詐欺師の嘘はもういいよ これが真実 気になったので引用元論文を読んだら炭水化物はエネルギー摂取量の50-55%取るべきと書いてあったし、そもそも貧困国への栄養ガイドライン適用の話でした
2017-10-05 "「糖質制限」論争に幕?"で引用された論文は糖質制限を勧めてなどいない http://oishiku-protein.hatenablog.com/entry/lancet_article_in_tk
検証よみもの-食事法
先日、東洋経済オンラインで以下の記事を読みました。 「糖質制限」論争に幕?一流医学誌に衝撃論文 「炭水化物は危険、脂質は安全」の波紋 江部 康二 : 高雄病院理事長 http://toyokeizai.net/articles/-/190605
記事を読むと「医学系の一流ジャーナルであるLancetに」「糖質制限を肯定する”衝撃論文”が発表された」という主張です。 内容を疑わしく思い、Lancetに掲載された元論文を入手して読んでみたのでそれについて書きます。
これね。 www.ncbi.nlm.nih.gov ※論文の電子版は、大学等の研究機関に所属している場合はその大学が権利を購入していれば大学図書館等からアクセスできます。一般の利用者は個人でジャーナルに購読料を払って読むか、国立国会図書館で無償で入手できます。 結論としては「一流ジャーナルであるLancetに」「炭水化物の摂取量が多すぎると死亡率ないし心臓疾患の発生率が上がるという論文が発表された」は正しい情報だけど、「糖質制限を肯定する」の部分は完全なる虚偽です。消防署の方から来ました、レベルの話でちょっと本気でびびる。こんな話がオンラインとはいえ雑誌に載り、医師の個人名で発表されるんだな、情報社会こわい。 途上国の栄養ガイドラインについての話だよ まず当該論文が何を明らかにするために、どんな調査をしたかをざっくり説明します。主に論文2ページ目の”Added value of this study”の欄から引用すると、 •現在の国際的な栄養ガイドラインでは「脂肪摂取量を少なくすること(カロリー摂取量の30%以下)」や、「飽和脂肪酸の摂取量をカロリー摂取量の10%以下にして、代わりに不飽和脂肪酸をとること」を勧めている •これらのガイドラインが根拠としているデータは米国およびヨーローッパにおける調査データであるが、米国やヨーロッパでは栄養の過剰摂取に注意が払われている •このガイドラインを、栄養失調が一般的であるような国(注:要は貧しい国)でもそのまま使えるかは疑問である という話で、要は「貧しくて炭水化物摂取の割合が非常に高い国の人たちの栄養を考えるときに、食べ過ぎの欧米人のデータを使って『脂肪の摂取量を減らしましょう』と言うのは正しいの?明らかに炭水化物をとりすぎている人たちに対しては、脂肪の摂取等が勧められるべきだったりしないの?」というのがこのチームが明らかにしたいことです。それらを検証するために、東洋経済の記事でも書かれているように、5大陸18カ国13万人の膨大な食事データが調査されています。 引用原文 Current guidelines recommended a low fat diet (<30% of energy) and limiting saturated ratty acids to less than 10% of energy intake by replacing them with unsaturated fatty acids. The recommendation is based on findings from some American and European countries where nutrition excess is of concern. It is not clear whether this can be extrapolated to other countries where undernutrition is common. Moreover, North Americans and European populations consume a lower carbon hydrate diet than populations elsewhere most people consume very high carbohydrate diets mainly from refined sources.
で、調査の結果がどうだったかというと、こちらは9ページ以降の”Discussion”から引用すると、 •従来言われてきた「脂肪の総摂取量をカロリー摂取量の30%以下、飽和脂肪酸をカロリー摂取量の10%以下」という方針と反する結果が出た(注:脂肪の総摂取量、飽和脂肪酸の摂取量が高いグループで死亡率や心臓病の発生率が下がった) •炭水化物の摂取量が多い人(注:カロリー摂取量の60%以上、その分、脂肪やタンパク質の摂取量が少ない)は、炭水化物を減らして脂肪の摂取を増やした方がメリットがある(注:死亡率が減る)と思われる •われわれの調査の中で収入が少ない国、収入が中程度の国では非常に炭水化物の割合の高い食事(60%以上)が取られていて、特に白米や白いパンなどの精製された原料が多かったが、これら精製された原料は死亡率や心臓病の発生率を上げると従来の研究で示されている •だから炭水化物の代わりに脂肪やタンパク質(注:炭水化物より高価)を取ることが可能な場合(経済的に可能で、かつ入手できる環境の場合に)においては、炭水化物を少なくしようという栄養指導が正しいと思われる としています。(補足すると、食事に気を使っている人は他にも健康のための取り組みをしていのかもとか、炭水化物の摂取割合の高さはシンプルに貧しさを反映してしまっているのかも等も議論されています。) 引用原文 Our findings do not support the current recommendation to limit total fat intake to less than 30% of energy and saturated fat intake to less than 10% of energy. Individuals with high carbohydrate intake might benefit from a reduction in carbohydrate intake and increase in the consumption of fats. (中略) Moreover, our study most participants from low-income and middle-income countries consumed a very high carbohydrate diet ( at least 60% of energy), especially from refined sources ( such as white rice and white bread), which have been shown to be associated with increase risk of total mortality and cardiovascular events. Therefore, recommending lowering carbohydrate might be particularly applicable to such settings if replacement foods from fats and protein are available and affordable.
