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「患者の命よりカネ優先」医療関係者ホンネ座談会〜医者が飲まないキケンな薬の恐怖
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48909
2016年06月18日(土) 週刊現代 :現代ビジネス
■筋肉が溶ける副作用も!
カネのためなら自分が飲みたくない薬だって出す—大学病院で准教授を務める内科医、開業医、製薬会社の医薬情報担当(MR)がホンネで語り合った。
准教授 大学病院の内科医。多忙でも製薬会社との付き合いも欠かさない
開業医 効果はなくても患者の欲しがる薬を出す町医者。それもまた仁術
MR 自社の薬を売り込むべく、日々、大病院に通いつめる医薬情報担当
准教授 高齢者が薬を飲みすぎないほうがいいのは紛れもない真実で、実際、医者で毎日10錠も薬を飲む人はまずいません。
開業医 風邪薬なんて飲む医者はいませんよね。寝てれば自然に治りますし、解熱剤で一時的に熱を下げると逆に治りが遅くなりますから。患者は病院に来たお土産代わりに薬を欲しがりますから、私の病院では出しますけれど……。タミフルだって副作用があるから、本当は薬を飲まずゆっくり休むほうがいい。
准教授 吐き気止めや下痢止めも同じこと。体の毒を出そうとしているところを無理に止めたら、毒が出て行かない。患者本人は苦しいから「どうにかしてくれ」というので、ついロペミンやナウゼリンを出してしまう医者は多いですが……。
開業医 開業医にとって患者はお客様、神様ですから(笑)。
私自身はコレステロール値が高く、LDLが180を超えていて、薬を飲もうかどうか迷っています。自分のところに来た患者が、それくらいの値なら「薬を飲んでコントロールしましょう」と奨める値ですね。でも自分で薬を飲むかといえば別問題。飲んですぐに効果があるわけではないし、飲み始めたら半永久的になることがわかっているから、躊躇するんです。
医者としては病院に通ってくれる患者が増えれば、それだけ定期収入が増えるので嬉しいんですがね。
MR やはりコレステロールの薬はよく売れますよ。とくにスタチン系と呼ばれるものですね。
准教授 クレストールが代表的な薬ですが、これはけっこう強い薬。75歳以上の高齢者には、あまり奨められません。心筋梗塞などの既往症がある患者の再発防止にはいいかもしれませんが。
筋肉が溶けてしまう横紋筋融解症、腎不全、こむらがえりなど、いろいろ副作用も指摘されているが、すべての医者がそれを理解しているかは不明。MRは薬のいい面ばかり話して、副作用の話はしないからね。
MR でも、副作用は薬の添付書にちゃんと書いてありますから。
開業医 そんなの隅から隅まで読むドクターはいないよ。とくに開業医はいろんな病気をカバーしないといけないから忙しいんだ。
MR もちろん、重大な副作用がある場合はきちんとご説明しますよ。でも私たちの「仕事」は、新しい薬がいかに副作用が少なくて治療効果が高いかということを説明することなので。
准教授 確かにMRの説明を聞くと、いいことずくめなので、新しい薬を使ってみたくなるのが、医者の素直な気持ちですね。最近開発された血液をサラサラにする薬イグザレルトなんかもそうです。
血液の凝固因子を阻害する薬で、これまでこのタイプの薬は2週間に1度採血しながら処方していたのですが、イグザレルトは採血の必要はないので手軽に処方できる。便利ですが、きちんと血液の状態をチェックしながら処方するわけではないので、実は使いながら不安感もあります。
■医師には高い講演料
開業医 患者さんも新しい薬のほうが効くと信じ込んでいますからね。
例えば胃薬が典型的。これまで使われていたガスターという薬は薬局で販売できるようになった。すると患者さんは「ガスターは薬局でも買えるから、わざわざ医者に行ってもらう薬ではない」と考えるようになる。
だから医者にかかると病院でしか処方されない「最新の薬」が欲しくなる。そこで開発されたのが、PPIというタイプの胃薬です。代表的なのはネキシウムですね。でも、ガスターより効果が高いかどうかは、本当のところよくわからない。
