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EU離脱問題ではからずあぶりだされた大英帝国の負の遺産
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23Jun2016 天木直人のブログ
EU離脱問題に対する英国民の意思がもうすぐ判明する。
しかし、その結果がどうであろうとも、今度のEU離脱騒動であぶりだされたひとつが、英国の負の遺産である。
英国の負の遺産とは何か。
それは、陽が沈むと所はないとまで豪語して世界中を植民地化した、大英帝国主義と言う負の遺産である。
植民地主義はいまでは決して認められない過去の大罪だ。
ところが英国にはまだそんな過去の栄光にしがみつく意識が国民の間に残っているらしい。
EU離脱派が唱えた理由の一つとして、英国がEUの決定に従うのは我慢ならないというのがあった。
まさしく大英帝国主義意識の名残だ。
そして、それは、単なる国民の中の意識にとどまらない。
エリザベス女王をいただく英連邦(The Commonwealth of Nations)、すなわち、イギリス帝国がその前身となって発足し、イギリスとその植民地であった独立の主権国家からなる、緩やかな連合(集合体・組織体)は今日でも残っている。
しかも、いまでも英国女王を元首としているのは英連邦54か国中16カ国もあり、その中には英国はもとより、カナダ、豪州、ニュージーランドというれっきとした民主主義国家が含まれているのだ。
そう思っていたら英国紙テレグラフ電子版が21日報じたという(6月23日朝日新聞)。
エリザベス女王が会食で同席する人に「英国がEUの一部であるべき理由を三つあげて」みてと求めたという。
これは明らかなEU離脱支持発言だ。
そして、いくら王室関係者がそれを否定しても、かつて大衆紙サンが3月に「女王はEU離脱を支持」と大々的に報じた前例まであるという。
無理もない。バッキンガム宮殿がいくら報道に抗議してみても、大英帝国の生き証人であるエリザベス女王がEU離脱を願うのは当然だ。
今度の英国民の国民投票は、英国民が過去の負の遺産から解き放たれて、真の民主国家となる事を選ぶかどうかの選択でもある、文字通り歴史的な国民投票なのかもしれない(了)
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