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日本の医療崩壊を救った若き女性医師
新専門医制度を使った医局権力拡大に立ち向かい厚労大臣動かす
2017.4.4(火) 上 昌広
経口避妊薬の米発売から50年、誕生までのいきさつと今後の課題
経口避妊薬(写真)についても本文に登場する山本佳奈医師は記事を書いている〔AFPBB News〕
新専門医制度の議論が急展開しそうだ。3月9日の参院厚生労働委員会で、塩崎恭久厚労大臣は「必要に応じて、地域医療に従事する医師、地方自治体の首長を含めた場で、日本専門医機構に対して、抜本的な対応を求めていきたい」とコメントした。
厚労省関係者は「(日本専門医機構が拠り所とする)2013年度の専門医の在り方に関する検討会の報告書を上書きするための審議会を設置する方向で調整が進んでいる」と言う。
彼らが問題視するのは、プロフェッショナル・オートノミーを錦の御旗に、大学教授たちが独善的に医療制度を変更しようとしていることだ。
彼らの主張は、「すべての医師は専門医になるべきで、そのためには後期研修が必要。研修の場は大学病院が中心になるべきで、専門医の質を統制するため、統一した基準を儲けねばならない」というものだ。
日本の医療界における伏魔殿
いずれも大学教授たちの「妄想」で、彼らの主張を支持するエビデンスは希薄だ。
このような統制は、まさにカルテルと言える。自由主義国家である我が国では独禁法など、様々な法律に抵触する可能性が高い。「プロフェッショナル・オートノミー」とは対極の行為だ。
こんなメチャクチャが通用したのは、大学教授が密室で議論を進めたからだ。日本専門医機構のホームページをご覧になるとお分かりいただけるが、理事の大部分が大学教授か経験者である。議事内容の詳細は一切公開されていない。
また、財務諸表が公開されていないので、このような組織に誰がカネを出しているかも分からない。こんな組織に、我が国の医療の将来を左右する巨大な権限を与えてはならない。
新専門医制度の議論を正常化させるために必要なのは、日本専門医機構の幹部に制度の見直しをお願いする「陳情」ではない。情報開示と公での議論だ。最近、そのような動きが出つつある。
きっかけは、2月に立谷秀清・相馬市長を中心とした医系市長会が、塩崎厚労大臣や菅義偉官房長官に「中・小規模病院が危機に陥る懸念」および「地方創生に逆行する危険と医師偏在を助長」などの意見を伝えたことだ。
この動きをいくつかのメディアが報じ、全国の市町村長たちも問題を認識し、専門医制度が政治課題となった。
医療は社会的な営みだ。その中心は住民である。住民を代表するのが首長であり、議会だ。彼らの意向を無視して、医師、特に大学教授だけで決めていい問題ではない。
ただ、市町村長であれ、大臣であれ、政治家が介入するには世論が必要だ。この世論作りが難しい。
では、誰が世論を作ったのだろう。私は、南相馬市立総合病院の3年目の研修医である山本佳奈氏の果たした役割が大きいと思う。
山本医師は滋賀医大を卒業し、今春、南相馬市立総合病院で初期研修を終えた。大学在学中から私どもの研究室で学び、新聞やウェブ媒体に文章を発表した(JBpressの記事はこちら。1、2、3、4、5)。一昨年には『貧血大国・日本』を光文社から出版した。
産科医不足に悩む病院が産科医を拒否
将来の夢は「女性のための総合医」。そのために貧血も勉強し、3年目以降は南相馬に残り産科研修を希望していた。ところが、彼女の希望は通らなかった。
南相馬は産科医不足だ。市をあげて産科医の招聘に取り組んでいる。なぜ、山本医師が産科医として採用されなかったのだろうか。彼女の前に立ちはだかったのが新専門医制度と大学医局、さらに彼らの意向を忖度する南相馬市だ。
新専門医制度では、福島県の産婦人科の基幹施設は福島県立医大だけだ。南相馬市立総合病院は連携施設という位置づけになる。福島県で産婦人科専門医を取得したければ、福島県立医大のプログラムに沿って研修するしかない。
