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不妊の半数は男性が原因!「精子自体の異常」に関心高まる 精神遅滞を伴う発達障害 3年間の中国駐在
http://www.asyura2.com/16/health18/msg/649.html
投稿者 うまき 日時 2018 年 9 月 18 日 13:10:10: ufjzQf6660gRM gqSC3IKr
 

https://diamond.jp/articles/-/179861
2018年9月18日 草薙厚子 :ジャーナリスト
不妊の半数は男性が原因!「精子自体の異常」に関心高まる
世界で一番不妊治療が行われているにもかかわらず、その治療による出産率が世界最下位という残念な状況にある日本。これまでは女性側の問題ばかりがクローズアップされてきたが、ここ数年、注目されてきたのが男性側の問題、つまり「精子の異常」である。(ジャーナリスト 草薙厚子)
不妊の原因の50%は男性側に!
「精子の異常」が注目されている
不妊といえば女性側の問題、という考えはもう古い。むしろ、不妊の原因の約半数は男性側、つまり精子の異常にあるのだ Photo:PIXTA
 最近、妊活ブームに伴って、テレビや新聞で「男性不妊」についての番組や記事が取り上げられるようになり、「精子」が注目されている。数年前までは、不妊といえば卵子ばかりに目が向けられ、精子という言葉を耳にしたり、目にすることさえほとんどなかった。
 最初に「不妊症」の定義を説明しよう。妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、一定期間(一般的には1年間)妊娠しない場合をいう。近年、妊娠しないといって、20代から不妊クリニックを受診する夫婦も増えている。
 日本で2016年に行われた体外受精は44万7790件で、出生児の約18人に1人に当たる5万4110人が誕生。件数も出生数も過去最多を更新した。日本において最初に体外受精児が誕生したのは1983年、東北大でのことである。それから24年で、合計約53万6710人が誕生している。
 しかし、日本の不妊治療には、大きな問題がありそうだ。というのも、不妊治療を受けている患者数が世界第1位にもかかわらず、その治療による出産率が世界最下位。つまり、世界で「一番不妊治療が行われている国」であるにもかかわらず、「一番出産できない国」なのだ。
 日本の不妊治療の成績がなぜ振るわないのか。原因の1つには、「精子の異常」に対する認識の低さがある。一般的に不妊原因は女性側にあると思われがちだが、実は約半数を男性側が占める。2017年のWHO(世界保健機関)の報告では、男性不妊が24%、男女両方の不妊が24%であり、不妊の約半数に当たる48%が男性側に何らかの原因があることがわかる。
 最近になってようやく、「精子の品質が重要だ」ということが注目されつつある。『本当は怖い不妊治療』(SB新書)の監修者でもある産婦人科医で、30年以上にわたりヒト精子の研究を専攻してきた臨床精子学の第一人者である黒田優佳子医師に「男性不妊」の現状について聞いてみた。
運動率が高い精子でも受精せず
根本理由の1つはDNA損傷だった
「実は男性不妊が不妊原因の約半数を占め、その大半は精子形成障害です。精子形成障害の場合、単に精子数や運動率が低下するだけではなく、ほとんどの場合に精子の品質の低下、すなわち精子の機能異常を伴います。その背景には、遺伝子の問題が関与している場合が多いため、原因が明らかとなることはむしろ少ないのです。
 そのため、精子形成障害に対する根治療法は、いまだに確立していません。そこで、顕微授精という技術が登場して1匹でも精子がいれば妊娠できるというイメージが先行した結果、対症療法として顕微授精が男性不妊治療の主流になり、全体の80%を占めるまでに至りました」(黒田優佳子医師)
 女性不妊の大半を占める「排卵障害」に対しては、卵子の形成を促すことができるホルモン製剤が開発され、治療成績は飛躍的に向上している。しかし、男性の場合、残念ながら精子をうまく作れない「精子形成障害」のうち、遺伝子の問題が背景にある場合は、精子を根本的に良くする治療法は、現状では確立されていないという。
 そして、異常を持った精子で顕微授精を行ったがために、思わぬ結果を招いてしまったのではないか――。そう思い悩むケースも出てきているのだという。不妊治療で第一子を授かった30代の妻が現在の気持ちを吐露してくれた。
「20歳半ばで結婚して1年間、自然妊娠を試みましたが妊娠できなかったので、大手不妊治療専門施設を受診しました。そのクリニックの医師の診断は、夫の精子は、精子数 8000万/mLと多く、運動率 80%(*)と高く、全く問題はないと言われました。一方で、卵子も良好と言われ、不妊原因は『受精』がうまく起こらない『受精障害』であると指摘され、『妊娠するには顕微授精しかない』と説明されました。医師や培養士さんも『顕微授精は安全です。元気な子がたくさん生まれていますから』と言ってくれました。ただ、受精できないところを無理やり人工的に授精させてしまうことに対して『本当に大丈夫なのだろうか?』と不安がありましたが…」(* WHOの精液診断基準値:精子濃度 2000万/mL以上・精子運動率 50%以上)
