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【寄稿】もしもトランプ氏が正気だったら?
最後の討論会をリアリティー番組のようには扱わなかったはずだ
彼が正気だったら、圧倒的な勝利はまちがいない。正気なトランプ氏は存在しないことが残念でならない
By PEGGY NOONAN
2016 年 10 月 21 日 17:26 JST
――筆者のペギー・ヌーナン氏はWSJの定期的寄稿者。著作も多く、レーガン元大統領のスピーチライターを務めた経歴を持つ。
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ドナルド・トランプ氏はまともじゃない。誰だって分かっている。筆者は激戦州に出向き、いろいろな人と話す。すると、彼がまともじゃないことは全員が分かっている。それでも彼に投票するつもりの人はいる。多くの人は大統領選を「狂人」対「犯罪者」の戦いととらえ、仕方なく最終的な決断をしている(もしくはしようと)思っている。彼らは憂鬱(ゆううつ)になっている。誰もがそうだ。彼らは全体の仕組みを懸念している。これが今の状況だとすれば、われわれはどこに向かっているのだろうか?
第3回討論会でトランプ氏は、民主党候補クリントン氏が勝利した場合「その結果を尊重するか」との司会者の質問には明確に答えなかった(英語音声のみ)Photo: AP
トランプ氏の友人で支持者のニュート・ギングリッチ元下院議長が米紙「ワシントン・エグザミナー」のデービッド・ドラッカー記者に対して語った言葉を紹介しよう。ギングリッチ氏は、自分がトランプ氏を称賛するのは「(トランプ氏が)物事を大きく考える」人物であり、変革的な気質を有しているからだと言った。しかし同時に、トランプ氏の生来の性格についても語った。トランプ氏は「自身の誠実さや自身の体面を攻撃するあらゆるもの」に対して、「かなり猛烈に、かつほとんど制御不能なまでに」反応するというのだ。「理解できないほどささいな事にこだわる面もある」とし、2回目の討論会の後にポール・ライアン下院議長がお祝いの電話をかけてこなかったからといって激怒したのは「正直いって哀れだった」とまで言っている。
ギングリッチ氏はトランプ氏が変わることを願っていると述べた。だが、70歳という年齢で持って生まれた性格は変わらない。
トランプ氏が果たした歴史的に偉大な役割は、共和党支持層の実に半数が重要な問題について本音を吐かせたことだ。共和党幹部は彼らの本音を知らなかったのだ! 幹部らは衝撃を受けた。その衝撃はあまりに大きく、彼らの本音を完全に否定し、あたかも現実ではないかのように振る舞って見せたほどだった。
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共和党の幹部は多かれ少なかれ、開かれた国境と大規模な貿易協定を受け入れている。だが支持層の半分はそうではないのだ! 給付金に充てる予算を減らすというのは共和党の長年の党是だ。だが、支持層の半分はそれを今求めてはいないのだ! 共和党幹部は強引といえるような外交政策を打ち出す傾向がある。だがトランプ氏がジョージ・W・ブッシュ前大統領と、紛争後の国造りを手助けすることを目指した「ネーション・ビルディング」政策を侮辱し、イラク戦争には反対だったと述べた際、群衆はトランプ氏の言葉を真に受けて喝采を送った。彼らに言わせれば、トランプ氏は世界を侵略することも、世界を招き入れることも願い下げだと宣言していたのだ。トランプ氏に声援を送ったのは共和党支持者の半分だけではなかった。残り半分の、少なくともさらにその半分が予備選が終了する頃にはトランプ氏支持に回っていた。
共和党は今、自身を再定義する長いプロセスに差し掛かっている。さもなければこのまま長い時間をかけて全国規模で崩壊していくかだ。これは画期的なできごとだ。現状と将来に対するトランプ氏の直感がこれを起こしたのだ。
筆者はどちらかと言えばトランプ氏の主張に共感しているほうなので、彼が人間としてまともじゃないのはとりわけ残念だ。
ここである疑問が湧く。筆者にとっては心が痛む問いだ。
もしもドナルド・トランプ氏が正気だったら、という問いだ。
おお神よ、正気なトランプ氏なら圧倒的に勝つにちがいない。
正気なトランプ氏は移民政策を思いやりのある論法で提案したことだろう ENLARGE
正気なトランプ氏は移民政策を思いやりのある論法で提案したことだろう PHOTO: EVAN VUCCI/ASSOCIATED PRESS
トランプ氏が正気であれば、まず普通に幸せそうに見えるだろう。険しく、にらみつけるような表情でなくだ。良い助言に耳を傾け、それに従うだろう。そして自分の見解を明快かつ詳細に説明するだろう。現実のトランプ氏の公の場での人格を特徴づけている、半分しか理解できていないような性急な意見ではなくだ。
正気なトランプ氏は不安を抱えたこの国を楽にしてくれるはずだ。さらに多くの不安をもたらすのではなくだ。