極端な糖質制限については論文中で明確に否定されている さらに同じくDiscussionからですが、論文著者は極端な糖質制限について明確に否定しているので引用します。 •炭水化物の摂取量がカロリー摂取量の50%以下の場合に死亡率等が上がらなかったことは、極端に炭水化物の少ない食事が良いと示すものではない •重要なことだが、一定量の炭水化物の摂取は運動による短期的なエネルギー需要を満たすために必要なので、ほどほどの炭水化物の摂取(カロリー摂取量の50-55%等)は、非常に高い摂取量や非常に低い摂取量より適切であると思われる ちなみに日本人の平均がどれくらいかというと、厚労省の国民健康・栄養調査を見ると58-59%くらいです。なので、炭水化物を取りすぎの自覚がある人は少し控えて、その分、肉や脂肪からエネルギー摂取するというのは正しそうです。 www.mhlw.go.jp
引用原文 However, the absence of association between low carbohydrate intake (eg, <50% of energy) and health outcomes dose not provide support for very low carbohydrate diets. Importantly, a certain amount of carbohydrate is necessary to meet short-term energy demands during physical activity and so moderate intakes (eg, 50-55% of energy) are likely to be more appropriate than either very high or very low carbohydrate intakes.
で、そもそも論なんですけど、この論文を発表したチームと同じチームが同じタイミングでもう1報論文を出していて、それがこれ www.ncbi.nlm.nih.gov
こっちは「果物、野菜、豆を食べると死亡率や心臓病の発生率が下がる」という話をしています。まあ炭水化物だよね。ちなみにこっちの結論は、これまで400gから800g/日の摂取が勧められてきたけどこれは貧しい国の人には結構大変な水準であり、われわれは375g/日で従来の研究同様に死亡率や心臓病発生率を下げる効果があることを示せたが、貧しい国の人々にとっては400g/日が375g/日にほんの少し減るだけで大きなインパクトがあるだろう、とかそういう話をしています。 ここまで読んでいただけるとわかると思うんですけど、東洋経済の記事を書いた医師は引用した論文を読んでいないか、読んでいて意図的に内容を捻じ曲げたか、論文を徹底的に誤読しているかのいずれかであると思われます。 第三者の視点では「肉と性格では」という指摘も ついでにもう1つ、面白かったので同じLancetに掲載された第三者のこの研究に関するCommentを紹介しておくと www.ncbi.nlm.nih.gov
こちらでは上記の2つの論文を出したPUREチーム(PURE: Prospective Urban Rural Epidemiology、例の18カ国13万件調査)の北米とヨーロッパ以外を含む大規模調査の功績を認めつつ、 •動物性食品(牛肉、羊肉、乳製品を含む)はPUREの調査した地域のほとんどにおいて、飽和脂肪酸と一価不飽和脂肪の主要な摂取源である •飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪、動物性タンパク質の全てが死亡率と逆相関したということは、実際には単に「肉と乳製品の摂取量が生存率と相関する」というだけなのでは? •この質問に答えるためには、PUREチームは動物性食品の種類別の摂取量と死亡率の関係を調査する必要がある •微量栄養素の欠乏はPUREの調査対象の多くの国で重要な問題になっている •動物性食品は亜鉛や吸収可能な鉄分、ビタミンK12、ビタミンB12を豊富に含むが、これらの摂取は炭水化物を多く摂取する国々では最適化されない(注:炭水化物の割合が多い分、動物性食品の割合が少ないため、十分に摂取できない) •従って、栄養豊富な肉を食べることが1つ以上の栄養の欠乏をカバーした、とPUREの結果(飽和脂肪酸等の摂取量割合が高い群で死亡率が低減した)を説明できる可能性がある という指摘等がされていて、要は「もっと細かく見ないと何とも言えないね」みたいな話がされています。 引用原文 Animal products (including beef, lamb, and dairy) are the major sources of saturated fatty acids and monounsaturated fatty acids in most populations studied in PURE. Since saturated fatty acids, monounsaturated fatty acids, and animal protein were all inversely associated with mortality, is the real finding simply that meat and dairy intakes were associated with increased survival? To answer this question, PURE team needs to complete a thorough analysis relating intakes of different animal products to mortality. Micronutrient malnutrition is an important problem in many of the countries included in PURE. Animal products are rich sources of zinc, bioavailable iron, vitamin K2, and vitamin B12, which might be suboptimal in populations consuming high carbohydrate diets. Therefore, one potential explanation for the PURE results is that nutrient-dense meats corrected one or more nutrient deficiencies.
