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【社説】オバマ氏の拒否権覆した議会
米国の国益損ねるテロ支援者制裁法が成立 CONGRESSIONAL QUARTERLY/NEWSCOM/ZUMA PRESS
2016 年 9 月 29 日 16:34 JST
米議会はついにオバマ大統領の外交政策に異議を唱えたが、それはよこしまな理由からで結果的に米国の国益を損ねることになる。残念なことに、オバマ氏はほとんど対策を講じていなかった。
上院(97対1)と下院(348対77)は28日、オバマ氏がテロ支援者制裁法案(JASTA)に対して行使した拒否権を覆した。これは、テロ犠牲者の遺族が攻撃に関係する外国政府を提訴できるようにする法律だ。オバマ氏は拒否権行使に際するメッセージで、主権免除という外交原則に反するこの動きが、テロに関する「重要な判断」を大統領から奪い、裁判所や訴訟当事者に渡すことになると正論を吐いていた。
同法は、2001年9月11日の同時多発テロで亡くなった犠牲者の遺族がサウジアラビア政府を提訴できるようにすることを想定している。同国は資金力のある究極の標的だ。この法律では、サウジがテロに加担した確かな証拠はないことなどどうでもいい。米国人はテロに資金援助したと正式に認められた国家を既に提訴できるという事実も関係ない。
今回の法律にはそうした制限がなく、法廷弁護士の説得を受けた裁判官が外国政府に責任があると判断するだけで提訴に動ける。弁護士たちは米国や外国の政府に文書や証言を請求するという無限の楽しみを味わえるが、おかげで米国の外交と安全は複雑な状況に置かれることになる。
真の狙いは弁護士業界の強化
法案提出者は、対象を9・11テロの犠牲者に限定する文言の挿入といった妥協を拒絶した。このことは真の狙いが弁護士業界の強化にあることを示している。サウジは米国に保有する資産が訴訟の担保になることを避けるため、少なくともその一部の売却に動くかもしれない。また、米国の当局者に報復的措置を講じる国が出ることも考えられる。
民主党にも共和党にも責任がある。民主党としては、選挙資金を献金してくれる法廷弁護士に新たな収入源をもたらしたい。一方、共和党では、選挙の年にサウジを擁護していると思われることを誰もが恐れており、賛成票が相次いだ。共和党員には、自ら生み出した皮肉を理解してもらいたい。議会は初めてオバマ氏の拒否権を覆したが、法案を提出した民主党のチャールズ・シューマー議員(ニューヨーク州)はこれを一助に、上院多数党院内総務の座を得る可能性があるのだ。
これらの議員はふだん共和党大統領候補のドナルド・トランプ氏の無謀さを非難しているが、トランプ氏も拒否権が覆されたことを支持している。前国務長官として知識の勝る民主党候補のヒラリー・クリントン氏も同様だ。
現最高司令官はほとんど役に立たなかった。最後には拒否権に訴えたが、それまでの過程では法案への反対意見を形成する動きはほとんど何もしなかった。民主党上院議員で唯一拒否権を支持したハリー・リード氏は、再選を目指していない。シューマー議員はオバマ大統領を支持する共和党議員がいれば攻撃しようと待ち構えていたが、オバマ氏はそれでも、自身がよく非難しているその共和党員たちが救ってくれることに期待した。
ホワイトハウスのジョシュ・アーネスト報道官は上院の採決について、上院が過去数十年に行った中で「最もバツの悪いこと」であり、「上院の基本的な責務の放棄」だと述べた。だが、バツの悪さでいえば、同報道官の上司の動きには到底かなわない。この上司は、議会が自身を踏みにじりやすい状況を自ら醸成したのだから。
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