彼女は、福島県立医大の教授に、「南相馬で産婦人科医として働きながら専門医を取得したい」と相談した。ところが、その回答は「南相馬の市立病院は指導医が1人しかいないから、福島県立医大に所属したとしても派遣されることはない」とつれなかった。
彼女は悩んだ末、専門医の資格を諦めた。そして、病院幹部に「南相馬で働きたい」と希望を伝えた。
ところが、しばらく経って、福島医大の医局に属する40代の指導医が「忙しくて指導できない。山本さんは自由時間を求めて、ずっと病院にいないから、ここで研修するのは無理」と言っていることを伝え聞いた。
私も幹部から直接話を聞いた。そして、呆れ果てた。確かに、この医師は1人医長としてよく働いている。ただ、20代の女性を雇用しない理由として、「ずっと病院にいない」ことを挙げるのは尋常ではない。明白な労基法違反だ。本当の理由は別にあるのだろう。
実は、南相馬市立総合病院で勤務を希望する産科医は、これまでにもいた。直近では福島医大の幹部が仲介して、県外から医師が来る予定だった。ところが、これも南相馬市立総合病院から断ってしまった。山本医師に対する対応と同じだ。
ところが、最近になって、福島医大の後期研修医が急遽派遣されることになった。指導医は、今回は「多忙で指導できない」と断らなかったらしい。この指導医は、自分が務める病院よりも医局の方が大切なようだ。
このような対応は、住民のためにならない。住民の立場に立ち、このような医師の対応に苦言を呈するのは、南相馬市立総合病院の院長、および市長の仕事だろう。ところが、彼らは、その役割を果たさなかった。
驚いたのは、桜井勝延・南相馬市長の対応だ。
桜井勝延・南相馬市長の不可思議な行動
院長が指導医と山本医師の間を懸命に取り持とうとしているのを傍目に、3月中旬になって桜井氏は「福島医大を批判する医師は雇用できない(南相馬市関係者)」と院長に伝えたのだ。さらに「雇用するなら誓約書を書かせる(いずれも南相馬市関係者)」と迫った。
院長は、産婦人科で研修できるか否かはともかく、山本医師に新年度の雇用を約束していた。新年度まで2週間あまりの段階で、雇用関係を破棄するのは「労基法に抵触する可能性が高い(知人の弁護士)」という。
桜井市長が問題視したのは、山本氏が医師専用のサイト「エムスリー」で「福島医大の産科体制を批判したこと(別の南相馬市関係者)」らしい。
医師専用サイトを桜井市長が見るはずがなく、誰が彼に情報提供したかは明らかだ。公で議論する研修医に対して、卑怯な手段を弄したことになる。また、医師同士のサイトでの言論を、市長が人事権をひけらかして抑制するなど前代未聞だ。
実は、桜井市長の対応に「最も怒ったのが、福島医大の竹之下誠一理事長(福島医大関係者)」だ。
竹之下氏は、桜井市長に電話し、「山本医師を雇用するように迫った(福島医大関係者)」。そして、山本医師や及川友好・南相馬市立総合病院院長に対し、「希望する研修ができるように全面的に支援する」と伝えている。
この結果、4月から山本医師は、南相馬市立総合病院の嘱託となり、神経内科に勤務する。「将来的には産科をはじめ、女性を診療する科で学びたいと考えています」と話す。
紆余曲折があったものの、山本医師は何とか後期研修をスタートできた。福島医大の医局員と市長による圧力と戦って、彼女が何とかポジションを確保できたのは、様々な媒体でこの問題を報告してきたからだ。
「そんなことをすると君のためにならない」と忠告してくれた医師もいたが、多くの人が問題点を理解することになった。南相馬市の地域医療にとって、彼女を追い出すか、迎え入れるか、いずれが良いかは議論の余地がない。先入観なく、話を聞けば、みな、真っ当な判断をする。
実は、その中の1人が塩崎厚労大臣だ。塩崎氏にとっても、被災地の医療、地域医療は重大関心事だ。南相馬市の産科医療には大きな関心を寄せている。
若き女性医師の意志が厚労大臣動かす
彼は山本さんの話を聞いて、直接連絡した。そして、面談した。面談の実現には、地元選出の森まさこ議員も尽力した。そして、冒頭の塩崎厚労大臣への発言へと繋がった。
