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医療は大きな転換期を迎えている
がん 予防医療を行えば発症数抑え死者数減らせる
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20170201-00000025-pseven-life
週刊ポスト2017年2月10日号
先進国で、「医療」は大きな転換期を迎えている。病気を患ってからの「治療」ではなく、「予防」の段階に力を注ぐほうが国民の健康寿命は延び、医療費も削減できるからだ。にもかかわらず、日本には「予防後進国」という状況がある。医療機関にとっては予防よりも治療の方が3倍も実入りが多いといわれるからだ。
日本人の死因1位である「がん」での構図はまさにこれに当てはまる。これまで手術や抗がん剤などで「治す」ことに焦点が当てられてきた。手術・投薬に高額な医療費がかかることは改めて説明するまでもない。一方で、がんを「防ぐ」ための策は普及が遅れてきた。その象徴がB型肝炎ワクチンである。
B型肝炎ウイルスに感染したまま放置すると慢性肝炎になり、肝硬変や肝臓がんへ進行する。肝臓がんは年間約3万1000人の死亡者がおり、男性では肺がん、胃がんに次いでがん死のなかで3番目に多い。
WHO(世界保健機関)は肝臓がん予防のため、1992年に「すべての出生児にB型肝炎ワクチンを接種すること」を推奨し、2009年までに世界177か国で定期予防接種が始まった。しかし、日本では昨年10月以降に生まれた0歳児を対象にようやくB型肝炎ワクチンの定期接種が始まった。欧米諸国と比べ、かなり遅れてきた状況がある。
年間約5万人が死亡する胃がんは、医師や医療機関などの既得権のために、「予防軽視」が続いてきた状況がよりはっきりしている。「治療」の方が「予防」よりも実入りが多くなる実態があるのだ。
近年になって、胃がんの原因がヘリコバクター・ピロリ菌だと明らかになってきた。ピロリ菌に感染した胃をもつ人が塩分を取りすぎたりストレスを感じたりすると、慢性胃炎から萎縮性胃炎になり、胃がんが発生しやすくなる。
菌保有者は多く、日本ヘリコバクター協会の推計では日本人の3500万人以上がピロリ菌に感染し、50代以上の感染率は70〜80%に達するとされる。北海道医療大学学長の浅香正博氏が指摘する。
「ピロリ菌を薬で除菌すれば、胃がんになるリスクは激減します。実際、胃がんと同じくピロリ菌が原因とされる胃潰瘍と十二指腸潰瘍は2000年にピロリ菌の除菌が保険適用となった後、10年で患者が56%減少した」
2013年からは内視鏡検査でピロリ感染胃炎と診断されると保険で除菌できるようになり、除菌治療を受ける人が年10万人から約150万人まで急増した。
「その結果、40年間にわたって毎年5万人前後だった胃がんの死者数が2015年は4万6600人と7%も減りました。予防医療を行なえばがんの発症数を抑えることができ、その結果、死者数を減らすことができるんです」(浅香氏)
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