http://www.asyura2.com/16/kokusai14/msg/481.html
Tweet |
米白人中年の死亡率上昇−薬剤・自殺増える「絶望による死」を防ぐのは「希望による解決」
米国では白人中年の鎮痛剤過剰摂取や自殺による死亡率が上昇している。教育や社会保障制度の見直しを迫られる可能性も(写真はノースカロライナ州アシュビルのクリニックでナロキソンが処 PHOTO: ANDY MCMILLAN FOR THE WALL STREET JOURNAL
By
JANET ADAMY
2016 年 7 月 5 日 13:59 JST
米国で白人中年の死亡率が上昇している。著名なエコノミストらはこれを踏まえ、米国の政策立案者は社会的セーフティーネットの再考を強いられるだろうと警鐘を鳴らしている。
米ブルッキングス研究所のハミルトン・プロジェクトの研究によると、45歳から54歳までの白人の死因のうち、オピオイド(鎮痛剤)過剰摂取、自殺、慢性肝疾患の割合が増えている。
10万人あたりの死亡数をみると、黒人やヒスパニック系の中年はここ数年、一貫して減少傾向にあるのに対し、同じ年齢層の白人では1999年から2014年の間に約10%増加した。
この年齢層の白人は製造業の雇用喪失による大きな打撃を受けてきた。所得の減少と死亡年齢の低下に関連性があることを示す研究も数多くあり、死亡率が高まっているという事実ともこうした現象は相関している。
エコノミストは従来の公衆衛生問題のように見えるものが、実はとても厄介なのだと警告している。解決のためには、早期幼児教育から社会保障関連の連邦予算配分にいたるまで、あらゆる問題について再考が求められるという。
2015年にノーベル経済学賞を受賞したプリンストン大学のアンガス・ディートン教授は6月29日、ブルッキングス研究所に集まった聴衆に向かって、「ここは死ななくてもいい人たちが死んでいる世界だ」と話した。
同じくプリンストン大学の経済学者でこの問題を広範囲に研究しているアン・ケース教授は、こうした非偶発的死亡例が増えている現象を「絶望による死」と呼んでいる。
ケース教授は「高卒以下の男女がうちのめされている」と指摘。患者たちは以前よりも強い苦痛を訴えているほか、強い苦痛を訴える人たちはそうでない人たちよりも社会的な孤立感も強い。
研究者たちを困惑させているのは、この現象が米国に限られていることだ。欧州の経済的な困窮は死亡率に同じような影響を与えていない。
死亡率の差がもたらす結果の一つは、裕福層は年金給付の受け取り開始を遅らせる余裕があるため、社会保障費の恩恵を大いに享受しているということだ。その一方で、あまり裕福ではない層は給付を遅らせる余裕はなく、給付額は小さく、しかもその恩恵を得るほど長くは生きない。
ブルッキングス研究所のシニアフェロー、ゲリー・バートレス氏は「彼らは、より裕福な同胞たちと異なり、寿命の伸びから得られる恩恵を得ていない」と指摘する。米国は低所得者への給付金をより多く確保するよう、仕組みの見直しを迫られることになりそうだ。
ロバート・ウッド・ジョンソン基金でエグゼクティブ・バイスプレジデントを務める小児科医のジェームズ・マークス氏は、死亡率を低下させるには幼稚園前の教育プログラムや低所得層の母親を対象にした看護師の訪問といった、幼児への投資に充てる資金を増やすことから始めるのが重要だと指摘する。「絶望による死」は人生の早い段階での「希望による解決」が必要だとマークス氏は話した。
関連記事
• 米国で白人中年の死亡率上昇、依存症など要因
• 米白人の平均寿命が低下、黒人男性は延びる
• 米国で自殺率増加、1999〜2014年で24%上昇
• 米高卒「ニート率」、男性の苦悩際立つ
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwiv9e_IzdvNAhUFmpQKHfbPAskQFggeMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11860788629023424577004582170042300637450&usg=AFQjCNGd6vyX3JpupV8ewP3ftLBAKdMH_w
米国で白人中年の死亡率上昇、依存症など要因