それからちょっと面白かったのが、 •Conscientiousness(以下、真面目さと訳します*1)が長寿をもっともよく説明する因子である •例えば日本では、真面目さが「高い」「中程度」「低い」で被験者を3群に分けたときに、「低い」群に比べて「高い」群は54%、「中程度」の群は50%死亡率が低かった調査がある •真面目な人は健康に結びつく様々な行動をとる、例えば、医師の指示にしたがったり、薬をきちんと飲んだり、睡眠習慣が良かったり、アルコールや薬物の乱用をしない •何より、真面目な人は食べるべきとされた食品を食べることがより多く、食べてはいけないとされた食品を食べることがより少ない という話がされていて、栄養教育の進んだ国じゃないと真面目でも何食べていいかわかんないよねとか続くんだけど、長生きはパーソナリティ次第、というの結構面白い話だなと思いました。逆に考えると、トンデモ医療に遭遇したときにこういうタイプほど影響が大きいのかもしれない。 引用原文 Conscientiousness is among the best predictors of longevity. For example, in a Japanese population, highly and moderately conscientious individuals had 54% and 50% lower mortality, respectively, compared with the least conscientious tertile. Conscientious individuals exhibit numerous health-related behaviors ranging from adherence to physicians’ recommendations and medication regimens, to better sleep habits, to less alcohol and substance misuse. Importantly, conscientious individuals tend to eat more recommended foods and fewer restricted foods.
おわりに ということで、Lancetに糖質制限を推奨する論文が出た、なんて情報は完全に虚偽でした。なんでこんなことするのかな、一般人は英語で書かれた学術論文なんて読みもしないだろうから簡単に騙されると思ってるのかな。ひどいよね。 f:id:shepherdess:20171005173551p:plain ちなみにこれTipsですけど、健康本を書いてテレビに出たりして「アメリカの◯◯大学の最新の研究によって私の提唱する健康法が正しいと証明された」とかそれ系のことを言う医師は信用しないのが良いと思います。本当に人々の健康や長寿に貢献する圧倒的な健康法があったとして、ちゃんとした医師は •健康法の実施結果のデータを取って •論文にまとめてちゃんとした論文誌に発表して •その健康法が世界のスタンダードになるようにする と思うんです。だからそれを紹介する本を書いたときも「私が◯◯(論文誌)に発表した論文では・・・」と言う話をするはずで、そうでなく「最新のアメリカの研究では・・・」等と言うことは結局その健康法が「データで立証できない仮説止まりの話」ということではないでしょうか。 仮説を思いつくのは自由ですが、「臨床経験豊富な医師が思いついた仮説だから正しいだろう」「一般人が思いついた仮説だから誤りだろう」というスタンスは明確に誤りで、誰が思いつこうが検証されていない仮説は仮説であり、実証された事実とは異なるので、ただの仮説があたかも事実のように流布されるのはひどい話だなーと思います。以上です。 http://oishiku-protein.hatenablog.com/entry/lancet_article_in_tk エビデンスもなしに眉唾な内容の本を出している連中は、ちょっとでも都合の良さそうな論文が出てくると大はしゃぎするよな。 江部康二氏は二枚舌。糖質制限で総死亡が増える論文については「(それほど糖質は制限されていないから)糖質制限食の論文ではない」。じゃあこの論文だってそうじゃん。江部氏は近藤誠枠だと思っていたほうがいい。 じゃあ、何で日本人の寿命は長いんだよ。
その論文に日本人が入っていないこと、日本人の寿命が長いことから、日本人が糖質とりすぎで寿命縮んでるとは考えづらい気がする。もう少しデータがほしい。 参照されている論文のタイトルと要約では心臓血管の疾患/死についてだけ書かれているように読めた.人間は心臓血管疾患だけが原因で死ぬわけではないと思うのだが
糖質で6割って三食パスタ食うくらいのイメージだからな。この研究はむしろ普通の日替わり定食食っててもリスクは上がらないのを示してる。米・パン・麺でお腹を膨らしてるとリスクがあるって当たり前の話。
端的に言って、この記事を真に受けると大腸がんになるはず。慎重に原典を読むことが必須。とくに便通に自信がない人は注意を。
論文本文確認したが、一応炭水化物の過剰摂取と動物由来の脂肪の不足は貧困と結びついている可能性は否定できないってエクスキューズは入っているのな
これ貧しい人たちはどうしても炭水化物過剰食物繊維不足の食事になるというあたりの影響を排除できてないでしょ/現代の炭水化物摂取における問題は食物繊維不足でしょう 糖質というより炭水化物の塊のような食品は安い物が多いので、貧困でそういうものばかり食べている人が寿命が短くなっている可能性はないのだろうか