 この夫妻は すぐに妊娠して子どもが生まれたが、成長していく過程で精神遅滞を伴う発達障害を指摘された時には、目の前が真っ暗になったという。何が原因で我が子がこうなってしまったというのか…。
 そんな中、2人目を望む気持ちになり、黒田医師の勧めで新たに精子機能の精密検査を受けた結果、精子数や運動率は合格点だったが、衝撃的なデータが明らかになった。精子の内部機能を細かく検査してみると、多くの精子にDNA損傷が認められただけではなく、精子頭部に空胞(穴)が空いている精子が全体の90%にも及んでおり、異常精子比率が極めて多いことが判明したのだ。
機能異常精子が極めて多いなら
不妊治療断念も選択肢に
「この精子の空胞が、お子さんの障害の原因であると断言することはもちろんできませんが、空胞が精子頭部のDNA欠損や受精機能に少なからず関わっている可能性は否定できません。今後さらに精子の異常と、妊娠、出生児の異常との関連について詳細に調べていく必要があります」(黒田医師)
 精子数や運動率など、顕微鏡で精子を見た範囲では合格点であっても、詳細な解析法により隠れていた機能異常が見いだされることがある。この夫婦にとっては驚きだったようだ。
正常な精子(左)とDNA損傷精子(右)。DNA損傷精子はDNA fiberが損傷され、切断片が顆粒状に拡散している
「精子の品質管理が重要なのです。精子のDNA損傷のように因果関係が明らかなものもありますが、様々な異常が及ぼす影響を詳しく調べていく必要があります」
「具体的に申し上げれば、機能異常精子が極めて多いタイプなら、不妊治療に伴うリスクも高くなるため、治療を断念する選択肢も出てきます。一方で、精子機能が良好で高品質精子が多いタイプならば治療が可能になり、またリスクマネジメントの観点から顕微授精を含めて、どの治療法がふさわしいかを事前に検討できるようになります。この精子側の技術努力が治療の安全性向上につながるのです」(黒田医師)
 男性不妊治療の主流になっている顕微授精だが、卵子に穿刺注入する精子の品質管理が重要かつ必要であり、その点を曖昧にすると、リスクを伴う可能性があるということだ。
 一般的に卵子の老化と同様、精子の質は加齢によって悪くなるというイメージだが、そういった単純な話ではないようだ。
 精子の品質の低下(精子機能異常)を理解していく上で最も大事なことは、加齢に伴ってというより、大半のケースでは、先天的な遺伝子の問題が大きく関与しているということだ。また一方で、遺伝子の影響を受けず、精子形成障害を免れた男性でも、生まれた後の後天的な生活環境因子が精子の質(機能)に影響する可能性を否定できないという事実もある。中国に転勤することが決まったある30代前半の夫と20代後半の妻のケースを見てみよう。
 駐在前に精子機能の精密検査を行ったところ、精子数 5000万/mLと多く、運動率 90%と高く、見た目は良好だった。精子機能の精密検査においても、DNA損傷精子比率、頭部空胞精子比率ともに正常範囲内であり、受精機能もエネルギー代謝機能(運動機能)にも大きな問題が認められず、高品質精子が形成されていることが確認された。
中国駐在3年で
精子の品質が大幅に低下
 その結果から、妻の年齢が若いこともあり、3年間の中国駐在を終えて日本に帰国した時点でまだ妊娠できていなかったら、改めて不妊治療を考えるということで、晴れて中国に赴任したという。
 駐在前の検査から4年後、日本に戻ってから、この夫婦は「まだ妊娠していない」ということで再診に訪れた。改めて精子機能の精密検査を実施した結果、精子数はあまり変化が見られなかったが、受精機能とともに運動機能にも障害が認められ、運動率も20%以下に低下していたという。加えて頭部空胞精子比率が90%以上と極めて高くなっており、機能異常精子が増加していたのである。
頭部に空胞のある精子。頭部の形態も大小不同だが、空胞の形態も様々である
「激務による過労と精神的ストレスの影響も否定できませんが、むしろ大気汚染、農薬や添加物が含まれた飲食物などが精子の品質に悪影響を及ぼしている可能性の方が大きいのではないでしょうか。このケースのみならず、アジア諸国駐在員の精子に機能異常が認められる場合が意外と多いのも事実です。
 中でも、精子頭部に空胞ができている異常精子比率が高い傾向が見られます。精子頭部の空胞が、生まれてくる子どもにどのような影響を与えるのかは明らかではありませんが、不妊治療においては限りなく排除すべく技術努力が不可欠です」(黒田医師)
 黒田医師は今、数多くの海外駐在員の精子解析データの結果を見て警鐘を鳴らしている。生活環境が精子の質に大きく影響を及ぼす可能性がある――。この事実を知っているだけでも、精子に対する自覚が上がり、男性不妊の予防につながるのではないだろうか。

