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大口献金者がトランプ氏敬遠 「反ユダヤ」批判で
トランプ氏は「反ユダヤ的」との批判を受けて削除したツイッターのコメントについて「そのままにしておくべきだった」と発言した（英語音声のみ） Photo: AP
By REBECCA BALLHAUS AND BETH REINHARD
2016 年 7 月 11 日 11:38 JST
米大統領選で共和党の候補指名を確定させたドナルド・トランプ氏が、自らの陣営が行った反ユダヤ的とされるツイートについて謝罪するのを拒んでいることから、ユダヤ人を中心に共和党の大口献金者の間で同氏への献金に二の足を踏む動きが強まっている。こうした献金者はまた、トランプ氏がイラクのフセイン元大統領についてテロリストを殺害したと賛美するような発言をしたことも非難している。
「共和党ユダヤ人連合（RJC）」の理事を長らく務めているプライベートエクイティー会社の副会長ウォルター・スターン氏は、トランプ氏に献金するかどうかまだ決めておらず、「彼が立派な政治家になるのを待っているが、現在のところそうなっていない」と語った。
スターン氏は、トランプ氏がフセイン元大統領を「悪党だがテロリストを殺害に腕をふるった」と述べたことについて、「まったく間違いであり、不適切だ」と不快感を表明した。フセイン元大統領は、イスラエルを標的にしたテロ・グループなどを自国内に保護した事実がある。トランプ陣営の広報担当者は、「トランプ氏は憎悪をかきたてるメッセージを一貫して否定している」とし、「同氏はイスラエルとユダヤ人社会の熱烈な支持者だ」と強調した。
トランプ氏は、大統領選の予備選はほぼ自己資金で賄ったが、本選に向けてここ１カ月間資金集めを加速させており、自分の選挙のために2000万ドル（約20億2000万円）、共和党のために3200万ドルの政治資金を調達している。しかし民主党候補となるのが確実なヒラリー・クリントン前国務長官には大きく後れを取っている。クリントン氏は6月に自らのために4000万ドル、民主党のために3000万ドル弱を集めている。
ウォール・ストリート・ジャーナル（WSJ）の調べによると、2012年の前回大統領選では、RJC理事らは共和党指名候補のミット・ロムニー元マサチューセッツ州知事の陣営に少なくとも1650万ドルを献金した。今回、こうした理事は5月末までにトランプ氏に5400ドルしか献金していない。
トランプ氏の陣営は7月初め、クリントン氏のポートレートの背景に大量の札束を配置した合成写真をツイッターに投稿した。コメントには「今までで最も腐敗した候補」の説明を入れ、文の横に6角形の星を付けた。6角形の星がユダヤ民族の象徴とされるダビデの星のように見えたことから、6角形の星と札束を並べて置いたことが反ユダヤ的との批判をソーシャルメディアで招き、同陣営はこのツイートを削除した。ただトランプ氏や同氏の陣営は、6角形の星は法執行機関のバッジによく使われているとして、批判は当たらないと謝罪を拒否している。
トランプ氏の大口献金者の一人、カジノ経営者のシェルドン・アデルソン氏
RJCの理事の中には、共和党全国委員会（RNC）のルイス・アイゼンバーグ財務委員長やカジノ経営者で億万長者のシェルドン・アデルソン氏など、トランプ氏の大口献金者も何人かいる。トランプ氏を支援しているニューヨークの経済人イブ・スティグリッツ氏は、ツイートは「悪趣味」だとしながらも、彼がどういう人物か分かるようになれば、ユダヤ人の間の人気は高まっていくだろうと期待を示す。
トランプ氏は、6日にオハイオ州シンシナティで行った自らの集会で、6角形の星付きのツイートの削除が自身の指示によるものではないことを示唆した。その上で、「削除は残念だ。そのままにしておくべきだった」とし、ツイートで傷付いた人がいるとすれば、それは「病人だ」と述べた。このツイートに対しては、ポール・ライアン下院議長（共和）も反ユダヤ的だとして批判した。
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トランプ氏の副大統領候補のひとり、中絶を支持
マイケル・フリン前DIA長官、党の大半との立場対立
ドナルド・トランプ氏の副大統領候補として名前が挙がっているマイケル・フリン退役陸軍中将
By BYRON TAU
2016 年 7 月 11 日 11:31 JST
【ワシントン】米大統領選で共和党候補の指名を確実にしているドナルド・トランプ氏の副大統領候補として名前が挙がっているマイケル・フリン退役陸軍中将は10日、中絶の権利を支持する考えを示した。議論が対立するこの問題でフリン氏が自身の立場を示したことで、中絶に反対する大半の共和党議員との立場の違いが鮮明になった。
民主党に登録しているフリン氏はオバマ政権で国防情報局（DIA）の長官を務めていた。同氏はABCニュースのインタビューで「（女性は）選択できなければならない」とし、「決断しなければならないのは彼女たちだ。子供を育てるかどうかを決める彼女たちだからだ」と述べた。
フリン氏はトランプ氏のランニングメート（副大統領候補）として検討されていると伝えられている。しかし、中絶の権利を支持する立場を表明したことで、共和党の副大統領候補として指名されるかどうかは微妙になりそうだ。
トランプ氏は今回の選挙運動を通じ、中絶に反対してきた。だが、過去には、中絶の権利を支持したこともある。
トランプ陣営の広報担当者からはコメントが得られなかった。
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