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中国で開催されるG20サミットに出席するため杭州の空港へ降りた米大統領に対する扱いの意味
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201609050000/
2016.09.05 00:57:46 櫻井ジャーナル
G20サミットに出席するため、各国の首脳が中国の杭州に集まっている。そのひとり、バラク・オバマ米大統領に対する中国側の扱いが話題になっている。タラップが用意されず、赤い絨毯も引かれていなかったのだ。オバマは航空機に格納されている階段で降り、そのまま自動車で空港を後にした。勿論、杭州の空港にタラップや赤い絨毯がなかったわけではない。例えばロシア、イギリス、韓国、インド、日本を含む首脳にはタラップが用意され、赤い絨毯も敷かれていた。
現在、アメリカの支配システムは大きく揺らいでいる。1970年代から経済は疲弊していたが、それを投機の拡大で誤魔化してきたのだが、すでに限界に達している。しかも、投機を拡大するため、生産を放棄してしまった。同じ問題をイギリスも抱えている。
本ブログでは何度も書いてきたが、ソ連消滅直後の1992年初めにネオコン/シオニストは国防総省のDPG草案という形で世界制覇プランを作成した。世界の支配者になることで全ての問題を解決しようと考えたのだろう。
ライバルのソ連を倒して自分たちは唯一の超大国を支配していると認識、それ以降は潜在的なライバルと見なされた旧ソ連圏、西ヨーロッパ、東アジアなどを押さえ込み、膨大な石油資源を抱える西南アジアを支配しようとする。
2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターとワシントンDCの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されたことを利用し、アメリカの支配層は中東/北アフリカに対する軍事侵攻を開始、選挙で選ばれたウクライナの政権もクーデターで倒した。プランにしたがっての侵略だろうが、現在、そのプランは破綻している。それにもかかわらず、軍隊や情報機関を使って世界制覇を実現しようとしている。
ロシアが核戦争を回避しようとしていること利用、軍事的な圧力を強める一方、中国に対しては、その基本戦略である一帯一路(シルク・ロード経済ベルトと21世紀海のシルク・ロード)を破綻させようとしている。その海上ルートの始まる南シナ海で軍事的な緊張を高めている目的はそこにある。
陸上ルートは中央アジアを通過するが、その中央アジアでアメリカは傭兵のアル・カイダ系武装集団を使った工作を進めているようだ。9月2日にウズベキスタンのイスラム・カリモフ大統領が死亡、混乱の引き金になるのではないかと懸念する声もある。
メディアや映画を使ったプロパガンダ(一種の幻術)、自国の軍隊や情報機関だけでなく傭兵を使った暴力、投機市場(カジノ)を利用した資金操作、そして基軸通貨を発行できるという特権などでアメリカは維持されているのだが、庶民の生活は惨憺たるもの。統計数字の操作では騙しきれなくなっている。
しかし、すでにプロパガンダの実態は知られはじめ、暴力装置もロシア軍によって思惑通りには機能していない。カジノは新たな資金の流入がなければ破綻する。日本だけで支えられるものではない。すでにロシアや中国はドル決済をやめているようで、そうした流れが世界に広がる可能性は小さくない。こうした苦境をアメリカの好戦派は暴力を使って強行突破しようとしているが、それはアメリカへの反発を強めることになり、自らの首を絞めることになりそうだ。
アメリカは自分たちが圧倒的な力を持ち、誰も逆らえないといいう幻想を描くことで他国を威圧してきた。今回、中国が行った行為はそうした幻想を打ち砕くことを目的としているのかもしれない。アメリカは大したことがないと気づく国が増えたなら、その支配力は急速に弱まる。
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