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70年の欧州統合を後退させるブレグジット 英国民の歴史的な決断、英国、EU、世界に波紋 Financial Times
http://www.asyura2.com/16/kokusai14/msg/406.html
投稿者 軽毛 日時 2016 年 6 月 28 日 14:49:01: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

70年の欧州統合を後退させるブレグジット
英国民の歴史的な決断、英国、EU、世界に波紋
2016.6.28(火) Financial Times
(英フィナンシャル・タイムズ紙 2016年6月25日付)

英国民投票、「EU離脱」が51.9% 最終結果
英ロンドン中心部の国会議事堂前にあるウィンストン・チャーチル元首相の像(2016年6月24日撮影)。(c)AFP/Niklas HALLE'N〔AFPBB News〕
 英国の有権者は欧州連合(EU)に歴史的な肘鉄砲を食らわせ、70年間の欧州統合を逆戻りさせ、ベルリンの壁崩壊以来最大となる存亡にかかわる難題をEUに突きつけた。

 どんな離婚も何年もの歳月がかかるが、これはすべてのEU首脳が恐れていた瞬間だった。連合を分裂させるだけでなく、西側諸国の戦後秩序を作り替える可能性も秘めた衝撃だ。ブレグジット(英国のEU離脱)はEUを結びつけている絆を引っ張り、加盟国の集団としての地位と影響力を揺さぶる。

 EUは追い詰められている。ひとたび英国が去ったら、EUは域内最大の軍事支出国を失うほか、国連安全保障理事会における席を1つ、域内第2の経済大国、そして世界貿易と自由経済を声高に擁護する国を失うことになる。

 ブレグジット支持派は、1973年の英国のEU加盟以前にさかのぼる外交上の同盟関係が持ちこたえ、ひとたびEUの足かせが外されたら、さらに繁栄すると確信している。だが、彼らの自信は英国外で広く共有されていなかった。すべての伝統的な同盟国は、例外なく英国に離脱しないよう要請した。

 バラク・オバマ米大統領は、英国のEU加盟はワシントンに「環大西洋同盟の強さについて、ずっと大きな自信を与える」と述べた。

 欧州理事会のドナルド・トゥスク議長(EU大統領)は「この瞬間が政治的にいかに深刻で、劇的でさえあるか十分認識している。特に英国にとって、この出来事の政治的な影響をすべて予想するすべはない」と語っている。

対内的な課題

 外交筋は、EUの継ぎ目を引っ張る国民投票の結果が、欧州がこの先も団結する意思があるかどうかを明らかにすると見ている。

 多くの欧州首脳は欧州に懐疑的な国民投票に対して「モア・ヨーロッパ」のメッセージで応じるべきではないと警告したが、彼らは伝染を食い止める方法を見つけなければならない。ポーランドのビトルド・バシュチコフスキ外相は24日、同国はEUにとどまることを望んでいる、「問題はどんな形かだ」と語った。

 トゥスク氏は、EU首脳に対し「我が連合の未来に関する幅広い熟慮を始める」よう提案すると述べた。

 行く手に大きく立ちはだかるのは、オランダのヘルト・ウィルダース氏からフランスの国民投票実施を求めるマリーヌ・ルペン氏に至るまで、極右の政治家がさらに勢力を伸ばす危険だ。

 フランスを筆頭とするEU諸国の強硬派グループは、ブレグジットは整然と、迅速に行われ、必然的に英国にとって高くつくものになるという断固たるメッセージを発信したいと考えている。

 欧州議会の中道右派会派を率いるマンフレード・ベーバー議員は「離脱交渉は最大でも2年以内に完了すべきだ」と述べた。

 ドイツのほかの政治家はもっと慎重で、市場の反応が国民投票の悪影響を明白にすることを期待している。アンゲラ・メルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)の古参メンバー、ノルベルト・レッテゲン氏は、ドイツにはEUの結束を保つ義務があるとし、「最も重要な目標は今、欧州の結束と一体性を確保することでなければならない」と述べた。

 メルケル氏とフランスのフランソワ・オランド大統領は、もしかしたら国境警備、防衛、安全保障に関する協力拡大の合図を送ることで、欧州プロジェクト内にまだエネルギーと目的が残っていることを示す計画だ。

対外的な影響

 ドイツのジグマール・ガブリエル副首相は、英国が離脱すれば、EUは世界の目に「本当の意味で頼りにできない大陸」のように映ることになると警告した。EU、英国双方とも、離別が必然的に自分たちのソフトパワーに打撃を与え、外の世界が両者を分裂した過去の勢力と見なすことを恐れている。