正気なトランプ氏は移民政策を思いやりのある論法で提案したことだろう。――われわれは、さまざまの深刻な理由で国境の治安を強化しなければならないが、米国民は合法的な移民たちに感謝している。ところで、米国に対する真実の愛について聞きたいなら、彼らに会って話を聞くといい。ここがどれだけ素晴らしい場所であるのか、彼らのほうがよく分かっているからだ。国境の治安強化が完了し、非常事態の雰囲気が払拭(ふっしょく)されれば、すべての人の立場を公的に認める作業に取りかかる。米国は親切なだけでなく、実践的であり、すべての人に納税してもらいたいからだ――というようにだ。
トランプ氏が正気であれば、この四半世紀の間に作られてきた巨大かつ複雑な貿易協定を、米国の労働者に目をかけつつ、どう改善させるかについて、説得力のある演説をしてきたことだろう。正気なトランプ氏はこうも言ったかもしれない。イデオロギーは不安のない人々の楽しい気晴らしかもしれないが、鉄鋼の作り方を知らない国はもはや偉大な国にはなれない、と。
正気なトランプ氏は給付金について、その負担額を管理するのは必要不可欠ではあるものの、現時点では優先課題ではないと議論したことだろう。
正気なトランプ氏は米国の隠れた分裂に気付いたことだろう。健全かつ穏健なポピュリスト(大衆迎合主義者)の運動は、ナショナリストのアイデンティティ政治運動として始まることも、これに発展することもないと主張したことだろう。特定のグループや人種、宗教などを見下すような人間は自分たちの政党を作ればいい、と。あだ名をつけることで有名なトランプ氏なら、その政党の名付け親にさえなるかもしれない。その名も「イディオット(愚か者の)党」だ。
トランプ氏が正気であれば、世界で最も偉大な民主国家である米国の政治プロセスを(誰かがいみじくも言ったように)、まるでリアリティー番組の最終回の1つ前のように扱うことはなかっただろう。最終回を控えた回というものは、番組がどういう終わり方をするのか視聴者に気をもませる内容になっているものだ。3回目の討論会で大統領選の結果を受け入れるかとの質問に対し、トランプ氏が「あなた方の気をもませておく」と答えたのはまさにこれだと筆者は思う。私たちは乗せられているのだ。最終回は11月8日だ。彼は怒って立ち去るかもしれないし、手当たり次第に相手を「売春婦」と呼ぶかもしれない。
トランプ氏は自分が火遊びに興じていることを分かっているのだろうか。いや、分かっていない。彼はまともではないのだから。
正気なトランプ氏を大統領に――。そんな人は存在しないのが残念でならない。
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ゴールドマンCEO、クリントン氏への「支持」表明−CNNの番組で
Zeke Faux
2016年10月24日 14:01 JST
クリントン氏の政策に全て賛成するわけでないとブランクファイン氏
クリントン氏はゴールドマンとの関係をめぐり批判を受けてきた
米ゴールドマン・サックス・グループのロイド・ブランクファイン最高経営責任者(CEO)は、今年の米大統領選挙を通じて、候補者のチャンスを損なう恐れがあるとして、特定の候補への支持を公に表明することをこれまで避けてきた。
ところが23日に放映された米CNNの「ファリード・ザカリアGPS」のインタビューで、ブランクファイン氏は、民主党候補のヒラリー・クリントン氏を個人的に支持し、評価するかとの質問に対し、イエスと答えた。
ロイド・ブランクファイン氏
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CNNが公開したインタビューのやりとりによれば、同氏は「クリントン氏を支持する」としながらも、「同氏の全ての政策に賛成するわけでも、同氏が政治的キャリアでやってきたこと全てを認めるわけでもない」と語った。
クリントン氏(68)はバーニー・サンダース上院議員との民主党指名争いと共和党候補ドナルド・トランプ氏との選挙戦のいずれにおいてもゴールドマンとの関係をめぐり批判を受けてきた。クリントン氏は2013年の国務長官退任の数カ月後に行った3回の講演の報酬として計67万5000ドル(約7020万円)を受け取った。
クリントン氏がゴールドマンから依頼された講演のテキストとされる文書は、内部告発サイト「ウィキリークス」によって15日公開された。ゴールドマンとクリントン陣営はいずれも講演内容を公表しておらず、文書の信ぴょう性も確認していない。CNNのインタビューは文書が公開される前に行われた。
原題:Goldman CEO Blankfein ‘Supportive’ of Clinton for Pragmatism (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-10-24/OFJ8DN6JTSEK01
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