また、竹之下氏は今春、理事長に昇格した。私もおつき合いがあるが、極めて真っ当な人物だ。彼が理事長となり、これまで批判されることが多かった福島医大は変わるだろう。事実、今回の問題は、彼なしでは解決しなかった。
塩崎氏であれ、竹之下氏であれ、彼らが問題を知ったのは、山本医師の発信がきっかけだ。山本医師は実に大きな役割を果たした。
福島の医師不足の緩和には、東京や西日本のような医師の多い地域からの流入が必須だ。ところが、このケースが示すように、時に、医局は部外者を徹底的に排除する。それを地元の市長までが後押しする。
地方の医療を充実させるために必要なのは、医局の独走を防ぐ仕組みを作ることだ。そのためには、徹底的な情報公開と適切な人事だ。
今回の件での桜井・南相馬市長の振る舞いは、やがて多くの市民が知ることになるだろう。桜井氏は年内に改選を迎える。彼を評価する際の1つの基準になるだろう。かくのごとく、政治家に対しては住民が評価できる仕組みがある。
ところが、多くの地方で医局は医師派遣の実権を独占しており、学会は医局を仕切る教授の集まりだ。学会の幹部たちは専門医制度から多くの利益を受ける。彼らが立ち上げたのが日本専門医機構だ。形式的に単なる任意団体だ。
強大な権限を持つのに、住民はもちろん、政府のチェックも受けない。この組織が独走すれば、我が国の医療は決定的なダメージを受ける。抜本的な見直しが必要である。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49622
女性の社会進出を拒む意外な盲点、低用量ピル
欧米に比べけた違いに低い服用率、中国・韓国よりも後進国
2016.10.24(月) 山本 佳奈
女性が科学を研究する可能性、男性の半分以下 調査
女性の社会進出を促すには、日常生活の中にある誤解を解いていくことが必要だ(写真は仏パリの研究所で水の中の病原体を調べる科学者)〔AFPBB News〕
リオオリンピックが終わってから、はや2か月。日本選手団の目覚ましい活躍は、記憶に新しい。
さて、女子競泳選手の400メートル個人メドレー後のインビューを皆さんは覚えておられるだろうか?
試合後倒れこんでしまった彼女は、「昨日、生理が始まりすごく疲れていた。でも、それは理由にならない。今日の自分の泳ぎが良くなかった」と述べた。
多くの選手はこのような発言をしない。いや、言い出しにくい。競技のコーチの多くが男性であるがゆえ、「生理中だ」と言えない女性選手は少なくないのだ。
飲み忘れないために机の上に置いたら・・・
私事で恐縮だが、大学生になった頃から生理痛がひどくなってしまった。起き上がることができず、授業に出られない日も多々あった。困り果てて婦人科を受診し、低用量ピルの存在を知った。
ピルの内服から7年が過ぎた。倦怠感や月経痛は多少あるものの、生理痛は内服してすぐに激減した。日常生活に支障を来すことは全くなくなった。
そんな低用量ピルは、毎日内服する必要がある。正しくは、21日間飲み続け、7日間休薬する。医師となった頃から、飲み忘れが多くなってしまった。そのため、医局の自分の机上に置くことにした。その後、飲み忘れることはなくなった。
だが、最近、「ピルを机の上に置かないように」と注意を受けた。理由は、「避妊薬を置くな、という指摘が医師からあったから」だという。
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静かに広がる高齢者の貧血、まさかが命取りに (2016.9.20 濱木 珠恵)
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http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/48182
最新研究で明らかになったスポーツ貧血の怖さ
特に若い女性は要注意、周囲のサポートが不可欠
2016.5.27(金) 山本 佳奈
英ロンドン中心部でパレードに参加したチアリーダーたち〔AFPBB News〕
「スポーツ貧血」という言葉を聞いたことはあるだろうか?
