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サウド家の内部崩壊
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2016年4月19日 マスコミに載らない海外記事
Pepe ESCOBAR
2016年4月14日
パナマ文書心理作戦は、病んでいるサウジアラビアのサルマン王が、悪名高いオフショア不正利得者に“関係している”から“仲間”に到る非難を受けている一人であることを暴露した。
サウド家は、ロンドンの豪華な家や“フットボール競技場規模の豪華ヨット”用のローンで、少なくとも3400万ドル引き出すのに、英領ヴァージン諸島のぺーパーカンパニーを利用した。ところが欧米商業マスコミは、それを徹底的に無視している。全く予想できたことだ。サウド家の名士連中は、主要な欧米属国の間では重要だ。
現在、大きな断絶がある。今や、ロシアを越える世界第三位の兵器購入国の地位にありながら、サウド家は国内での緊縮策実施におおわらわなのだ。
サウド家が、ロシア、イランとアメリカのシェール石油産業に対する石油価格戦争を開始しただけでなく、益々悲惨になりつつある予算を補うため、少なくとも1兆ドルのアメリカ国債を、市場で必死に売り払っていたことを、今年早々私が暴露したので、“緊縮政策”というのはあま過ぎるかもしれない。
今や、30歳の、悲惨で、違法で、民間人巻き添え被害だらけのイエメン戦争の主要指揮者であるムハンマド・ビン・サルマン戦士王子によって、欧米の商業マスコミにみける大規模PR攻勢が行われている。若いサルマンは、主に、アラムコを部分的に私営化し、2兆ドルのファンドを作ることで、サウジアラビアを、もっぱら石油油井の役割から、部分的に脱出させようという彼の願望ゆえに自らをアラブのデビッド・ボウイ - 世界を変えた男として売り込んでいる。
特に、アメリカ、イギリスと、フランスにとって、サウジアラビアは有名な“主要同盟国”だ。サウジアラビアは、またしても有名な世界第二の石油埋蔵量があるだけでなく、ルーズベルトと、イブン・サウードが結んだ悪名高いギャング風の1945年の“保護”協定があるのだ。サウド家こそが、オイルダラー頼みの綱だ。しかも過去数年間、サウド家は、常に1000億ドル以上の兵器を欧米から購入している。
ところが、並行して、不寛容で原理主義の指導者集団を完備した神権政治と絶対王政の混合サウジアラビアは、もちろん、その最新版の権化、まやかしのISIS/ISIL/ダーイシュ“カリフ制”を含むあらゆるサラフィー主義-聖戦主義連中のイデオロギー・マトリックスの役割を永続させ続けている。サウド家は、イスラム世界全体 - そして更にそれを超えた世界に - 原理主義ワッハーブ派の“構想”を広めるべく、直接間接に、1000億ドル以上を惜しみなく使っている。
ベルベット・カーテンの背後を瞥見
しばらくの間、ロンドンから、ニューヨーク、中東中で、リヤドにおけるクーデターの可能性に関する噂が絶え間なくささやかれていた。
サウド家のみならず、ワシントン/ウオール街枢軸にいる本当のご主人をも良く知る政策決定情報筋が、王国における、現在の空前の画期的権力闘争をかいま見せてくれた。
情報筋によると“ムハンマド・ビン・サルマン王子は、何が起きているか本当に理解している。彼は、はめられつつある。確かに必要ではあるが、再編成を狙って、サウジアラビアの経済体制を調べまくっているコンサルタント連中に彼は包囲されている。こうしたコンサルタント連中の一部は、同時にデータを、CIA用に編集しているのだ。これで、CIAが嫌悪する王政から、お気にいりの軍幹部による体制への移行はずっと容易になる。”
そしてこれは、会社をまとめておくために雇われているアラムコ欧米人従業員の一部は、かの有名なCIA工作員であることを意味する。秘密作戦のための典型的な偽装だ。
この過程は、アブドラ王を追い出す動きに関して、リヤドで不満の声があがった、ちょっと前の2014年4月に始まった。最終的には妥協がなされた。聖戦戦士の軍を支援して、シリアでの戦争に大金をつぎ込んだ、バンダル・ビン・スルターン、別名バンダル・ブッシュが、サウジアラビアが率いるテロ戦争の真犯人として、首にされた。そして、ムハンマド・ビン・ナーイフ王子が王国第二位に昇進した - ワシントンのご主人の命令に従って。皇太子に選ばれたのだから、ナーイフはサルマン王を継ぐ次期国王として認められたも同然だ。
広報に精通した若いサルマンは、形勢を逆転させたがっているのだ。彼自身、自分は父親の後継者だと考えている。しかし内部の抵抗は熾烈だ。情報筋によれば“国民がサウド家からの助成金廃止で苦しむ中、アラムコ二兆ドルの株価について自慢しても、王国の貧しい大衆には受けない”。サウジアラビアの石油の富に関しては、若いサルマンは、みかけによらず“我々にとってそれは、需要と供給で支配される自由市場なのだか石油価格下落は、我々にとって脅威だとは”考えていない。