米国で白人中年の死亡率が上昇していることが明らかに(ビデオは英語のみ) Photo: AP
By
BETSY MCKAY
2015 年 11 月 4 日 15:15 JST
米国で白人中年の死亡率が上昇していることが、新たに発表された研究論文で明らかになった。アルコールなどへの依存症とメンタルヘルスの問題が、何十年にもわたる長寿化の流れを後退させていることがうかがえる。
米国科学アカデミー紀要(PNAS)に2日掲載された論文によると、1999〜2013年の期間では、主として自殺やアルコール依存、薬物中毒、そして慢性肝疾患が死亡率を押し上げた。これらの死因が、肺がんなど他の要因による中年の死亡減少を相殺したという。
ジョージア州立大学公衆衛生大学院のマイケル・エ人リクセン氏は、この論文が公衆衛生に関する研究の優先順位を「一変させることになる」と予測。「薬物乱用とアルコール依存症は人々が認識している以上に人命を奪っている」と述べた。同氏はこの研究には関わっていない。
論文は米プリンストン大学のアン・ケース教授とアンガス・ディートン教授が執筆。ディートン教授は今年ノーベル経済学賞を受賞した。教授らによると、同様の「逆転傾向」が見られる先進国は他にない。また、白人中年の死亡率上昇は、同期間の黒人およびヒスパニック系の死亡率低下にも反する動きだ。
死亡率の上昇は主に、45〜54歳の高卒以上の学歴を持たない男女で見受けられた。ただ、上記のような要因による死亡率は、より高度な教育を受けた白人中年や、他の年齢層の白人でも上昇していたという。この研究では死亡率を、各年齢群の10万人当たりの死者数と定義した。
ケース、ディートンの両教授によると、45〜54歳の白人の死亡率は1999年から2013年までに年率0.5%上昇した。1978年から98年までは、平均で年率2%低下していた。両教授は、死亡率がこの調子で低下し続けていたら、1999年から2013年の間に48万8500人の死亡が回避できていたと推計した。この研究は、米疾病対策センター(CDC)のデータなどの情報を基にしている。
この間、ヒスパニック系米国人の死亡率は年平均で1.8%低下、黒人は年2.6%低下した。ただ、この年齢層の黒人の死亡率は依然として白人を上回っている。
両教授は、黒人と白人の平均余命の差が縮まった主な理由は、おおむね白人の死亡率の上昇にあると指摘した。
シンクタンクのランド研究所で労働市場と人口動態に関する研究を専門としているジェームズ・スミス氏は、これが「転機となる研究」だと述べ、「事態がこれほど急速にこれほど悪化しているとは思わなかった」と付け加えた。
両教授は、この年齢層の白人の健康状態が、メディケア(高齢者向け医療保険制度)の対象になるまでに、現在の高齢者に比べて悪くなっている可能性があると警告した。
両教授と他の専門家は、白人中年がなぜ他の層より影響を受けている理由は完全には明らかでなく、さらなる研究が必要だと指摘している。
両教授は、CDCの健康調査データを通じ、中年白人からメンタルヘルスの問題や、日常生活で困難に直面しているとの報告が増えていることを突き止めた。メンタルヘルスおよび筋骨格系の問題の報告が増えていることは、「米国人、とりわけ女性の労働参加率の不可思議な減少の理由の一部を説明するかもしれない」という。労働統計局によると、労働参加率は2007年以降低下している。
論文はまた、経済的なストレスが白人中年による薬物乱用に影響している可能性があるとも指摘している。ケース教授によると、高卒の白人の家計所得の中央値(実質ベース)は1990年代終盤から減少し続けているという。
ディートン教授は、格差に関する議論では、所得とともに健康と幸福の度合いも測るべきだと述べ、「所得だけを見るべきでない」と指摘している。
関連記事
• 米の鎮痛剤乱用、知っておくべき5つのこと
• 脳内ドーパミン正常化でアルコール依存の軽減可能 論文
• メンタルヘルスの治療はキッチンで−体重にはご注意
• 米高齢者に増える処方薬依存―うつや注意力散漫、けがにも
• 銃による死亡率が最も高い米10州
http://jp.wsj.com/articles/SB12055383950015144394104581334663298544334
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。