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ロンドン金融街シティー代表 離脱影響説明で訪日へ
7月5日 5時31分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160705/k10010583601000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_020
ロンドンにある世界的な金融センター、シティーの代表であるエバンズ市長はNHKのインタビューに応じ、イギリスのEU=ヨーロッパ連合からの離脱がシティーに与える影響を説明するため、来週日本を訪れて金融機関や企業のトップらと面談することを明らかにしました。
ロンドンにある金融街、シティーは世界的な金融センターとして知られていますが、イギリスのEUからの離脱が決まったことで一部の金融機関が拠点の移転を検討するなど、動揺が広がっています。
こうしたなか、シティーの代表であるエバンズ市長が、NHKのインタビューに応じました。この中でエバンズ市長は、EUからの離脱がシティーに与える影響について、「不確実性はあるが、シティーは今後も世界をリードする金融センターとしての地位を維持していくつもりだ」と述べました。また、「シティーにはあらゆる分野の専門家がいる。金融取り引きやビジネスがほかの都市に移転するのは容易ではない」と述べ、競争力の維持は可能だという認識を示しました。そのうえで、エバンズ市長は、EUからの離脱の影響を説明するため、来週日本を訪れ、金融機関や企業のトップらと面談することを明らかにしました。
今回の日本訪問は、シティーのトップが金融機関などに直接、良好なビジネス環境の提供を保証することで、海外の金融機関で広がる懸念を払拭(ふっしょく)するねらいがあり、日本のほか、韓国と台湾も訪問するとしています。
金融機関の移転検討 相次ぐ
世界有数の金融センター、シティーを抱えるロンドンには、およそ250に上る外国の金融機関が拠点を置いています。これまで、イギリスに拠点を置けばEU=ヨーロッパ連合のほかの加盟国でも自由にビジネスをすることができたため、ロンドンはヨーロッパで金融ビジネスを展開する窓口と位置づけられてきました。
しかし、イギリスが国民投票でEUからの離脱を決めたことを受け、EU加盟国でのビジネスが制限されるおそれが浮上。一部の大手金融機関は、ロンドンにある拠点をドイツのフランクフルトやフランスのパリなどに移転するかどうか、検討を始めています。
このうち、アメリカ最大手の金融機関JPモルガン・チェースはCEOが全従業員に宛てたメールの中で、「数か月のうちにヨーロッパ法人の組織体制や所在地を変更する必要があるかもしれない」とし、ヨーロッパでの組織体制を見直す可能性を明らかにしました。
また、イギリスの大手金融機関、HSBCはロンドンの拠点に勤務する従業員1000人をパリに移すことを検討しています。
さらに欧米のメディアは、アメリカの大手金融機関、モルガンスタンレーがヨーロッパのほかの都市への移転を検討する作業グループを設置したと伝えているほか、イギリスの大手銀行、バークレイズが移転先の候補地として、アイルランドの首都、ダブリンを調査していると伝えています。
シティーは、海外からの投資を呼び込むことで成長してきただけに、金融機関の撤退やビジネスの縮小が相次いだ場合には、大きな打撃を受けると懸念されています。
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