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【社説】インドの高額紙幣廃止、犯罪者より貧困層に打撃
国民からの現金の剝奪は経済的自由の剝奪に
モディ首相は8日、500ルピーと1000ルピー札の高額紙幣2種類を突然廃止
2016 年 11 月 17 日 12:41 JST
インドのナレンドラ・モディ首相は8日、国内の現金の90%近くを使用不能にする措置を取った。その結果、経済に大きな支障をきたし、首相に抗議するデモが起こっている。500ルピー(約800円)と1000ルピー札の高額紙幣2種類の突然の廃止について、モディ氏は汚職や犯罪で得た「ブラックマネー」のあぶり出しに必要だと主張している。しかし、まずすべきは減税と規制緩和であり、現状では経済的自由を抑制しているにすぎない。
インドで巨額の現金を保有しているのは悪人だけではない。公的な記録に残らない非公式経済あるいは地下経済は国内総生産(GDP)の推定45%を占め、労働力の80%を雇用している。それら企業は活動自体は合法だが、厄介な政府規制に従っている余裕などないため全ての取引を現金で行っている。それら企業に融資する非公式の金融業者も巨額の現金を抱えている。
地下経済は経済全体を上回る速さで成長している。インドのアルン・ジャイトリー財務相は1年前に行われたブルームバーグのインタビューで、厳密には非合法の企業を「強く支持している」と発言。「非公式セクターは組織化された業界よりも多くの雇用を生み出している」と述べた。
しかし、モディ氏は高額紙幣廃止がそれら企業の経営者や従業員、顧客に与える打撃の大きさを過小評価していたようだ。廃止から1週間たった後も、高額紙幣を低額紙幣に交換するため仕事に行かずに銀行で長い列を作る人が絶えない。
旧紙幣はほぼ即時に廃止されたため、政府は発表まで内密にしておく必要があった。つまり、新紙幣は事前に印刷されてはおらず、現金自動預払機(ATM)の調整も行われていなかったということだ。モディ氏は50日の移行期間中は耐えるよう要請した。しかし、その日暮らしをする何百万というインド人にとっては、この苦難は決して小さくない。
一方、本物の犯罪者は人を雇って紙幣交換に行かせることができる。しかもその金額は彼らのもうけのごく一部を占めるにすぎない。汚職役人や大規模犯罪組織は違法所得を金や不動産に変えたり、海外の銀行口座に預けたりしている。政府は紙幣交換で現金を銀行に預けさせることで450億ドル(約4兆9000億円)の利益が得られるとみている。しかし、その450億ドル自体は将来の犯罪抑制にはほぼ何の役にも立たない。
モディ氏は銀行や電子決済システムの利用拡大を推進すると述べており、政府が高額紙幣を再び廃止する可能性が警戒されている。したがって犯罪者は今後、現金の保有を減らし、非公式の企業は流動性の不足に陥るだろう。
汚職撲滅に向けたより良い策は、不必要な規制を撤廃し、役人から専権を奪って賄賂を要求できないようにすることだ。また、税制改革により税率を引き下げ、法の抜け道を排除することで、脱税の機会や動機を減らすこともできる。そうすれば、汚職対策によって貧困層が痛手を受ける必要がなくなる。
現金はインド経済にとって不可欠だ。現金があれば、国の官僚主義という重い負担から逃れられる。現金への依存の低減は、モディ氏の改革の成果を推し量る有益な指標になる可能性がある。しかし、インド国民が現金を好むのはもっともであり、それを理由に彼らに痛みを与えることは、経済的にも政治的にも逆効果になるだけだ。
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英有権者、EUと自由貿易は継続しつつ移民制限も望む=世論調査
[ロンドン 16日 ロイター] - 英国での世論調査によると、同国の有権者は欧州連合(EU)離脱後も加盟国との自由貿易継続を求めている一方、加盟国からの移民流入には制限を設けることを望んでいることが分かった。調査機関「NatCen」が16日に結果を発表した。
ストラスクライド大学の政治学教授で、NatCenの上級リサーチフェローとして調査をまとめたジョン・カーティス氏は「英国とEU間の自由貿易継続には、大多数から支持が集まった」と指摘。「一方、7割の有権者はEUからの移民流入の制限が可能になるべきだと考えており、EU国境での税関検査を行うべきだとする人も同程度いた」と説明した。
6月の国民投票でEU離脱を支持した人も、大半が自由貿易や金融パスポート、EUの工業規格に準拠することに賛成したという。一方、EU残留支持者らも移民の制限や税関検査の導入に賛成したもようだ。
調査は9―10月、インターネットや電話を通じて1391人を対象に実施された。
http://jp.reuters.com/article/britain-eu-voters-idJPKBN13C08G
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