糖質制限がかえって死亡リスクを高めるという結論に関しては、前向きコホート研究でもメタ解析でもごろごろ研究あるみたいだけどなw 東洋経済ほんとにひでえわw
論文に対するこの記事は糖質制限派の方が肩入れして書いてる感じする。栄養素は毒物じゃないんだから、過剰に取らなければ危険なんてことないのに、ただ炭水化物は危険と書けば一般の方に誤解される。
炭水化物6割以上は死亡のリスク増っていうけど、食事摂取基準を基にすれば炭水化物の目安は全体の約6割だから、過剰摂取による弊害ってだけで、糖質制限を肯定するというよりバランスのいい食事がいいってだけなんじゃないの? http://h.yea.tokyo/%E5%AD%A6%E3%81%B3/2017/10/08/%E7%B3%96%E8%B3%AA%E5%88%B6%E9%99%90-%E8%AB%96%E4%BA%89%E3%81%AB%E5%B9%95-%E4%B8%80%E6%B5%81%E5%8C%BB%E5%AD%A6%E8%AA%8C%E3%81%AB%E8%A1%9D%E6%92%83%E8%AB%96%E6%96%87-%E5%81%A5%E5%BA%B7-%E6%9D%B1.html ___________
炭水化物の摂取増加で死亡リスク上昇/Lancet 提供元:ケアネット公開日:2017/09/08
炭水化物摂取量の多さは全死亡リスク上昇と、また総脂質および脂質の種類別の摂取は全死亡リスクの低下と関連する。さらに総脂質および脂質の種類は、心血管疾患(CVD)、心筋梗塞、CVD死と関連していないが、飽和脂質は脳卒中と逆相関していることが確認された。カナダ・マックマスター大学のMahshid Dehghan氏らが、5大陸18ヵ国で全死亡および心血管疾患への食事の影響を検証した大規模疫学前向きコホート研究(Prospective Urban Rural Epidemiology:PURE)の結果、報告した。主要栄養素とCVDや死亡との関連性については、これまでのデータのほとんどが栄養過剰の傾向にある欧州や北米の集団からのもので、他の集団にも当てはまるか不明であった。著者は、「今回の結果を踏まえ、世界的な食事ガイドラインを再検討すべきである」と提言している。Lancet誌オンライン版2017年8月29日号掲載の報告。
18ヵ国の13万5千例以上を約7年半追跡
研究グループは、2003年1月1日〜2013年3月31日に、高所得国(カナダ、スウェーデン、アラブ首長国連邦)、中所得国(アルゼンチン、ブラジル、チリ、中国、コロンビア、イラン、マレーシア、パレスチナ自治区、ポーランド、南アフリカ、トルコ)、低所得国(バングラデシュ、インド、パキスタン、ジンバブエ)の計18の国・地域において、35〜70歳の13万5,335例を登録し、食事摂取量を食事摂取頻度調査票(FFQ)により調査した後、中央値7.4年(IQR:5.3〜9.3)追跡した。 主要アウトカムは、全死亡(total mortality)および主要心血管イベント(致死的CVD、非致死的心筋梗塞、脳卒中、心不全)。副次アウトカムは、心筋梗塞、脳卒中、CVD死、非CVD死であった。 炭水化物、脂質(総脂質と種類別[飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸])およびタンパク質の摂取量を、エネルギー比に基づき5分位で分類し、摂取量と各評価項目との関連について多変量Cox frailtyモデルを用いハザード比(HR)を算出した。 全死亡リスクは、炭水化物の摂取量が多いほど増加、逆に脂質では低下
追跡期間中に、死亡が5,796例、主要心血管イベントの発生が4,784例記録された。炭水化物は、摂取量が多いほど全死亡リスクが高く、最低5分位群(エネルギー比中央値46.4%)に対する最高5分位群(同77.2%)のHRは1.28(95%信頼区間[CI]:1.12〜1.46、傾向のp=0.0001)であった。CVDまたはCVD死のリスクとの関連は確認されなかった。 一方、脂質は総脂質および種類別のいずれも、摂取量が多いほど全死亡リスクは低かった。最低5分位群に対する最高5分位群のHRは、総脂質が0.77(95%CI:0.67〜0.87、傾向のp<0.0001)、飽和脂肪酸は0.86(95%CI:0.76〜0.99、傾向のp=0.0088)、一価不飽和脂肪酸は0.81(95%CI:0.71〜0.92、傾向のp<0.0001)、多価不飽和脂肪酸は0.80(95%CI:0.71〜0.89、傾向のp<0.0001))であった。 また、飽和脂肪酸は、摂取量が多いほど脳卒中のリスクが低い関連が認められた(最高5分位群 vs.最低5分位群のHR:0.79、95%CI:0.64〜0.98、傾向のp=0.0498)。総脂質、飽和および不飽和脂肪酸の摂取量は、心筋梗塞またはCVD死のリスクと有意な関連はみられなかった。 なお著者は、FFQは絶対的摂取量を測定した調査ではないことや、食事摂取量の調査がベースライン時のみで、またトランス脂肪酸の摂取量は未測定であることなどを研究の限界として挙げている。
94. 中川隆[-6323] koaQ7Jey 2017年10月11日 21:00:44 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523] ▲△▽▼ 上記を纏めると 東洋経済の記事を書いた医師 (江部康二 : 高雄病院理事長) は引用した論文を読んでいないか、読んでいて意図的に内容を捻じ曲げたか、論文を徹底的に誤読しているかのいずれかであると思われます。 結論としては
