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トルコやイスラエル系団体の意向を無視してドイツ議会はオスマン帝国のアルメニア人虐殺を認める(櫻井ジャーナル)
http://www.asyura2.com/16/kokusai14/msg/142.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 6 月 03 日 17:18:15: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

トルコやイスラエル系団体の意向を無視してドイツ議会はオスマン帝国のアルメニア人虐殺を認める
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201606030000/
2016.06.03 16:30:13 櫻井ジャーナル


 ドイツ議会は6月2日、1915年から16年にかけてオスマン帝国がアルメニア人を虐殺したと認める決議を可決した。トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領からの圧力でアンゲラ・メルケル独首相は採決を約1年にわたって先送りしていたが、難民問題でトルコがEUを恐喝する中、実施したことが注目されている。


 オスマン帝国はアルメニア人を国外追放したり、強制収容所へ入れるなどし、約150万人が虐殺された、あるいは餓死を強いられたとも言われているのだが、トルコ側は大げさだとして虐殺を否定、ユダヤ系団体のブネイ・ブリス(ユダヤ人分化教育促進協会)、ADL(名誉毀損防止組合)、アメリカ・ユダヤ人委員会、JINSA(国家安全保障問題ユダヤ研究所)はトルコ側に同調してきた。今回の決議はシオニストの圧力を押し切って実施されたという側面もある。


 シオニストはイスラエルを第一と考える人びとだが、そのイスラエルで最も好戦的な政党であるリクードが同国で主導権を握ったのは1970年代だった。アメリカのキリスト教系カルト(原理主義者)と手を組んだことが大きい。現在のイスラエル首相、ベンヤミン・ネタニヤフもリクードだ。


 ベンヤミン・ネタニヤフの父親、ベンシオンはコーネル大学とヘブライ大学の名誉教授だったが、学生時代からゼエブ・ウラジミール・ジャボチンスキーの「修正主義シオニスト世界連合」で活動、後にジャボチンスキーの秘書になっている。その思想をベンヤミンは引き継ぎ、「大イスラエル」、つまり南はナイル川から北はユーフラテス川までをイスラエルの領土にすべきだと考えていると言われている。


 ネタニヤフの側近であるマイケル・オーレンは駐米大使時代の2013年9月、シリアのバシャール・アル・アサド体制よりアル・カイダの方がましだと語っているが、エルドアン政権やサウジアラビアのルマン・ビン・アブドルアジズ・アル・サウド国王、そしてアメリカのネオコンもアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュを使い、リビアに続いてシリアのアサド体制を倒そうとしている。


 トルコはシリアを侵略している戦闘集団の拠点で、トルコからシリアまで兵站線が伸びている。サウジアラビアは戦闘員を雇い、武器/兵器を供給、ロシア軍が介入するまでイスラエル軍は侵略軍を支援するためにシリア政府側を空爆してきた。トルコとイスラエルは侵略軍の負傷者を治療していることも知られている。


 そうした同盟者であるトルコとイスラエルだが、エルドアン大統領はオスマン帝国の復活を妄想していると言われ、「大イスラエル」構想とどのように折り合いをつけるのか不明だ。サウジアラビアの利権とも衝突する。


 ドイツ議会アルメニア人虐殺に関する決議をする直前、欧州委員会のジャン・クロード・ユンケル委員長のスポークスパーソンは5月30日にロシア訪問を発表、アメリカ政府を怒らせている。6月16日から18にかけて開かれるSPIEF(サンクトペテルブルグ国際経済フォーラム)に出席するというのだ。


 昨年6月のSPIEFにはギリシャのアレクシス・チプラス首相が参加、ウラジミル・プーチン露大統領から天然ガス輸送用のパイプライン、トルコ・ストリームの建設に絡んで50億ドルを前払いすると提案されたが、断ったと言われている。


 その3カ月前、3月17日にアメリカのビクトリア・ヌランド国務次官補がギリシャを訪問してアレクシス・チプラス首相と会談していた。友好的なものではなかっただろう。


 5月14日から16日にかけてヌランドはキエフを訪問してペトロ・ポロシェンコ大統領、アルセニー・ヤツェニュク首相、アルセン・アバコフ内務相、ボロディミール・グロイスマン最高会議議長らと会い、アメリカはウクライナの政府、主権、領土の統合を完全に確固として支持すると語ったと言われている。5月12日にキエフ入りし、ポロシェンコ大統領に対し、クリミアやドンバス(ドネツクやルガンスク/ナバロシエ)の奪還を目指す作戦を実行してはならないと言明したジョン・ケリー国務長官を無視しろと釘を刺すことが目的だったとされている。


 2014年2月23日にウクライナではネオ・ナチが前面に出たクーデターでビクトル・ヤヌコビッチ大統領が排除されたが、それを指揮していたひとりがヌランドであり、結婚相手はネオコンの大物として知られているロバート・ケーガン。ヒラリー・クリントンとも親しく、この関係を利用して共和党のヌランドが民主党政権で要職に就くことができたと見られている。


 ウクライナはロシアとEUを分断するための重要な国で、ズビグネフ・ブレジンスキーたちは重要視していた。実際、クーデター後にウクライナは天然ガスや石油の輸送を妨害している。トルコ・ストリームの建設計画はウクライナを迂回することが目的だった。だからこそ、アメリカはこの計画を許すことができなかったわけだ。このパイプラインに関しては、トルコにもNATOから追放するとアメリカ政府は脅したようだ。結局、このパイプライン建設は破談になった。


 こうしたアメリカの戦略はEUにとっても良くないのだが、買収や恫喝で操られている「エリート」はそうした戦略も受け入れていた。フランソワ・オランド仏大統領やアンゲラ・メルケル独首相もそうしたグループに属しているが、そうではない人たちもいる。親米派と見られているニコラ・サルコジ元仏大統領もロシアへ接近している。


