http://www.asyura2.com/16/kokusai14/msg/681.html
Tweet |
欧州で暴力が常態化か、苦悩する当局
独ミュンヘンで銃乱射、仏ニースでトラック突入――
銃撃事件のあったミュンヘンのショッピングセンターで悼む人たち(24日) PHOTO: REUTERS
By JULIAN E. BARNES AND MATTHEW DALTON
2016 年 7 月 25 日 09:30 JST 更新
まずフランス・ニースで大型トラックによる虐殺、次いでドイツの列車内で斧(おの)による攻撃、そして今度は同じドイツのミュンヘンで銃の乱射事件だ。わずか2週間足らずの間に、西欧の人々の日常生活は派手な無差別暴力によって乱されてきた。
攻撃の動機と状況はそれぞれ異なっているが、一連の暴力事件を受けて、欧州ではテロの常態化を覚悟しなければならなくなったのではないかと地元当局者たちは考えている。
24日には、暴力事件のリストにもう1件加わった。ドイツ南西部でシリア人の難民申請者(21)が女性をなたで襲い、死亡させたのだ。警察は容疑者を逮捕したが、テロ集団との関連は不明としている。
先週末22日のミュンヘンでの銃乱射は、アリ・ダビド・ソンボリ(18)容疑者による犯行だった。彼は精神疾患で治療を受けていたとみられている。容疑者は大量殺人犯に興味を示していたとされる。ちょうど5年前の2011年7月22日にノルウェーで77人を銃で殺害した右翼テロリスト、ブレイビク被告も興味の対象だったという。
ミュンヘン銃乱射事件は、過激派組織「イスラム国(IS)」が過去1年間で指示あるいは扇動した欧州の一連のテロ攻撃とは異なるだろう。ISは、パリやブリュッセルでの銃乱射による大量虐殺事件を指揮し、ニースでの大型トラックによる攻撃を扇動したと捜査当局はみている。いずれも極めて残虐な形態のテロで、市民を無差別に狙い、できる限り多くの人々の殺害を目標としている。
関連記事
なぜフランスばかり過激派に狙われるのか
仏ニースのトラック突入、テロ対策の難しさ露呈
【社説】トルコ空港テロの教訓
こうした一連の事件は、1970年代や80年代のテロ攻撃とは性質が異なる。当時はイタリアの「赤い旅団」や英領北アイルランドのアイルランド共和軍(IRA)、ドイツの「ドイツ赤軍」、スペイン・バスク地方の分離独立を目指す「バスク祖国と自由(ETA)」)といった武装集団がそれぞれ政治目標を掲げて多数の人々を殺害した。
ところが今は暴力自体が目標と化していると、ロンドンのシンクタンク英王立防衛安全保障研究所(RUSI)の治安問題専門家ラファエロ・パントゥッチ氏は言う。
「彼らが飛行機をハイジャックしていたころは、投獄されている同志の一部を飛行機の乗客と交換することが目的だった」とパントゥッチ氏は語る。「今や、自分たちが殺害した人数を示すことで主張している」
専門家たちは、人目を引く攻撃の映像が、他の攻撃をあおる結果になると懸念している。
ベルギー・ゲント大学のブリス・ド・リュイベ教授(犯罪学)は、病的な殺人願望者はこうした事件の暴力や攻撃性を学習し、より大規模な暴力行為に駆り立てられる恐れがあると述べている。「この社会に生きるわれわれすべてにとってとりわけ恐怖であるのは、2、3年前には可能とみなされなかったことも可能になっていることだ」と同教授は話す。
治安当局者たちは、欧州や米国における最近の一連の攻撃は、情報収集を強化することや、精神面の健康問題を抱える潜在的に危険な人々の監視が重要であることを示していると述べた。
テロリストと精神的に病んだ人、2つの脅威
ある欧州駐在の米当局者は「われわれは恐怖の中に生きている。テロリストからの恐怖と、精神的に病んだ人々からの恐怖だ」と述べる。「問題は2つあり、双方に集中して対処しなければならない」
欧州治安当局者らによれば、情報収集の強化はテロリスト網を突き止めるのに効果的だが、一匹オオカミ的なテロリストの発見にはそれほど役立たない。警察や情報当局に知られていない何者かが無防備の標的を狙っている場合、その攻撃を予見し阻止する方法はないという。今月、欧州で攻撃を受けたようなソフトターゲット(防備が難しい標的)の防備を強化するには、武装警察官や検問、そして障害物の配備強化が必要になる。いずれも欧州治安当局があまり積極的でなかった対策だ。