 

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コメント
1. 2018年9月24日 08:10:53 : kNeY0s9eJg : _DtOmeuKCLg[149] 報告
かつて知人が最初の子供が出来た後、数年間不妊で悩んでいた。その後、転勤し首都圏を離れたところ、まもなく第二子が生まれた。
 不妊には、精神的なものや環境の影響も大きい。なんでも器質に原因を求めるのも誤りではなかろうか。人間のことはまだまだわからないことが多いのだから。
2. 2021年5月14日 16:57:00 : FB0dPf57JU : WkxlcXAzL2VtaEU=[11] 報告
無精子症のAI病理診断 男性不妊症治療の普及につながるか
https://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/%E7%84%A1%E7%B2%BE%E5%AD%90%E7%97%87%E3%81%AEai%E7%97%85%E7%90%86%E8%A8%BA%E6%96%AD-%E7%94%B7%E6%80%A7%E4%B8%8D%E5%A6%8A%E7%97%87%E6%B2%BB%E7%99%82%E3%81%AE%E6%99%AE%E5%8F%8A%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%AA%E3%81%8C%E3%82%8B%E3%81%8B/ar-BB1gIirB?ocid=msedgntp

男性不妊症患者に朗報だ。東邦大学医学部泌尿器科学講座の小林秀行准教授らの研究チームが世界で初めて、無精子症患者の精巣内の状況をAI(人工知能)で自動的に病理診断させるモデルを開発した。その論文が英科学誌「Scientific Reports」(5月10日付電子版)に掲載され、正診率は80%以上という。現在、日本の病理専門医数は2620人(2020年11月2日時点)。多くはがん専門で、精巣を診断できる病理医はほとんどいない。そのため、男性不妊症患者が病理検査を受けても結果を受け取るまで1カ月以上かかり、患者の精神的負担だけでなく男性不妊症治療が普及しない一因となっていた。開発した小林准教授に話を聞いた。