「一流ジャーナルであるLancetに」「炭水化物の摂取量が多すぎると死亡率ないし心臓疾患の発生率が上がるという論文が発表された」 は正しい情報だけど、 「糖質制限を肯定する」の部分は完全なる虚偽です。 消防署の方から来ました、レベルの話でちょっと本気でびびる。こんな話がオンラインとはいえ雑誌に載り、医師の個人名で発表されるんだな、情報社会こわい。 Lancetに糖質制限を推奨する論文が出た、なんて情報は完全に虚偽でした。なんでこんなことするのかな、一般人は英語で書かれた学術論文なんて読みもしないだろうから簡単に騙されると思ってるのかな。ひどいよね。 http://oishiku-protein.hatenablog.com/entry/lancet_article_in_tk つまり、糖質制限教の教祖 江部康二 高雄病院理事長 は詐欺師である事が証明されました。
95. 中川隆[-6321] koaQ7Jey 2017年10月11日 21:14:04 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523] ▲△▽▼ 詐欺師 江部康二に騙されないでね: 糖質制限食がダメな理由・・・・・古代人のミイラが語る・・・・ http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/585.html 糖質制限を何年も続けると廃人になる http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/734.html 96. 中川隆[-6332] koaQ7Jey 2017年10月12日 08:33:50 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523] ▲△▽▼ 糖質制限教の教祖 江部康二 高雄病院理事長 は嘘と改竄捏造の常習犯だった スーパー糖質制限の嘘八百 2016/07/12 http://ojyokoita.blog.fc2.com/blog-entry-648.html 先日、糖質バカさんのブログを読んでいたら、聞き捨てならん、いや見捨てならんものを見つけてしまいました。 ↓ 鳩山邦夫氏の訃報についてDr.糖尿モヤシ教祖が書いた記事のコメント欄がただひたすら凄かった http://toshitsubaka.blog.fc2.com/blog-entry-179.html
この記事の中で引用しているモヤシ教祖のブログ記事、 鳩山邦夫氏の死去及び糖質制限食の有効性・安全性に関して。 http://toshitsubaka.blog.fc2.com/blog-entry-179.html の中の、以下の記述です。 3) @米国糖尿病学会は、2007年まで 糖尿病の食事療法において 糖質制限食は推奨しないとしていました。
A2008年、「食事療法に関する声明2008」において、「減量が望まれる糖尿病患者には 低カロリー食、もしくは低炭水化物食によるダイエットが推奨される」と、 1年の期限付きで、糖質制限食の有効性を認める見解を記載しました。 B2011年、肥満を伴う糖尿病患者に2年間の期限付きで 糖質制限食の有効性を容認しました。 C2013年、「食事療法に関する声明2013」において期限や限定なしで、 糖質制限食を容認しました。 (中略) 3)により、米国糖尿病学会が、6年間をかけて、肯定・否定含めて、様々な多数の研究論文を検証して、 糖質制限食を容認したプロセスがわかります。 つまり、米国糖尿病学会は、2013年、糖質制限食の有効性と安全性を正式に容認しました。 ここにおいて、日本糖尿病学会がどのような見解を出そうと世界的には、糖質制限食の有効性・安全性は担保されたと言え、この論争に関しては勝負はついたということです。 米国糖尿病学会のサイトを読んだことがある人なら、「よくもまぁ、こんな大嘘を堂々と書けるものだ。」と、あきれ返ることだと思います。 信者が阿呆なのを良いことに、デタラメ、捏造やりたい放題です。
このカルト教団がやっていることは、米国糖尿病学会が全体として何を言っているのか?ということには何の理解も関心もなく、ただ都合の良いように解釈できそうな文節を抜き出し、都合の良いように捏造解釈しているだけです。 考えようによっては、朝日新聞の捏造記事よりタチが悪いと言えます。 で、この嘘に関しては、過去記事においても度々指摘して来ましたが、いまだにこんな大嘘を垂れ流しているのは社会悪にしかなりませんから、今一度ハッキリさせておきましょう。 まず、 糖質制限の嘘八百!米国糖尿病学会は本当は何と言っているのか? http://ojyokoita.blog.fc2.com/blog-entry-524.html でも述べました様に、米国で「ローカーボ」と言うと、普通の食事から単に炭水化物量を減らすというだけで、スーパー糖質制限とはかなり違います。