准教授 血圧の薬もまったく同じ構造ですね。古いタイプの降圧剤の特許が切れるタイミングで、新しいタイプの薬が出てきて、それに乗り換える。ブロプレスなどのARBのほうが昔ながらのカルシウム拮抗剤より有効かどうかは、正直わかりませんよ。腎機能への負担は小さいと言われていますが、それだけで高血圧の人が皆、ARBを使ったほうがいいということにはなりません。
MR 私の目から見ても、ARBは乱立気味ですね。確かに必要な薬なのですが、市場が大きいので、製薬各社が少しずつマイナーチェンジして似たような薬がたくさん出ている。その微妙な違いを把握しているドクターはほとんどいないでしょう。
それでも弊社の薬を推薦してくれる大学病院の先生は多いですよ。
准教授 それは製薬会社が高いおカネを出して講演を依頼するからでしょ? かくいう私も新薬の学術講演会にはよく出かけますけれど……。今は規制が厳しくなって、MRと医者が頻繁に接触することが禁じられているので、そのような講演会でなければなかなか会うこともできません。だから講演会はとても貴重な機会です。講演者には100万円も200万円も謝礼が支払われるようです。
開業医 先生も出世されたら、講演を頼まれるお立場になりますよ。大学の先生は、お小遣い稼ぎができてうらやましいですね(笑)。
MR 確かに新薬をPRするのに一番大切な場は、学術講演会になっています。全国でそのような会を開き、大学の先生や大病院のお医者さんたちを招待する。タテマエは学術振興ですが、実際は新薬の大宣伝の場です。
■ロキソニンも怖い
開業医 昔は町医者もずいぶん接待してもらいましたけど、今は銀座で飲ませてくれる会社はないですね。
MR 先生は開業して大儲けなさっているからいいでしょう。
開業医 私なんかはまだまだです。先日、友人の開業医と話していたのですが、彼の病院は生活保護を受けている高齢者が多く住む地域にある。生活保護者は病気がちな人も多く、薬もただでもらえるので、たくさん薬を欲しがるそうです。だから、その地域の薬局は大儲け。病院も高級住宅地にあるものより立派なところが多いそうです。
准教授 これは生活保護者に限った話ではありませんが、家族の分まで薬をもらいたがる患者もいる。湿布薬の鎮痛剤モーラステープ群は、いくらでも出してくれる医者がいるので、月に100枚も出してもらう人がいる。
自分用だけならこんなに必要ないですよ。問題なのは、気軽に出されたからといっても薬は薬。紫外線に当たって副作用が出るなど、危険性もあるのに、そのことを医者も患者も全然理解していない。
開業医 痛み止めという意味では、ロキソニンも怖いですね。頭痛薬としても有名ですが、高齢者は関節の痛み、神経痛の痛みで常用している人もいる。
ですがうちの患者さんで、消化管出血、腎臓出血の症状が見られた人がいましたよ。ロキソニンは非常によく効くので欲しがる患者さんが多いのですが、不勉強なドクターが安易に処方すると大変なことになる。
MR でも忘れないでいただきたいのは、私たちは「痛みから解放されたい」という患者さんを助けたいから薬を開発しているんですよ。それに現代では新薬開発にものすごくおカネがかかります。
一つの薬に何千億円も研究開発費がかかるのはざらですから、それで薬が売れなかったら、誰も新薬など開発しなくなる。医療の進歩は止まってしまいますよ。
准教授 私は新薬開発の研究にも携わっていますが、製薬会社は患者数が少なくて儲からない難病の薬などを開発するときは、大学や厚労省からおカネをもらってリスクを取らないのに、大儲けできる生活習慣病の薬は独自で開発しますよね?
MR 営利企業で株主もいるんですから、当たり前ですよ。そうでなければ会社がつぶれてしまう。
臨床研究のプロセスをコーディネイトするCRO(治験支援機関)という組織があって実験に協力してもらうのですが、日本のCROはスピードが遅い上にコストが高い。創薬は完全なグローバル競争ですから、うかうかしているとあっという間に外資系に負けてしまいます。
開業医 コストといえばMRの数が多すぎるんじゃない? 平均年収1000万もある人が全国で6万人もいるんだもの。
MR やめてくださいよ。我々は薬の正しい使い方を伝えるために、先生方の診察が終わるまでじっと廊下で立って待っているんですから。
准教授 そう考えると、薬の値段の大半は、君たちがボーッと突っ立っている時間に対する報酬ってわけだね(笑)。
「週刊現代」2016年6月18日号より
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