我々の情報源はこう言ってゆずらない。“ムハンマド・ビン・ナーイフは、対テロで非常に有能で、効率的な戦士だ。彼は分別があり、安定していて、有能で、才能がある。問題はワシントンに命じられた石油価格戦争を巡って、王国内で不満が増大していることだ。一方で、コンサルタント連中は、ムハンマド・ビン・サルマンに、助成金を削減するよう迫っている。これは確実に、国民大衆を彼から離反させる。そして、それが、大衆を制圧するクーデターを正当化することになる。”
そこで、極めて重要な膨大な量の武器購入問題だ。“これは同盟国に経費を支払っているパキスタンとエジプトとの軍事同盟とあわせて、強いサウジアラビア軍を作り出すための、ムハンマド・ビン・サルマンの取り組みと関係している。助成金は削減しなければならないが、金はあらゆるところにばら蒔かれている。これは君主国への更なる圧力を増やすにすぎない”。
軍事面で、父と息子のサルマン親子にとって必ずしも成功とは言えない。カイロのシーシーは、エジプト軍が、イエメンの泥沼にはまるという考えで、確実に二の足を踏んだ。イスラマバードのシャリフも同様に、パキスタン分遣隊の派兵を拒否した。
そこで、サルマン王は、インド首相ナレンドラ・モディに頼らざるを得なくなった。結局、サウジアラビアには、三百万人のインド人労働者がおり、インドは、石油の20%をサウジアラビアから輸入しているのだ。それでも、インド人兵士は皆無だ。
インドもパキスタンも、これらは全てリヤドの包括的な誇大妄想反イラン作戦の一環であることを、はっきり見破っている。インドとイランは全ユーラシアを通る新シルク・ロード拡大のパートナーだ。そして、イラン-パキスタンは、イラン-パキスタン・ガス・パイプラインによるパイプラインスタンの主要パートナーだ。
タクシーに行列すべき頃合い?
いつか将来、リヤドにおけるクーデターの可能性はまだ残っている。要は「例外主義スタン」の支配次第だ。ワシントンの有力者連中によれば、戦士王子が率いるサウジアラビアは、どうしても信用できないのだ。トルコは今や手に負えない状況と見なされている。オバマによって、エルドアン皇帝がワシントンに招待されない状況は、実際に「例外主義スタン」の支配下にあるトルコ軍によって、彼が最終的に排除される前触れなのかもしれない。テヘランの優先順位は、ユーラシア統合と、ロシアと中国とのより緊密な戦略的関係なのだから、イランもあてにはできない。
論理的には、サウド家は来るドーハの会合で、ロシアと協力して生産を10%削減し、石油価格を一バレル100ドルに上げて事態を変えることができる。勢力の均衡としてロシアに対する政策を再調整する。そんなことは忘れて頂きたい。そういうことは決しておきない。
この進行中のサウジアラビア・ハウス・オブ・カード 野望の階段策謀で、興味をそそるのは、我々の情報源によれば、“アブドラ国王は、石油供給の安定を維持するため、アメリカ合州国にとって有用な人物と言える人物だった ”ことだ。しかし有力なワシントンの大物たちは、サルマンや、彼の息子をそういう風には見ていない。特に息子は“とっぴで、情緒不安定”と見なされている。
繰り返そう。支配、支配、支配だ。我々の情報源は、“欧米がいかにサウジアラビア軍当局者を教育しているかを説明してくれた - 欧米の諜報工作員であることが多いのだ。これが、サルタン王子が彼らを決して信頼せず、国防相時代、軍を意図的に弱くしておいた理由だ。彼は国を乗っ取る特権集団として、彼らを恐れているのだ。そして彼は確かに正しかった。CIAの目からすれば、サウジアラビアは、外部からの監督が必要なのだ。そして、これは、この国が手に負えない状況に陥った場合、CIAが政権転覆をしたがる理由の一つだ”.
ところが、もう一つ重要な断絶があるのだ。CIAはサウド家を世界テロの主要スポンサーと考えている。しかし、これは真実ではない。こうしたテロ作戦の大半はグラディオ作戦の21世紀版練り直しだ。そしてそれは、NATO/ペンタゴンの手を意味する。この断絶は、一体なぜペンタゴンと、CIAがお互いにいがみあっているのかの部分的な説明になる。
アメリカのどの諜報機関が最終的にリヤドで支配的になるのか、まだ不明だ - そしてそれも、来年ペンシルバニア通り1600番地の住人が誰になるかによっても変わって来る。
当面、かなり多数の影響力の大きな当事者たちが、王家縁者千夜一夜風の資産を含めた、驚くばかりのサウド王家の富が、アメリカから、パナマに到るまで、海外資産が全て凍結されるのを想像するのを楽しむことになろう。必然的な結果として、何千人もの王子たちが、ロンドンやニューヨークで、運転手の仕事を求め、行列することになる。
記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2016/04/14/the-implosion-of-the-house-of-saud.html
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