カルト教団公式ブログによれば、スーパー糖質制限というのは、毎回の食事の糖質量(炭水化物量ではなく糖質量)を20g以内に抑え、総摂取カロリーの比率を「糖質12% 脂質56% タンパク質32% 」とするものらしいです。 無論、「飽和脂肪酸は素晴らしい!ケトン体万歳!」と、ブログ全般で書かれています。 米国でこの考えとほぼ同じものと言うと、「ケトジェニックダイエット」と呼びます。 とは言え、「ケトジェニックダイエット」と限定すると、米国糖尿病学会の公式サイトには、ただのひと言も出て来ませんから、ここで話が終わってしまいます(笑) それだと、この記事が続きませんし、面白くもない結果になるので、ここは一つ、カルト側へのハンディキャップとして、その辺はうやむやにして話を続けます。 阿呆相手だと、ハンディもいちいちこちらが考えないといけないので大変なのです(笑) では、まず最初に、 B2011年、肥満を伴う糖尿病患者に2年間の期限付きで 糖質制限食の有効性を容認しました。 という寝言を見てみましょう。 これは、米国糖尿病学会の Standards of Medical Care in Diabetes 2013 のMedical Nutrition Therapy(医学的栄養療法)のセクションのENERGY BALANCE, OVERWEIGHT, AND OBESITY(エネルギーバランス、過体重、肥満)の章に出て来ます。 原文では何と書いてあるかと言いますと、 For weight loss, either low-carbohydrate, low-fat calorie-restricted, or Mediterranean diets may be effective in the short-term (up to 2 years). (体重減には、ローカーボ、低脂肪カロリー制限、地中海式ダイエットが2年までの短期間において効果的です。) For patients on low-carbohydrate diets, monitor lipid profiles, renal function, and protein intake (in those with nephropathy) and adjust hypoglycemic therapy as needed. そして次の文では、ローカーボダイエットを行う患者については、脂質プロファイル(総コレステロール値、LDLコレステロール値、HDLコレステロール値、中性脂肪値等)、タンパク質摂取量、腎機能を監視し、必要に応じて低血糖に対処する必要がある、と言っています。 更に同セクション、MACRONUTRIENTS IN DIABETES MANAGEMENT(糖尿病管理における主要栄養素)では、 Saturated fat intake should be <7% of total calories. 飽和脂肪酸摂取量は、総摂取カロリーの7%未満にすべきである。 と言っています。 飽和脂肪酸摂取量を総摂取カロリーの7%未満にして、総脂質摂取を56%にするなんてことは、普通の食事からは不可能ですから、米国糖尿病学会のガイドラインに従う限り、2013年の時点ではスーパー糖質制限など、お話になっていない訳です。 ちなみに、2型糖尿病の予防に関する推奨事項では、 定期的な運動とカロリー制限、脂肪摂取を控えることは2型糖尿病のリスクを減らします。 2型糖尿病リスクのある人は、14g/1000kcalの食物繊維摂取と、炭水化物摂取の半分を全粒穀物にすることを推奨します。 等と書かれています。 ほんじゃぁ、現在はどうなっているのかと言いますと、カルト教団によれば、米国糖尿病学会は期限や限定なしで糖質制限食を容認しているはずです。 Standards of Medical Care in Diabetes—2016 http://care.diabetesjournals.org/content/39/Supplement_1/S4 を見てみましょう。 糖質制限を容認どころか、ケトジェニックダイエットはおろか、「ローカーボ」の記述まで無くなってしまいました(笑) これでは私も引用のしようがありません。 医学的栄養療法のセクションには何が書かれているかといいますと、「女性の1日のカロリー摂取量は1,200–1,500 kcal、男性は 1,500–1,800 kcalにした方がいいよ。」とか、炭水化物、脂肪、タンパク質、ナトリウムと、それぞれの栄養素について記述があります。 何が書かれているのかと言いますと、別段目新しいことはなく、「精製された炭水化物よりも全粒穀物の方がいいよ。」とか、「飽和脂肪酸摂取量を減らす。」(オメガ3等の必須脂肪酸摂取は推奨)等です。 ちなみに、「心疾患の予防」セクションでも「飽和脂肪酸を減らせ」と言っています。 こんなはずではないので、こうなったら米国糖尿病学会の糖尿病患者・一般人向けのサイトを見てみましょう。 米国糖尿病学会 http://www.diabetes.org/ とは言え、ここでもこんなことが書かれています。 The goal for people with and without diabetes is to eat less than 10% of calories from saturated fat. For most people, eating this is about 20 grams of saturated fat per day. 糖尿病のあるなしに関わらず、飽和脂肪酸摂取量は総摂取カロリーの10%未満を目指すべきで、g換算すると、おおよそ1日に20g程度らしいです。 「7%未満」という2013年頃の記述に比べれば幾分緩和されましたが、それでもかなりキツイ数字です。 