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(回答先: 影の闇さんへ:その2 北朝鮮問題及び日中関係 投稿者 あっしら 日時 2016 年 9 月 29 日 04:56:43)
あっしらさん
〉見解の違いについて、わあわあ言っても詮ないことです。
それは違うでしょ。
見解の相違それ自体に在るのではなく(or止まるものでなく)、どちらが正しいか?or妥当性があるか?ということであり、大澤真幸のいう「第三者の審級」が期待出来ない以上、どちらが説得力があるのか(受け入れられるか)?ということが取り敢えずの目途になるはずでしょう。
貴方にしても、意見を公にする以上、その意見を受け入れてもらいたいからのはず(でしょ?)。 そうして、その為にも、我が批判は反論し尽しておくべきではないですかね?(笑)
しかし、それにしても、読むほどに、貴方のこの問題への理解の浅さが浮き彫りになって来ます。
〉安倍政権の「日朝国交正常化」(=拉致問題解決)対応は、今回の「弾頭型核実験」を契機に、前進することになると考えています。
ざっくり予測すると18年度中にはメドがつくように思えます。
それは100%在り得ない。 貴方は肝心な事を忘れています。
米軍にも益して、日朝関係の障害になっている(なって来た)のは韓国なのですよ。
南北関係の強化(安定)を抜きにした、日朝関係の先行(進展)は絶対に許さないというのが韓国の国論、と考えるべきなのだから。
そうしてこれは、北東アジアの近代史を理解していたら自然に理解出来るはずです。
もしも南北関係に先行して、日朝関係が進展し、国交正常化に至ったとしましょう。 −その時何が起こるか?
北朝鮮は韓国へのカードとして日本を使うでしょうし、それに対して、対抗上、韓国は中国(やロシア)をカードに使うしかない。
とすると、これは、朝鮮半島を舞台に、日中が影響力を競い合った日清戦争直前の状況の再現ー大国の思惑に振り回されて来た半島の人々にとっては、悪夢の到来を意味するからです。 いや、その時までに(つまり2年以内に)南北は統一されているだろうから、と強弁なさるでしょうか?
しかしこれも100%在り得ない。 米軍という難物があるからです。
中国からすると、米軍と直接対峙する状況を望まないだけでなく、米軍が中朝国境まで進出したら、次には中国北東部(旧満州)の不安定化へと歩を進めるのは明らか、だからです。
歴史を観れば分かる通り、中国の歴代王朝なり国家は、必ずと言ってよい程、東北部が不安定になることによって滅んでおります。
歴史的に思考する中国がそれを知らないはずはないし、その様な状況の到来を許すはずもないのです。
お解りですかな?貴方がアベ登場(日朝国交正常化という使命)説が少しでも説得力を持つ為には、韓国と米軍、この二つの障害をどのようにクリアーするのか?ということが、最低限、問われているのですよ。
加えてもう一つ、「金丸訪朝」と「宣言」(日朝国交正常化交渉に入るという)を、ではどのように評価なさるのか?
当時の日本は、正常化への道が見えたと思ったのか、それを先取りするよういなドラマ「1970年、僕たちの青春」(フジTV!)さえ出て来ているのですよ。
貴方が「米国支配層が日朝国交正常化を望んでいる」と言うのなら、何故この願ってもない機会を潰す真似をしたのか?是非とも、整合性のある議論(論理)をお願いしたいものですな。
〉米国国家機関が仕掛けて発生した事件
〉ここで、内調という組織が出てくるか意味不明です。
貴方の言う「米国国家機関」とは国務省のこと?国防総省のこと? というのも、民主党vs共和党(右派)、国務省vs国防総省及びCIA、東部エスタブリッシュメントvs西南部新興勢力、この40年の経過を見れば、前者は日朝接近を許容し、後者は阻止又は妨害してきたのは明らかです。
そうして、斯かる意味から、「日朝国交正常化を望んでいる米国支配層」とは前者のはずだから、それに対して後者が拱手傍観するわけない、ということ。
なお、内調はCIAの下部機関(対北京情報収集が主任務)です。
〉敗戦後米国の従属国になった日本の政治史を考えれば、「その時点でアウト、日本のリーダーとしては失格」という政治家ばかり
事実と違いますね。 鳩山一郎、石橋湛山、田中角栄、金丸信、小沢一郎、鳩山由紀夫、これらは全て、対米従属を少しでも脱する方向に歩み出ようとした政治家ばかりです。
対するに、吉田茂、岸信介、佐藤栄作、小泉純一郎、そうしてアベ、これらは全て、アメリカの許容範囲の外交に終始しましたし、今もしています。
