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ヒトという悪は、地球上の生命を破壊するのだろうか?
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2016年8月22日 マスコミに載らない海外記事
Paul Craig Roberts
2016年8月17日
世界自然保護基金によれば、トラは世界中に、わずか3,890匹しかいないという。短期的利益のために、環境を破壊する搾取的資本主義のおかげで、トラの生息地は急速に消滅しつつある。環境破壊と、素晴らしい動物を殺すことが、男らしいとか、もうかるとか考えている連中による狩猟や密猟が、この美しい動物の急速な絶滅を引き起こしている。間もなく、トラは動物園展示だけになってしまうだろう。
同じことが、ライオン、チーター、ヒョウ、サイ、象、ボブキャット、狼、熊、鳥、チョウチョ、ミツバチにも起きている。ありとあらゆるものに。
我々が目にしているのは、美しい地球に所属しない、大悪魔に呪われた生命体、人類の無責任さだ。呪われた人類は、地球の居住適性を破壊する核戦争を始めることさえ可能だ。
神は、悪の虜になっている人類に、地球の管轄権を与えてしまった時、間違いをおかしたのだ。神は、動物に管轄権を与えるべきだったのだ。人類が動物に一体何をしたかを考えて頂きたい。例えば、「野生動物の擁護者」という団体が、現在、ヘラジカを殺りくするための、より多くの狩猟許可証を、州がハンターに販売できるよう、腐敗したアラスカ州が、狼やハイイログマを虐殺していると報じている。狼の群れや、ハイイログマに食べられるヘラジカも、ハンターに殺りくされるために存在しているわけではない。州は、狩猟許可証料収入を減らす捕食動物を全滅させているのだ。
ウズラ・ハンターたちは、より多くのウズラを撃てるよう、ボブキャットを殺して欲しいと思っている。ニューハンプシャー州魚類鳥獣部が、ボブキャットのために、狩猟と罠をしかける季節を設定することに決めたが、絶滅危惧種のオオヤマネコも、同じ罠にかかることが明らかになって、決定を覆さざるを得なかった。動物が絶滅の瀬戸際になって初めて、人は保護の価値があると考えるのだ。
殺りくと死は、ハンターだけでなく、アメリカ人にも受けるのだ。過去15年間に、7つの国々における、自国政府による、殺りくや、負傷や、何百万人ものイスラム教徒難民に心を痛めているアメリカ国民を一体何人ご存じだろう?
数年前に、アメリカ人が、相手を殺したり、殺されたりする目的で犬を喧嘩させる闘犬の常連に、NBAのスターがいたというスキャンダルがあった。アメリカ人は、雄鶏が殺したり、殺されたりする、闘鶏を楽しむ。イギリス人は、熊と犬が戦って死ぬのを楽しみ、熊と戦う特殊な犬を育てている。スペイン人は、闘牛、あるいは闘牛士の死を見るのを楽しみにしている。ローマのコロシアムでの血を流す競技は、大いに人類の一環だ。
酷い育てられ方をした少年たちは、犬や猫の尻尾にカンを結びつけ、驚いた動物が走るの見て笑うが、こうした動物は車にはねられて死ぬことが多い。
私は、時々友人と射撃練習場に行って紙の標的を撃つことがある。ある時、超強力な銃の爆音で、我々の集中力が乱された。射撃するたびに、彼はひるんでいた。練習するには、それほど強力ではない銃を使った方が良いと、私は助言した。
実は、彼の息子がアフリカに行き、ライオンを殺すのに、25,000ドル払ったのだと彼は言った。息子が父親に自分の功績に応えるよう圧力をかけ、父親は、0.375 H&Hマグナム弾を撃つ度に、肩にあざをふやすというわけだ。彼は引き金を引くたびに縮みあがるようになり、彼の狙いは、撃つたびに、益々外れてゆくのだった。
ライフルで照準を合わせられるようになりたいのだと彼は言った。我々自身が目と手の連動に集中できるようにするため、私はお手伝いすようと言った。我々の不満そうな表情を見て、本当は、ライオンを撃ちたくはないが、友人連中と息子が狩猟文化にはまって、動物を殺すのは、男らしさの証明だと言うのだと口走った。彼らに受け入れてもらうためには、そうするしかないと彼は思ったのだ。
そして彼は、偉大なライオン・ハンターが危険な動物を殺す方法を説明してくれた。
最初に、カバを撃つのだと彼は言った。そこで、死んだ動物の一部を、わずか55メートル先のライオンのように大きな動物を撃つための自分のライフル銃を背負って上がれない場合でも銃が置いてある、高さ6メートルの足場から、わずか18メートルの所に餌として、つり下げるのだ。そして、もし撃ち損ねれば、グレート・ホワイト・ハンター・ガイドが撃ち、あなたは危険な野獣に勝利したのだと主張できるというわけだ。
このエセ狩りシナリオに参加するのに余り気乗りがしないようですねと私は言った。彼は気乗りはしなかったが、25,000ドル支払ってしまったと言った。旅行をキャンセルし、25,000ドルは卑劣な殺りくに参加する恥を避けるための費用だと考えるように私は助言した。
象は素晴らしい生き物だ。象の知性は、多くのヒトよりも高く、もし殺害されなければ、象の寿命は、ヒトの寿命より長い可能性がある。それなのに、象は驚くべき率で殺害されつつある。ニック・ブラントは写真集「Across The Ravaged Land」で、東アフリカの動物の消滅を記録している。
かつては強力だったが、現在は弱体で、アメリカ政府の言いなりになっているイギリス新聞ガーディアンは、2014年に、20,000匹のアフリカ象が密猟者によって殺されたと報じている。東アフリカと、中央アフリカ中での同じ惨害で、タンザニアとモザンビークは、象の数の半分を失った。
象の絶滅に直面して、欧州連合は一体何をしただろう? EUは、象牙取り引き禁止を拒否したのだ! 禁止は、資本家連中の利益を妨げかねない。
自由市場イデオローグが理論をでっちあげた 動物を救う方法は、動物の殺害が儲かるようにすることだというのだ。そこで、人はハンターに殺されるために動物を育てるのだ。言い換えれば、動物は、人が動物を殺す喜びのためにのみ存在する。https://www.theguardian.com/environment/2016/jul/06/african-wildlife-officials-appalled-as-eu-opposes-a-total-ban-on-ivory-trade
我々が押しつけられているのは、もはや文明などではなく、地球上のあらゆる生命に対する実存的脅威たる“欧米文明”だ。オバマは、一兆ドルのアメリカ核兵器近代化計画を発表した。http://billmoyers.com/story/the-trillion-dollar-question-the-media-have-neglected-to-ask-presidential-candidates/ 死のために使われるこの膨大な金額は、そうではなく、生のために使うことも可能なはずだ。これは、多数の大きな良く保護された野生生物保護区域に資金を提供するに十分な金額だ。
核兵器が代表する悪は、地球上の生命の存在継続とは相いれない。他国に対する覇権への欲望で狂ったアメリカ政府は、無責任に、核大国間戦争を招こうとしている。世界の指導者の中で、プーチンだけが、アメリカ政府が、全員にとって見込みのない進路をとっていると警告している。
あらゆる事実にもかかわらず、だまされているアメリカ国民は、いまだに、自らを、地球上で最も善良な地の塩、“例外的な国民”“必要欠くべからざる国民”だと思い込んでいる。もしこの妄想が治療できなければ、人間は地球を殺りくするだろう。
Paul Craig Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Order.が購入可能。
記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2016/08/17/will-human-evil-destroy-life-on-earth-paul-craig-roberts/
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