と言いますのも、一方で米国糖尿病学会はオメガ3系等の不飽和脂肪酸の摂取は推奨していますが、不飽和脂肪酸を多く含む食材にも飽和脂肪酸は含まれますから、注意していないと「総摂取カロリーの10%未満」は、なかなか守れないのです。 (例えば、1日の総摂取カロリーが1500kcalの人なら、1日の飽和脂肪酸摂取量は17g未満です。) 米国糖尿病学会の勧告に従い、スーパー糖質制限を行うとすれば、糖質12%、飽和脂肪酸10%で、残りの78%は何を食えばいいのでしょうか?(笑) これでスーパー糖質制限を実際にやろうとすれば、1日2回茹でたササミ、1回は青魚、毎回オメガ3-6-9系の脂肪酸をガブ飲みするしかやり様がありません(笑) 間違っても牛肉、豚肉、加工肉など食えないです。 更に、カルト教団が「素晴らしい!」とオシッコちびっているケトン体については、米国糖尿病学会は何と言っているのでしょうか? 米国糖尿病学会はケトン体について何と言っているのか? http://ojyokoita.blog.fc2.com/blog-entry-534.html という記事の中でも紹介しました通り、米国糖尿病学会は、 Moderate or large amounts are a danger sign. They upset the chemical balance of your blood and can poison the body. Never exercise when your urine checks show moderate or large amounts of ketones and your blood glucose is high. These are signs that your diabetes is out of control. Talk to your doctor at once if your urine results show moderate or large amounts of ketones. 中程度、あるいは大量のケトン体は危険な兆候です。 それらは血液のケミカルバランスを狂わし、身体を害します。 尿中に中程度または大量のケトン体があり、高血糖の場合は運動を行ってはいけません。 これらは糖尿病が制御不能であることを意味します。 ケトン体が検出された場合は、直ちに主治医に相談して下さい。 と言っています。
つまり、カルト教団が喧伝する、 米国糖尿病学会は、2013年、糖質制限食の有効性と安全性を正式に容認しました。 ここにおいて、日本糖尿病学会がどのような見解を出そうと世界的には、糖質制限食の有効性・安全性は担保されたと言え、この論争に関しては勝負はついたということです。 というのは、真っ赤な嘘。 「勝負はついた」というのは、ある面、勝負はついたと言えますが(笑)、カルト教団がどんな大嘘をつこうとも、糖質制限の有効性・安全性を担保する糖尿病学会など世界のどこにも存在しませんし、ましてスーパー糖質制限を容認する糖尿病学会など世界のどこにも存在しません。 寝言は寝て言え、という話なのです。 http://ojyokoita.blog.fc2.com/blog-entry-648.html 97. 2017年10月17日 11:35:20 : nZPHqWFO12 : mx8hqsdYPn4[16] ▲△▽▼ 詐欺師 中川隆に騙されないでね(失笑) http://biz-journal.jp/2017/05/post_19129_2.html 石器時代の狩猟採集生活で毎日走り回っていた人類にとって、糖質はめったに出会えないラッキー食材でした。そんな彼らが毎日糖質をしっかり食べないと筋肉が衰えるなどということはありません。もしも主張通りに糖質制限するとすぐに筋肉が痩せ細るのなら人類は石器時代に滅びているはずです。 98. 2017年10月17日 11:37:31 : nZPHqWFO12 : mx8hqsdYPn4[17] ▲△▽▼ http://biz-journal.jp/2017/05/post_19129.html 糖質制限でどんどん「痩せる」のはなぜか?秘密は体のハイブリッドエンジンにある! 糖質を過剰に摂取すると、インスリンが追加分泌され、過剰な糖質を体脂肪に変えて蓄える――。この仕組みについては、前回の記事で説明しました。砂糖や小麦粉、お米や芋などの糖質を過剰に摂取すると太るのであり、その逆に「糖質制限すると太らない」ことは説明がつきます。 さらに、太っていた人が糖質制限をして、するすると痩せていくのを見た人もたくさんいると思います。太らないだけでなく痩せるのはなぜでしょうか。 それは、糖質制限をすると脂肪をエネルギーとして積極的に利用し始めるからなのです。 糖新生するエネルギーとして脂肪を消費する 私たちの体の中で、「赤血球」と「脳」の一部には、一定量の「ブドウ糖」が必要です。糖質制限をすると、私たちの体は、赤血球と脳に必要な量のブドウ糖を自らの肝臓でつくり出すようになります。これを「糖新生」といいます。 そのときに、糖新生の材料として主にたんぱく質の一部を利用し、エネルギー源として主に脂肪を代謝して出てきた物質を利用するから、脂肪が減り痩せるのです。 赤血球や脳とは真逆に「心臓」などは、もともとエネルギーとして「脂肪酸」を好み、ブドウ糖は極力使いません。私たちの体の中のほかの多くの細胞も、エネルギーとして脂肪酸を使うことができますが、血液中にブドウ糖がたっぷりあるときはブドウ糖を使います。 たとえてみれば、「赤血球」はブドウ糖でしか動かない「糖質エンジン」。