WHO(世界保健機関)によると不妊症の原因は女性側のみ41%、男性側のみ24%、男女の双方24%、原因不明11%で、約半数は男性にも原因があるとされている。

男性の不妊症の原因の8割は精子を正常に作ることができない造精機能障害で、精巣内で元気な精子を作る機能が低下していると考えられている。その最も重篤な病態が無精子症だ。

「無精子症には精巣で精子は作られるものの、その通り道が何らかの原因で閉塞しているものを閉塞性(OA)と呼び、全体の20%を占めます。通り道に問題はないが精子がほぼ作られていないものが非閉塞性(NOA)で、こちらは全体の80%といわれています」

治療は局所あるいは全身麻酔による精巣内精子採取術(TESE)を行う。OA患者は陰嚢を皮膚切開して精巣の白膜を切り開き、その組織の一部を採取する。一方、NOA患者は精巣の白膜を大きく開いて手術用顕微鏡で精巣内をくまなく探索して精子を採取する。前者は日帰り手術、後者は入院手術が一般的だが、小林准教授が所属する東邦大学医療センター大森病院リプロダクションセンターではどちらも日帰り手術で行っている。

「問題は、こうして苦労して採取した精巣内の組織を診断する病理医が不足していて、診断までに1カ月以上かかることです。なかには病理医がいない地域もあり、男性不妊症治療の普及の大きな障壁になっています」

病理医は採取した組織片を観察し「Johnsen score」と呼ばれる精巣内での精子への分化を数値化する指標を用いて、精巣内の状態を把握する。

「このスコアは、約50年前に発表され、今も世界中で使用されています。スコアは1〜10点に分かれ、点数が上がるほど精子への分化が進んでいることを示し、8点以上で精子が確認できます」

点数は1点(細胞成分が認められない)、2点(精祖細胞が認められずセルトリ細胞のみ)、3点(精祖細胞のみ)、4点(精母細胞5〜10個)、5点(精母細胞多数)、6点(精子細胞5〜10個)、7点(精子細胞多数)、8点(精子5〜10匹)、9点(精子多数も精細胞配列が不規則)、10点(精子多数)となっている。

ОA患者は、精子が採取される割合は高く、8点以上の特徴を示す。NOA患者は、精子採取の割合は低く、主に、1〜3点を示すことが多い傾向にあるという。

■正診率は80%以上

今回、小林准教授の研究グループは、2010年1月から19年12月までに東邦大学医療センター大森病院リプロダクションセンターを受診した患者で、ОAまたはNOAでTESEを施行した264症例の病理標本を対象に合計7155枚の病理写真を撮影。4群(1〜3点=ラベル1、4〜5点=ラベル2、6〜7点=ラベル3、8〜10点=ラベル4)に分けた。そのうえで機械学習の専門知識がなくても独自の画像認識モデル作成、検証ができるGoogle Cloud「AutoML Vision」を利用し、男性不妊症患者の精巣内の状況を自動的にAI病理診断させるモデルを完成した。

この時点での正診率は82・6%だったが、スコアを判断する部位を切り抜いた加工画像9822枚を用いたところ、正診率は99・5%に跳ね上がったという。

「最初の正診率が80%台に留まったのは、ラベル2と3の判断が難しかったからです。精母細胞が多数いる場合に精子細胞が紛れ込んでいる例が複数あり、スコアの5点と6点の判断が正しく行えなかったからです」

この研究は男性不妊症治療にどう役立つのか。

「これまで熟練した病理専門医が行っていたJohnsen scoreを自動化できたことで、病理医不足からTESEに尻込みしていた施設でも、積極的に手掛けるキッカケになるでしょう。それが男性不妊症治療の普及につながることを期待しています。すぐに病理医に取って代わることはできませんが、病理医の診断の手助けになるはずです。また、このシステムが完成すれば、患者さんは1カ月以上、検査結果を待つことの精神的苦痛から解放されます」

日本の出生率低下に歯止めをかける武器になるかもしれない。

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