前者を党人派、後者を官僚派と言います。 そして前者は潰され、後者一人勝ちの現在で、「対米従属」が進行しているのはご存じの通り。
〉政治的に“不必要”であるのに壮大な無駄はしないということを理由にしているからです。
<核>がどのような文脈で登場して来たのかを丸で知らないのですね。
これは、単に、北朝鮮ばかりではない、ソ連や中国、そして韓国も、です。
或る意味、北朝鮮はソ連や中国の跡をなぞらえている、という側面があるのですよ。
しかしながら、肝心のもう一つの意味、それは90年代初頭、ソ連が崩壊し、タダ同然で手に入れていた原油がストップして、北朝鮮は空前のエネルギー危機に見舞われます。
「核」=原発はそれに対する対処であったのは明らかですが、しかしながらそれに止まらない。 石油不足は特に軍事面に深刻な危機を招いたからです。
今も90年代初頭と事情はさほど変わっていないと思いますが、軍の「継戦能力」が1.2週間しかないということ。
しかも極端な石油不足が災いして、肝心の飛行機や艦船を使った訓練が全く出来ないー事実上、軍事力はゼロに近いということ。 核及びミサイルがその状態を補うものであることは明らかなのですよ。 −即ち、彼らの生存の為には必須、ということです。
〉米国をはじめとする“西側”諸国が冷戦構造を望ましいと考えていた70年代後半、米国が日本に北朝鮮との国交正常化を認めたとは思えません。
??? 思い込みの前には事実さえも排除される、ということの標本みたいですね。
”デタント”に代表される、70年代の米外交の事実上の指導者はキッシンジャーであることは定説です(私が言ってるのではありません)。
その北東アジアへの現れが「南北クロス承認」なのですよ。 中ソが韓国を国家として承認し、日米が北朝鮮を国家として承認するのだから、当然、国交正常化の道は開けるじゃありませんか。 「南北クロス承認」と言われても貴方がそれでピンとこないのは、結局、現在の目で過去を見てるからです。
そうして、こうした動き中で、「在韓米軍の撤退」を前面に掲げたカーター氏が大統領として登場して来ます(その背景に在ったのが「南北共同声明」です)。
当初彼は「全面撤退」でしたが、あまりに抵抗が強いので、「地上軍の撤退」ということで、それを実行しようとしますが、その前に立ちはだかったのが軍部です。
斯かる政策を推し進めようとするカーター大統領に対して、在韓米軍司令官が正面から反対し、それによって解任されるという、第二のマッカーサー事件が起きます。
やがて、こうした軍部の不満を代表する形で、後にその力は大統領をも凌ぐと言われた、伝説的な軍事戦略家A.マーシャルが出て来て、これにストップを掛け、沙汰止みというか、棚上げ状態になるのです。 その一方で、カーター政権は「人権外交」を掲げ、その最大の標的を韓国朴正煕軍事政権にします。
「南北共同声明」(1972)で、南北(秘密)協調路線に転じた朴政権は、右派や米軍の決定的な不信を買っておりましたが、そうした事態を克服するため、独自核武装路線に踏み切ると同時に、「南北クロス承認」(=米軍撤退、そうして日本の北朝鮮の承認も含む=日朝国交正常化)の受け入れを決断します。
「朴大統領暗殺」はその受け入れを認めた翌日です。 こうして、「南北クロス承認」(米軍撤退)への道は暗転するのです。
当時の、日本の資料や文献を見てもその扱いは小さく、殆どの人は知る機会に恵まれていなかったので、貴方が知らないのも無理はないのかも知れませんがね。
〉ソ連の存在があったとしても、日米安保条約堅持や防衛力強化の大義名分として、北朝鮮危険説や朝鮮半島有事問題は大いに役立ったからです。
思い込みが強いと、史実を無視して、過去にそれを単純に投影しちゃうんですね。
70年代の文献・資料に当たっても、「北朝鮮危険説」を声高に唱えたマスコミ報道は殆ど皆無に近いですよ。 逆に、当時の「朴軍事独裁政権」下の韓国が今の北朝鮮のイメージに近く、その分だけ、北朝鮮は好意的に扱われております。
日本人の北のイメージが大きく変化したのが「大韓航空機爆破事件」で、劇的に変わったのが「拉致」ではありませんか。
その他、「中国漁船衝突事件」や「尖閣」のことについては、この次に書きます。
貴方が何も知らないようなので、一々、噛んで含むようにして言わなければならないから、しかもそれを理解される可能性もあまり期待できないようだから、余計に徒労感は募りますが、読んでいるのは貴方一人じゃないと思うので、書き続けます。
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