ジハ-ディスト(聖戦主義)集団だけでなく右翼過激主義者たちからの脅威が大きくなっていることで、欧州の情報機関や警察当局の手が回らなくなっていることは間違いない。欧州連合(EU)の警察機関である欧州刑事警察機構(ユーロポール)は先週発表した報告によると、昨年は欧州でイスラム原理主義の過激分子の逮捕が急増しただけでなく、民族的ナショナリスト集団につながりのあるテロ容疑者の逮捕が増加した。
ある欧州治安当局者は「あらゆる人が過激化する傾向にある。これをどうやって阻止できるのか分からない」と語った。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjIoO6D3o3OAhUEJpQKHcjMBNgQFggeMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11625300680616714172704582209781801404706&usg=AFQjCNHX1h3BpwWz9POLgejtlil3xX5Xgw
Column | 2016年 07月 25日 10:58 JST 関連トピックス: トップニュース
コラム:恐怖を利用するトランプ氏、かすむ経済公約
Gina Chon
[クリーブランド 22日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米オハイオ州クリーブランドで開かれた共和党全国大会で正式に大統領候補指名を受諾したドナルド・トランプ氏。彼の、恐怖を利用した手法は有権者の共感を得るかもしれない。
同氏や投資家のピーター・シール氏といった演説者は世界の恐ろしい現状を訴えた。国内外で頻発する暴力に注目が集まるなか、法や秩序を強力に訴える彼らの主張は受け入れられやすくなっている。
米国経済に対するトランプ氏の陰うつな描写は、事実を取捨選択した結果だ。2008年の金融危機以降の回復状況は、緩慢ながらも持続している。失業率は09年終盤に付けた10%のピークから半減した。トランプ氏はアフリカ系米国人の若者の58%が失業していると指摘。一方、労働省によると、16─19歳の黒人の失業率は31%だ。それにもかかわらず、同氏のメッセージはグローバリゼーションの恩恵を受けていないと感じているブルーカラー(肉体労働者)の共感を得ている。
おそらく経済の現状がこのように複雑なためだろう、トランプ氏は治安にフォーカスしている。6月にはフロリダ州オーランドの同性愛者向けナイトクラブで49人が死亡した乱射事件が発生。6月のCNN─ORCによる世論調査では、米国人の71%が近い将来にテロ攻撃が起きる可能性があると考えており、この割合は2003年以来で最高の水準となった。
トランプ氏は積極的にこうした恐怖を利用している。最近の警察官殺害事件を取り上げたり、仏ニースのトラック突入事件について「男性、女性、子どもら」が「無残になぎ倒された」と表現したりしている。
同氏は「われわれの国を悩ましている犯罪や暴力は、間もなく終息する」と約束。「(本選で勝利すれば大統領に就任する)2017年1月20日から安全な状態が回復する」としている。連邦捜査局(FBI)によると、2015年の暴力犯罪は前年比1.7%増だった。
前出のシール氏はトランプ氏の指名受諾演説の前座を務め、現政権は「壊れている」と指摘。「われわれの核基地はいまだにフロッピーディスクを使っている。こんなことはシリコンバレーでは受け入れられない」と述べた。シール氏は早い段階でフェイスブック(FB.O)に投資したほか、オンライン決済サービスを手掛けるペイパル(PYPL.O)の創業者として知られる。
トランプ氏は、オハイオ州などの主要な激戦州で民主党候補指名が確定したヒラリー・クリントン前国務長官にやや後れを取っているが、クリントン氏の支持者は6月にテレビ広告に2000万ドル超も費やしていた。トランプ氏は既に自身のポピュリズムに磨きをかけている。彼のメッセージが多くの共感を得ることになれば、本選で経済が争点となる可能性は大きく低下するだろう。
*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
http://jp.reuters.com/article/column-trump-fear-mongering-idJPKCN105045
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。