ある日の午後、だるそうに診察室を訪れた1人の女子高生。「部活動でバスケットボールをしているのですが、なんだか最近、授業にも部活にも集中できなくて・・・。集中力がもたず、体がだるくて重いんです」と言う。
採血したところ、診断は貧血。血中のヘモグロビン量が減っていた。
これは、診療室ではありふれた光景だ。実は今、部活動でスポーツをしている中高生や大学生の貧血が深刻な問題となっている。特に女子の貧血は深刻だ。
平成21(2009)年度、高知県競技力向上対策事業の一環として、国体強化指定選手のメディカルチェックが実施された。
強化選手の4分の1が貧血
第64回国民体育大会の強化指定選手である中学生、高校生、成年170人を対象に採血を実施し、ヘモグロビン値を測定したところ、25.3%に貧血が認められた。
成年女性が50%と最も高く、次いで高校女子が27.9%、高校男子が24.7%と続いた。さらに、貧血の割合は、年々増加傾向が見られた。
なぜ、スポーツをする女子に貧血が多いのだろうか。女性アスリート特有の何かがあるのだろうか?
実は、スポーツをする人は、男女を問わず貧血になりやすい。理由は大きく4つある。
第1の理由として、スポーツをする人は筋肉量が多いことが挙げられる。筋肉は、多くの酸素を消費する。その酸素を運ぶのがヘモグロビンであり、必要となる時まで貯蔵しておくのが、筋肉細胞に存在するミオグロビンだ。どちらも主成分は鉄だ。
そのため、一般人に比べて筋肉量が多いスポーツ選手は、より多くの鉄が必要となり、鉄不足に陥りやすい。結果として貧血になる。
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http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46926
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4月16日、日本陸連栄養セミナー2016「陸上選手の貧血について考える」が開催された。日本陸連が2008年に立ち上げた「食育プログラム」の一環として行われた初のセミナーである。
今回取り上げられたのは、陸上選手にとって重要な問題の1つである「貧血」だった。貧血であるアスリートは多い。貧血は、正真正銘の病気だ。
今回のセミナーでは、貧血に対する基礎的な知識や貧血の対処法から予防法や改善法に至るまで、様々な議論がなされたが、日本陸連がアスリートの貧血に対して警鐘を鳴らしていることは大切な指摘である。
だが今回、注意すべき点として「鉄の過剰摂取」が取り上げられた。安易な鉄の静脈内投与は体内の鉄過剰状態を引き起こして非常に危険なので、経口鉄剤を試すことなく体調が悪いという訴えだけで鉄剤を絶対に注射してはならない、という。
簡単に言えば、鉄が足りないのが「貧血」で、鉄の過剰な蓄積が「鉄過剰症」だ。
人間は鉄の排出機能を持たないため、鉄の過剰摂取や繰り返しの輸血、ヘモクロマトーシスといった遺伝性疾患によって鉄の過剰な蓄積が生じると、臓器障害を引き起こす。
とはいえ、臨床現場において、鉄過剰症はほとんど見られない。普通に生活しているだけでは、鉄の過剰にはならない。まして、貧血になりやすいアスリートの鉄の過剰は、そう簡単に起きるものではない。
そもそも、鉄剤注射は、貧血改善のための治療法の1つにすぎない。どうしても鉄剤の注射をする以外に方法がない場合もある。
鉄剤注射は、決してドーピングではない。にもかかわらず、「危険だから鉄剤は注射するな」というのは、貧血に対する誤解を生じさせないだろうか?
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46703
http://www.jaaf.or.jp/medical/nutritionseminar2016.html
福島第一原発・廃炉作業現場に見た地域社会との隔壁
地域社会との交流を進めなければ本当の復興はできない
2015.9.17(木) 山本 佳奈
福島第一原子力発電所で、放射能汚染水対策のための「凍土壁」の建設現場で放射線量を測定する東京電力の職員〔AFPBB News〕
東日本大震災から4年半が経った。町の様子も様変わりし、社会の関心も薄れたように感じられる。
原発も例外ではない。最近の報道は、もっぱら汚染水に関するものばかり。しかも報道内容はまちまちで、専門家によって意見がかなり異なっている。専門家ではない人には何が真実なのか、よく分からないというのが現実ではなかろうか。
私自身、南相馬に医師として赴任して半年が経ち、メディア報道を通じてではなく、自分の目で福島第一原子力発電所を見たいという思いが募っていた。その矢先、福島第一原発を見学する機会を得た。
