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2016-02-15 17:35:24
日本人とは?日本人は、司馬遼太郎によれば、「武士という人間像は、日本人がうみだした多少奇形であるにしても、その結晶の見事さにおいて、人間の芸術品とまで言えるように思える」という。すこし誇張があるにしても、そのほめそやかしに、うう〜ん。
昨日2月14日、NHKスペシャルで「『武士』で迫る日本人――司馬遼太郎の思索の道」が放映されました。
日本は北条早雲のころ、日ごろは農民でありながらいざというときには武士となって働く集団を作り上げた。それまでは、貴族などが土地の一切を持っていたが、農民という武士を土地で預けることにした。その後、江戸中期に秋田藩で栗田定之丞という一介の武士が20里(80q)の砂浜を松林で覆うことにし、まずひとりで取り組んだ。それが5年たち、7年たってついに多くの人が参加するようになった。ここに、「多くの人が皆で使えるものにするという『おおやけ』が生まれた」というのだ。
しかし、欧米列強が植民地をあらそうことになると、その「武士だましい」は明治に入ってから武士から庶民へと受け継がれ、この国を好くしたいという気分になった。例えば、郵便制度。ところが、それが「日比谷焼き討ち事件」で変質。軍部が「統帥権事件」で国の本質をいびつにし、「統帥権」で国を乗っ取った。
いま、日本はアメリカから与えられた権利として、自由な社会を謳歌しているが、このままではふたたび国が亡ぶかもしれない。とくに、安倍政権になってからは、いかにもこの国の形がおかしい。日本人は倫理観を持ち直して、さらに豊かな倫理に仕上げ、世界に対する日本人を新たしいあり方の基本にすべきではないか。これは、司馬遼太郎の“遺言”なのかもしれない。
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