「脳」はブドウ糖と脂肪酸(ケトン体)の両方を使える臓器ですが、糖質を好む「ハイブリッドエンジン」。「心臓」はほぼ脂肪酸を使う「脂肪酸エンジン」。「そのほかの細胞」は「ブドウ糖と脂肪酸のどちらも利用できるハイブリッドエンジン」。 糖質制限すると、血中のブドウ糖は必要最低限が維持されるだけになるので、全身の細胞や臓器が脂肪酸をメインエネルギーにするようになります。極めて単純な仕組みです。そして、燃料のブドウ糖を食べないようにすれば、赤血球以外の細胞はこぞって脂肪酸やケトン体をエネルギーとして使うようになります。だからエネルギー源として蓄えられた体脂肪がどんどん減っていくのです。 糖質を摂取しなくても赤血球と脳に必要なブドウ糖は「糖新生」でつくられる 「毎日必ずたくさん糖質を摂取しなくてはならない、そうしないと我々は脳が働かなくなり、酸素も運搬できずに死んでしまう」――。そう叫ぶ方々が主張する理由に、上記の赤血球や脳の存在があります。 脂肪酸をエネルギーとして利用するためにはミトコンドリアが必要ですが、赤血球には核もミトコンドリアもありません。だから、赤血球は糖質(ブドウ糖)をエネルギーとするしかありません。 脳はエネルギー食いの臓器で、ブドウ糖を使うほうが効率よく動きます。もちろん脂肪酸からできるケトン体も利用できますが、ある程度のブドウ糖は毎日必要とします。 このような赤血球と脳が必要とするブドウ糖の量は、健康な成人で1日当たり130〜150gとされます。ちなみに、脳は1時間当たり約4g(安静時には約3g)、赤血球は約2gのブドウ糖を消費します。一方、健康な成人の肝臓で糖新生できるブドウ糖の量は、1時間当たり約6g、1日当たり150gです。 この2つの数値がほぼ等しいということが何を意味しているのか、考えてみたらわかりますよね。 つまり、赤血球や脳が必要とするブドウ糖量は肝臓がつくり出す量で十分に足りてしまうのです。 糖質をまったく摂取しなくても、我々は低血糖になることはありません、体は糖質ゼロを前提にしたシステムをもともと備えているのです。糖質を食べ物から摂取する必要がないということは明白な事実なのです。 さらに、前述したように脳は必要なエネルギーの70%までは、ケトン体を使うこともできます。そうすると、1日当たりに必要なブドウ糖の量は70〜90gにまで下がり、肝臓の1日の糖新生のキャパシティの半分ちょっとで足りてしまうのです。 糖質を毎日摂取しないとダメだと叫ぶ人たちは、これらのメカニズムを知らないか、知っていても知らないふりをしているのだと思われます。 99. 2017年10月17日 11:38:41 : nZPHqWFO12 : mx8hqsdYPn4[18] ▲△▽▼ http://biz-journal.jp/2017/05/post_19129_2.html 糖質制限して糖新生に頼ると筋肉がなくなって危険? さて、そのように赤血球や脳のエネルギーであるブドウ糖を肝臓で作る糖新生の材料を考えてみます。 肝臓での糖新生では、主にアミノ酸の炭素骨格を利用して糖をつくります。ほかにも乳酸、ピルビン酸、グリセロールなどが使われますが、90%はアミノ酸が原材料にされると考えられます。原料となるアミノ酸は筋肉を分解して利用することも可能です。 筋肉モリモリを愛する方のなかには、「だから糖質制限すると筋肉が痩せ細って貧弱な体になる、やるべきではない」と主張する方々がいらっしゃいます。 しかし、我々の体から筋肉がそんなに簡単に失われたら困ります。石器時代の狩猟採集生活で毎日走り回っていた人類にとって、糖質はめったに出会えないラッキー食材でした。そんな彼らが毎日糖質をしっかり食べないと筋肉が衰えるなどということはありません。もしも主張通りに糖質制限するとすぐに筋肉が痩せ細るのなら人類は石器時代に滅びているはずです。 狩猟採集生活で手に入れる食料にはたんぱく質と脂質はたっぷり入っています。消化管から吸収するたんぱく質(アミノ酸)はまず肝臓に入るので、肝臓での糖新生の場合、通常はそちらの利用を優先します。 現代人のわれわれを見てもこれは明白です。糖質を食べなくてもたんぱく質をたっぷり食べた後、3〜4時間してから血糖値が上昇する場合がありますが、これは糖新生の結果を反映しているのです。 ただし、糖質制限にカロリー制限を組み合わせた場合は話が異なります。食事から十分な量の脂肪酸やアミノ酸が供給されなければ糖新生の材料が足りません。その場合、糖新生のために筋肉が利用されてしまいます。 糖質制限する際には、特にし始めの段階では、ぜったいにカロリー制限はしないで、十分なエネルギーをたんぱく質と脂質から摂取してください。それが守れていれば通常量の筋肉を失う可能性はほとんどありません。 (文=吉田尚弘) 吉田尚弘(よしだ・ひさひろ) 大阪市内のクリニック勤務。1987年 産業医科大学卒業、熊本大学産婦人科に入局、産婦人科専門医取得後、基礎医学研究に転身。京都大学医学研究科助手、岐阜大学医学研究科助教授後、2004年より理化学研究所RCAIチームリーダーとして疾患モデルマウスの開発と解析に取り組む。その成果としての<アトピー性皮膚炎モデルの原因遺伝子の解明>は有名。 その傍らで2012年より生活習慣病と糖質制限について興味を持ち、実践記をブログ「低糖質ダイエットは危険なのか?中年おやじドクターの実践検証結果報告」を公開、ドクターカルピンチョの名前で知られる。2016年4月より内科臨床医。
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