やはり聞くと見るとでは大違い。私にとって本当に貴重な経験となった。そこで、自分の目で見て感じたこと、考えたことを正直に書きたいと思う。
毎日150往復するバス
Jヴィレッジをご存知だろうか。楢葉町と広野町にまたがる、このスポーツ施設は、幸か不幸か福島第一原発から半径20キロ、つまり避難対象地域との境目に位置している。このため、原発事故収束のための拠点施設としての役割を担うこととなった。
毎朝、6700人もの作業員が、Jヴィレッジからバスに乗り込み、片道40分かけて福島第一原発へと向かう。バスは、早朝から夜遅くまで動き、150回もJヴィレッジと原発を往復する。
我々もJヴィレッジからバスに乗り込み、福島第一原発へと向かった。道中、楢葉町と富岡町を通過した。ご存知のように、楢葉町はつい数日前に避難指示が解除されたばかりである。
除染作業で発生した土砂を入れるまっ黒なフレコンバックの数が原発に近づくにつれて増えていく。この景色は、何度見ても心を締めつけてくる。黒い大量の袋が整然と並べられている様だけは慣れることができない。
国道6号線を北上し福島第一原発へと着いた途端、視界の半分を巨大な大量のタンクによって占領されてしまった。1日に約300トンもの地下水が原子炉建屋内に流れ込んでいるため、タンクは今もなお増え続けている。
施設内では厳重な管理体制のもと、放射性物質のスクリーニングが徹底して行われていた。作業員の方々は、流れ作業の如く大きな器械の中を通り抜けてセキュリティーを通過していく。その光景はまるで機械に人間が支配されている近未来の映画の世界のようだった。
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男性が接種しても利点多い、子宮頸癌ワクチン
頭頸部癌や肛門癌の予防に効果が期待できる・・・
2014.2.26(水) 山本 佳奈
ヒトパピローマウイルスワクチン(HPVワクチン)に対する接種の副作用が社会の関心を集めている。2009年にワクチン接種が開始されてから、注射部位の腫れや痛み・しびれ・関節痛を訴える報告が相次いだからだ。報告数の累計は956件にも上る。
一連の副作用報告を重視した厚生労働省は、昨(2013)年6月に接種勧奨を中止し、時間をかけて副作用対策を議論してきた。1月20日、厚労省の検討会は一連の議論をまとめ、副作用の多くは「接種による痛みや不安に対する心身の反応が引き起こしたもの」と結論づけた。
医学的に確立しているワクチンの有効性
これを受けて、厚労省は接種勧奨を再開する予定だと言う。果たして、このまま接種勧奨を再開してもいいのだろうか。私は、もう少し議論が必要だと思う。
まず、HPVワクチンの有効性について説明したい。世間では、様々な意見があるようだが、このワクチンの有効性は、ほぼ医学的に確立していると言っていい。
HPVは子宮頸癌の原因だ。HPVは性交渉により感染するため、我が国では20代から30代の女性を中心に毎年1万5000人が罹患する。現在、我が国では、グラクソ・スミスクライン社の「サーバリックス」と、MSD社の「ガーダシル」の2種類のHPVワクチンが承認されている。
英国で実施されたPATRICIA試験では、健康な15歳から25歳の女性1万6162人を2群に分け、AS04アジュバンドを含むHPVワクチンとアルミニウムアジュバントを含むA型肝炎ワクチン(対照群)を接種したところ、34.9カ月の間に子宮頸癌を発症したのは、HPVワクチン接種群で1人、対照群で53人だった。実に、子宮頸癌のリスクを98.1%減らしたことになる(1)。
HPVワクチンの問題点は2つある。1つは費用だ。通常、HPVワクチンは3回接種しなければならず、自己負担の場合、総額4万5000円前後もかかる。HPVワクチンが、2013年から予防接種法に基づく定期接種となり、小学校6年生から高校1年生の女子は全額公費で接種できるようになったことは、国民にとってありがたい話だ。
これ以降、接種者は急増し、日本におけるHPVワクチン接種率は2012年で約67%、販売開始から2013年3月末までの接種者数は258万人に上る。
実は、私もHPVワクチンを接種した。ワクチン接種が始まってすぐ、子宮筋腫に苦しんだ母に、接種すれば子宮頸癌にならずにすむと説得されたからだ。同じ頃、大学の友人も、徐々に接種するようになった。
HPVワクチンを打った時、痛みが強かった記憶がある。痛みは、体に様々な悪影響を及ぼす。予防接種に限らず、注射や採血の際の痛みが迷走神経を刺激して、失神する人がいる。
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