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(回答先: レアメタル余剰(上) 中国、在庫解消メド立たず 過剰な違法採掘 追い打ち 投稿者 あっしら 日時 2016 年 4 月 11 日 03:05:39)
レアメタル余剰
(下) 日本勢 関心低下に不安も 世界供給 中国の寡占進む
政府系の石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は2015年12月、オーストラリアのタングステン鉱山の共同探鉱の契約を解消した。タングステンは超硬工具の原料で、世界供給の8割を中国が占める。
中国は今年6月までに生産工場を6社に集約する
JOGMECは豪州の探鉱会社と共同で11年に参入し、約4億円の探鉱費用を負担してきた。同機構は権益をもたずに資源量などを算定した後、権益を得たい日本企業に引き継ぐことを目的としていた。
だが、相場が参入当時と比べて6割安と予想以上に下がった。権益に興味を示していた商社の関心もなくなった。「今の価格の2倍くらいないと投資しても回収できない」(JOGMEC)として、契約解消を決めた。
相場低迷のあおりを受けた事業見直しは広がっている。今年2月、昭和電工の市川秀夫社長はレアアース事業に関し「他社との提携を含めて合理化策を検討する」と更なる見直しの可能性を示唆した。同社は15年7月末に中国のレアアース磁石合金の製造・販売子会社を解散すると発表した。
中国などに偏在するレアメタル。供給源の多様化は日本にとって長らく課題だった。10〜11年にかけて、尖閣諸島を巡る日中対立をきっかけに中国が事実上の禁輸措置をとり、価格が高騰。高性能磁石に使うネオジムは現在の10倍まで上昇した。
日本はその後、リサイクルや代替材の開発を進めてきた。ただ、自動車などの軽量化や高性能化が求められるなか、国内産業にとって欠かせない資源であることに変わりない。
「価格の下落で、使用量を抑える動きが鈍っている」。省レアメタルを進める大手自動車メーカーの技術者は話す。自動車のレアメタル使用比率は高く、モーターや窓ガラスにも使っており、値下がり恩恵は大きい。
大手磁石メーカーの幹部は「エアコンのモーターに再びレアアース磁石を使うなど家電メーカーの姿勢も変わってきた」と話す。小型化にはレアメタルを使った方が効率が良いためだ。新金属協会によると、15年のレアアース需要は14年比8.1%増の1万5412トンだった。
水面下で市場の寡占化も進む。中国では今年6月までに100社を超えるレアアース生産会社の6社への集約化を完了する予定だ。世界の9割の供給を6社で占めるようになる。アンチモニーなども同様の動きが見られる。
米メディアの報道によると、昨年6月に経営破綻した米生産大手モリコープの買収に中国企業が関心を示しているという。「買収をもちかけられたが断った」(日本の大手商社)。日本勢の関心が薄れるなか、中国は再び覇権を握ろうとしている。今は相場の下落で供給不安が薄れているが、中長期的には安定供給が揺らぐ可能性もはらんでいる。
今橋瑠璃華が担当しました。
[日経新聞4月6日朝刊P.21]
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