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アングル:スコットランド、EU残留へ「奇策」も浮上
[ブリュッセル/エジンバラ 3日 ロイター] - 英国が国民投票で欧州連合(EU)離脱を選択したにもかかわらず、北部スコットランドは連合王国(UK)を解体せずに、何とか実質的にEUに残りたがっている。その願いはかなうのだろうか。
先週、スコットランド行政府のスタージョン首相がブリュッセルを訪問した際には、この問題でさまざまな議論が行われた。スタージョン氏はあらゆる可能性を排除しないと強調し、英国がEU離脱交渉に乗り出す際にはスコットランドのためにすべての選択肢を検討してくれるよう望むだけだと訴えた。
同氏とEU委員や欧州議会の議員らの話し合いに参加した複数の関係者によると、EU加盟国のいくつかで一部地域だけ域外にとどまっているケースがあることも論じられた。例えばデンマークはEU加盟国だが、グリーンランド自治政府はEUの一員ではない。それを敷衍する形で、いわば「逆グリーンランド型」と呼べる選択肢が話題に上った。つまり連合王国の中でスコットランドだけはEUに加盟するという構想だ。
当局者や専門家は、「逆グリーンランド型」のシナリオに従って、スコットランド行政府がEUに持っていた英国の席を引き継ぎながら連合王国を形成し続ける展開は、極端過ぎて現実味は極めて乏しいとみなしている。
複数のEU高官は、EU残留を望むスコットランドの立場に同情はしているものの、スタージョン氏との会談内容は頭の体操の域を出るものではなかったと語った。
EU欧州委員会の報道担当者は公式には「スコットランドは英国の一部で、英国全ての地域が一体となって望む方向を見出すべきだ」とコメントし、スコットランドとEUの関係をめぐるさまざまな選択肢については「憶測」だと一蹴した。
それでもスタージョン氏は、英国抜きでEU首脳が将来を話し合ったまさにその日にブリュッセルを訪れたことで、英国とEUの交渉にスコットランドも加わるのだという自らの固い決意を各首脳に示すことができた。
一方でスタージョン氏は、スコットランド独立要求のカードを切るのは手控えた。
関係者の1人は「彼女が英国を去る口実に国民投票を使わず、独立を前面に押し立てなかったのは賢明だった。EUがそうした主張を聞きたくないのだから」と話した。
教育や研究などスコットランドが強みを持ち、経済的な利益も大きい面でEUとの密接なつながりを維持するという意味では、「逆グリーンランド型」などよりもずっと無難な方法で達成できるかもしれない。穏当なやり方なら、他のEU加盟国の承認もはるかに得やすくなる。
かつてEU司法裁判所で英国選出の判事を務めたデービッド・エドワード氏は、「逆グリーンランド型」構想についてまったく馬鹿げていると切り捨てた。同氏は現在、EU離脱決定を受けてスタージョン氏が今後の方針を検討するための設置した諮問委員会メンバーとなっている。
この構想に沿えばグリーンランドの役回りをスコットランドが、デンマークをイングランドが演じることになるとはいえ、スコットランドの人口はグリーンランドの100倍で、イングランドはそのまた10倍に上る。また「逆グリーンランド」と言われるような、本国がEU非加盟で自治政府が加盟という前例もない。
ただエドワード氏は、スコットランド行政府は移譲された権限の範囲内でEUとの新たな関係を築けると主張。例えば学生交流を目的としたEUの「エラスムス計画」などに参加してしまえば良いと提言する。
また同じ諮問委員会メンバーで欧州議員のアライン・スミス氏によると、同委員会はEUがこれまで締結してきたあらゆる地域協定をリストアップした。この中にはカリブ海の仏領や英領チャネル諸島などに適用されているものなどがある。スコットランドとEUの関係に照らし合わせると、非常に似ているとまで言えないが最も近いのはフィンランドにあるスウェーデン語圏自治領のオーランド諸島とEUの協定だという。
(Alastair Macdonald、Elisabeth O'Leary記者)
http://jp.reuters.com/article/britain-eu-scotland-greenland-idJPKCN0ZL0IG?sp=true
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