋谷区、竹花徹朗撮影
高校生が校外での政治活動に参加する際、学校に届け出をさせることについて、朝日新聞が全都道府県と政令指定市を対象に調査した結果、4府県と2市が「届け出は不要」との方針を決めていることがわかった。文部科学省は届け出導入を認めているが、6自治体は生徒の自己判断を尊重することなどを理由に、導入を見送ることにしたという。
文科省は昨年10月、選挙権年齢の18歳以上への引き下げに伴い、通知で禁じていた高校生の校外の政治活動への参加を解禁。今年1月には、自治体に対し、学校への事前届け出の導入を認める考えを示した。
朝日新聞は2月、全都道府県と政令指定市(市立高校のない相模原市は除く)の計66教育委員会に、届け出を導入するかなどを電話で尋ねた。「届け出は不要」と決めていた6自治体(宮城、愛知、香川各県、大阪府、仙台市、堺市)はいずれも校長会などを通じ、方針を高校に伝えていた。
ログイン前の続き愛知県の担当者は、文科省が通知で「(政治活動への参加は)家庭の理解の下、生徒が判断」とした点を踏まえ、「生徒の判断に縛りをかけてはいけないと考えた」と理由を説明。大阪府は「校外活動を全て把握するのは難しい」などとして、生徒の政治活動への対応について今月まとめた教員向けガイドラインに「届け出不要」と記した。
一方、残る60自治体のうち、北海道や東京都、京都府、兵庫、福岡、鹿児島各県など27自治体は届け出の導入について「判断は各校に任せる」と回答。理由では「アルバイトを届け出制にするかも各校が決めており、それと同様の対応」などが多かった。文科省は1月に容認方針を示した際、「各校等において適切に判断することが必要」としており、それに沿う形だ。
その他の33自治体は「対応を検討中」「未検討」などだった。担当者の間には「届け出をさせると生徒の思想信条の自由を侵す恐れもある」という意見の一方、「デモなどでの不測の事態に備え、届け出の必要性は理解できる」との声もあった。
文科省児童生徒課は「教委は学校の設置者として、現状を踏まえてそれぞれ判断されるものと理解している」としている。
■「届け出は不要」とし、各校に伝えた自治体
宮城、愛知、香川各県、大阪府、仙台、堺両市
■「各校が判断」とした自治体
北海道、東京都、京都府、青森、秋田、福島、群馬、埼玉、千葉、新潟、山梨、長野、兵庫、和歌山、島根、山口、徳島、愛媛、福岡、鹿児島各県、札幌、横浜、川崎、新潟、京都、神戸、広島各市
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