 ドイツの自動車メーカー、フォルクスワーゲンは昨年9月4日からロシアでエンジンの生産を始め、ドイツはウクライナやシリアの問題でアメリカと一線を画そうとしていた。そのフォルクスワーゲンが排ガス規制を不正に回避するためのソフトウエアを一部の自動車に搭載させたとアメリカの環境保護局が発表したのは、その2週間後だ。


 フランスでは大手石油会社、トタルの会長兼CEOだったクリストフ・ド・マルジェリがアメリカに反発していたことは有名。2014年7月に彼は石油取引をドルで決済する必要がなく、ユーロの役割を高めれば良いと主張していた。モスクワ・ブヌコボ空港で事故死したのはその3カ月後、10月20日のことだ。


 アメリカの支配層が推進している新自由主義に反発するエリートもEUにはいる。例えば、IMFの専務理事だったフランス人のドミニク・ストロス-カーンは2011年4月、失業や不平等は不安定の種をまき、市場経済を蝕むことになりかねないとし、その不平等を弱め、より公正な機会や資源の分配を保証するべきだとブルッキングス研究所で演説した。さらに、進歩的な税制と結びついた強い社会的なセーフティ・ネットは市場が主導する不平等を和らげることができ、健康や教育への投資は決定的だと語っただけでなく、停滞する実質賃金などに関する団体交渉権も重要だとも発言している。そのストロス-カーンは2011年5月、アメリカ滞在中に冤罪で逮捕、起訴された。


 庶民の間ではエリートよりも反米感情は強く、その怒りの受け皿になっているのが一般に「右翼」と呼ばれているグループ。ただ、その中にはさまざまな種類の団体が存在、中にはアメリカにコントロールされている人びともいるだろうが、有力メディアから攻撃されている国民戦線のマリーヌ・ル・ペン党首は本当にフランスを自立させようとしている可能性が高い。


 「極右」というタグをつけられた集団を単純にナチスと同列に扱うべきではない。少なくともアドルフ・ヒトラー時代のナチスはドイツだけでなくアメリカの巨大資本から支えられていたわけで、実態を見る必要がある。ナチスが復活したなら、「民主主義」や「自由」を名乗るだろう。


 例えば、ウクライナのネオ・ナチを率いるアンドレイ・パルビーたちは1991年に自分たちの政党を創設した際、ナチスを思い起こさせるような「ウクライナ社会ナショナル党」という名称にしたが、後にスボボダ(自由)へ党名を変更している。アメリカ側の意向だったと言われている。


 昨年6月にロシア政府の提案を断ったギリシャ政府だが、今年の5月27日から28日にかけてプーチン露大統領はそのギリシャを訪問、歓待を受けた。この1年、ギリシャは巨大金融資本の食い物になる道を歩いてきたが、最近はトルコが仕掛けた難民問題への対応で四苦八苦の状態だ。アメリカが張り子の虎にすぎないことがわかってきたことも大きいかもしれない。


 ネオコンと一心同体の関係にあるリクードに対しても厳しい見方が出ている。例えば、1998年から2002年までモサド(イスラエルの情報機関)の長官と務めたエフライム・ハレビーはネタニヤフがアビグドル・リーバーマンを国防大臣にしたことについて、ネタニヤフ政権が終わるカウントダウンが始まったと分析している。


 現在、イスラエル系富豪やネオコンの活動家から最も支持されているアメリカの大統領候補はヒラリー・クリントンだが、電子メールの問題は根が深く、これから何が起こるかわからない。バーニー・サンダースとの差はなくなったと言われ、カリフォルニアの投票結果によってはジョー・バイデン副大統領が登場してくる可能性もないとは言えない。


 トルコ政府だけでなく、アメリカやイスラエルの支配層にとっても好ましくない決議をドイツが可決したのは示唆に富んでいる。


 

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コメント
 
1. 2016年6月03日 20:04:46 : 5kXzM0VeCM : o5hShrdSTAY[3]
ドイツのアリバイ作りに過ぎない。
ドイツは決して反省などしていない。
左派シオニストユダヤ人に過ぎないストロスカーンとサンダースを、
左派反シオニストユダヤ人に執拗に仕立て上げたいのかどうか知らないが、
トランプとクリントンの娘婿はシオニストユダヤ人で、
ストロスカーンとサンダースは左派シオニストユダヤ人で根源で大きな違いなどない。
左派反シオニストユダヤ人とされているフィンケルスタインとチョムスキーはイスラエルに帰還しようとした似非。
ただイスラエル帰還は拒否されたが。
支援したいならアツモンを支援しているほうがまだまし。

2. 茨城市民T[3] iO@P6Y5zlq9U 2016年6月03日 20:51:36 : BpjPc605eg : 8o2nTw_zEf0[1]
>トルコ政府だけでなく、アメリカやイスラエルの支配層にとっても好ましくない決議をドイツが可決したのは示唆に富んでいる。

〇妥当な解説だと思う
 同記事がイランのFARSの英語版でも見ることができるが、アルカイダなどのテログループを使い、シリアという国を戦場にしたアメリカ、関連しテロリストを支援したトルコ等の国、それらに異論を唱える国が西側から出てきたことは、これからの世界の変化を見るうえで興味深い。


3. 2016年6月03日 21:28:28 : 5kXzM0VeCM : o5hShrdSTAY[4]
>>2
ドイツのアリバイ作りに騙されているのか?
難民問題でもそうだがその場その場の場当たり的な格好を気にした対応を繰り返しているだけだろうに。

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