 ブレグジット派の有力者であるボリス・ジョンソン前ロンドン市長は、不安をあおるキャンペーンは、北大西洋条約機構(NATO)を軸に築かれた西側の秩序に対するリスクを甚だしく誇張していたとし、離脱は「ダイナミックでリベラル、コスモポリタンでオープン、グローバルで自由に貿易する豊かな英国」をもたらすと語った。

 だが、ブレグジット派は、それには時間がかかると認める。欧州は、エネルギーを奪い、指導者の頭をそれだけでいっぱいにする、何年も長引き、対立を招く厳しい離脱協議に直面する。「どうやって、これを世界に説明すればいいのか」と、あるEU大使は問いかける。

 極めて重要なEUの外交政策に関する決断については、外交官らは対ロシア制裁に関するもろい合意から、すでに衰えている貿易協定締結に対するEUの政治的意欲に至るまで、すべての問題に影響が出ていると見ている。

 長期的には、EUによって提供されている意思疎通の定期フォーラムがほかのものに取って代わられるのか、また、英国の離脱がEUの政治的展望を変えるのかどうかが問題になる。

 多くのことが米国にかかっている。ある米政府高官は、強いられない限りは、欧州が「自ら招いた惨事」を受けてワシントンが真剣に欧州大陸、そして英国への焦点と関心を倍加するとは思えないと語った。

 だが、重点には変化があるだろう。「これは米国人がドイツ人、フランス人と協力する傾向を加速させることになる」と、ある英政府高官は言う。「彼らには、あまり選択肢がない」

By Alex Barker in Brussels

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47199
 

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コメント
 
1. 2016年6月28日 14:57:26 : nJF6kGWndY : n7GottskVWw[1748]

>英国が離脱すれば、EUは世界の目に「本当の意味で頼りにできない大陸」のように映ることになる

いや、とっくの昔から、そう映っている

偉そうな批判ばかりで、現実に負担が来ると逃げる

日本ほどではないが、金もろくに払わず、安全保障をタダのりしているってねw


2. 2016年6月28日 14:59:29 : nJF6kGWndY : n7GottskVWw[1749]

日本ほどではないが=>日本ほど批判されてはいないが
(現実には、日本は大分払っている)

3. 2021年5月10日 22:28:25 : 6CsIPM8uBs : ZHJkOGM0b0tLR3c=[13] 報告
英分裂リスクじわり スコットランド議会選、独立派過半数
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR0900N0Z00C21A5000000/

欧州連合(EU)から離脱した英国で分裂のリスクが高まっている。英国を構成する4地域の一つであるスコットランドでは6日投票の地方議会選で分離独立を志向する勢力が合わせて議席の過半数に達した。英領北アイルランドではアイルランドとの統一論が勢いを増している。「連合王国」の結束の揺らぎは、国力のさらなる低下につながりかねない。

7〜8日に開票された英北部のスコットランド議会選では地域の独立を目指す与党スコットランド民族党(SNP)が全129議席のうち64議席を獲得した。過半数に1議席届かなかったが、改選前議席を3上回った。緑の党も8議席を獲得し、2党合わせた「独立派」は6増となった。

国政の与党でジョンソン首相が率いる保守党は第2党の座は守ったが、獲得したのはSNPの半分以下の31議席にとどまった。

議会選は6日投票の英統一地方選の一つとして行われた。2016年の英国のEU離脱を問う国民投票では英全体では離脱派が勝ったが、スコットランドでは62%が残留を選んだ。今回の選挙はEU離脱に反発する市民が独立志向を強めていることをうかがわせた。

スコットランド行政府(地方政府)首相でSNP党首のスタージョン氏は勝利が確定した直後の演説で「(独立を問う)住民投票の実施は民主主義の根幹に関わる問題」だと力説。分離独立を目指す姿勢をみせた。

SNPは新型コロナウイルス危機からの脱却を条件に、議会の5年の会期の前半での住民投票実施を公約している。だが正当な住民投票を実施するには、中央政府の承認が必要だ。

ジョンソン氏は7日、英紙テレグラフの取材に「人々が経済の回復を求めているときに、国を引き裂く論争を起こすべきではない」と語り、住民投票を認めない姿勢を明確にした。

スタージョン氏は投票に反対するジョンソン氏を「民主的な正当性は全くない」と強く批判するが、選挙期間中、政権が認めない非公式な住民投票を強行しない姿勢を明確にしている。一方でスコットランド議会で住民投票に関する法案を成立させたうえで、投票実施の是非を法廷闘争に持ち込む戦略も検討している。

英アバディーン大のキーティング教授は、独立派が過半数を得たとはいえ英国の裁判所が住民投票を認めるとは限らないと指摘する。一方で「政府側も14年に住民投票を行った前例があるのに、今回はなぜ拒否するのか。明確な説明を求められるだろう」と分析する。

前回の14年の住民投票では45%対55%で「独立」は敗れたが、足元での賛否は拮抗している。

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