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(回答先: 子どものゲーム依存症を軽く見てはいけない 将来に禍根を残すかもしれない 投稿者 てんさい(い) 日時 2017 年 2 月 10 日 20:34:29)
http://toyokeizai.net/articles/-/99292
「スマホ依存症」になっていませんか?(写真:わたなべ りょう / PIXTA)
もはや人の姿は、スマートフォン(以下、スマホ)を手にして完成する、と言ってもよさそうなほど、誰も彼もがスマホを手にしている。
総務省の調査では、すでに60%超がスマホを所有しており、20代に至ってはなんと94%がスマホを持っているという。
「スマホ依存症」の傾向は全体の8割に!
当記事はFUTURUS(運営:ターゲッティング)の提供記事です
何しろスマホは、できることが多彩だ。さまざまな調べ物がこれ1台で賄えるし、SNSやメールなどで人々がつながり合っている(あるいはそんな気持ちでいられる)。おまけにゲームで遊べるし、写真や動画も撮れる。音楽や映像も鑑賞できれば買い物もできる。
そして何よりも、これだけの機能を持ち歩けるのだ。もはや便利すぎてこれがなければ暮らしていけない、という気持ちになるのは当たり前すぎるかもしれない。
そして、よほど冷静で自制心がなければ、「スマホ依存症」への道を、まっしぐらなはずである。MMD研究所という調査機関のアンケートによれば、スマホを持っている15歳〜59歳の男女の内「(スマホに)かなり依存している」と「やや依存している」の合計は、全体の8割を超えたと言う。
つまり、スマホを持っている人のほとんどが、スマホに依存しているという自覚を持っているのだ。この傾向は20代ではさらに強まるという。
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それでは、そんなスマホに依存している自分を何とかしなければならない、と思っているかというと、そうでもないらしい。同アンケートでは、約半数の人たちが「デジタルデトックス」によって、スマホ依存から抜け出す必要性を感じていないと答えたからだ。
つまり、多くの人がスマホに依存してる状態を、それはそれで構わないと考えていることになる。
自分ひとりがスマホ依存症になるのは自由ではあるが、社会への影響は考えた方がよさそうだ。スマホを見ながらの「歩きスマホ」で人にぶつかったり、駅のホームから落ちたり、側溝に嵌まったりといった事故も多い。
このような人たちは、歩く時は歩く、食べるときは食べる、というようにけじめを付けることが難しくなっている。そのうち、食事中にスマホを見ていることも、行儀が悪いとは思われなくなるだろう。
スマホがリアルなコミュニケーションを阻害する
このようにスマホ依存症になると、「ファビング(Phubbing)」という、リアルなコミュニケーションを阻害する症状が現れるから注意が必要だ。つまり、スマホの画面が気になって、今そこでリアルに行われている会話や会議、指示といったことが上の空になってしまうという症状だ。
私は以前、休憩時間にカフェで読書をしていたとき、隣のテーブルにほぼ間違いなく営業マンといったスーツ姿の男性二人が座った。
営業途中の一服なのだろうと眺めていたら、明らかに後輩か部下らしい若い(まだ学生っぽかった)男性が、座ると同時にスマホを取り出しいじり始めたのだ。先輩らしき男性が話しかけると、驚いたことにその若い男性は、スマホから顔を上げもせずに「ええ、ええ、ああ、はい……」的な、気のない返事をしていた。
先輩らしき男性が怒るかと他人ごととして期待したが、すぐに自分の手帳を取り出して、次のアポの確認かなにかをし始めた。既に若い男性に対しては、何も期待していなかったのかもしれない(あるいはその先輩も、後輩の行動に何も疑問をもたないほど、馴染んでしまっているのか……)。
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「歩きスマホ」や「ファビング」以外にも、スマホ依存が高まると、ブルーライトを見過ぎて睡眠障害になったり、長時間頭を下げた姿勢でいることによる肩こりや頭痛、酷ければ「ストレートネック」といった症状が出る可能性もある。
また、ずっとスマホを持っているために指が変形してしまい、しびれや痛みを発する「テキストサム損傷」という症状も出ることがある。そしてこれは因果関係がまだ明確ではないが、鬱にもなりやすくなる、と見る向きもあり、注意が必要だ。
重度の依存症「ノモフォビア」とは?
なぜ、スマホ依存症になってしまうのだろうか。常に最新のニュースを知ることで社会とつながっていたい、SNSやメールで誰かとつながっていたい、といったことだろうか。
あるいは、ゲームを始めると点数を上げることや次の面のことが気になって仕方がない、といったこともあるかもしれない。人とつながっていたいがために、現実のコミュニケーションが阻害されたり薄くなっているという、逆転現象は気にならないようだ。
むしろ、スマホ依存症の人たちは、直に人と触れ合ったり物に触ったりすることは苦手になるらしい。その結果、当然ながらスマホのヘビーユーザーとなり、多くの人がモバイルバッテリーを手放せなくなっていく。
重度のスマホ依存症になってくると、「ノモフォビア(nomophobia:No-Mobile-Phone -Phobiaの略)」という症状が出てくる(「孤独恐怖症」を意味する“モノフォビア”とは異なるのだが、ある意味同義に近く、上手いこと表現するなぁと感心してしまう)。
「ノモフォビア」は、スマホのバッテリーが切れたり電波が届かなくなったり、あるいはスマホを忘れたことに気付いた途端にパニックになってしまう症状。人によっては、声を上げたりするというから怖い。つまり、もはやスマホがなければ、人や社会とつながれないという錯覚に陥っているのではないだろうか。
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以上のようなスマホ依存症を断ち切るための珍妙なガジェット(?)が登場して、奇妙なことに、人気になっている。その名も「NoPhone」。
クラウドファンディングのKickstarterで資金調達に成功していると言うことが驚きだが、この「NoPhone」はただのプラスチック製の板だ。
え?と思われるかも知れないが、スマホの形をしたプラスティックの板である。従ってスマホが持っている、全ての機能を持っていない。その代わりバッテリー切れの心配はないし、洗面所に落としても全く問題ない。通信費も不要だ。当然といえば当然なのだが。
しかも、「NoPhone」はシリーズで、ただの板である「NoPhone Zero」、一応スマホっぽいボタンの形がある「NoPhone」、そして鏡が接着された「NoPhone Selfie」の3種類がある。
「NoPhone」はおしゃぶりのようなもの
こんな物、何に使うのか? 早い話がおしゃぶりのようなものだ。「NoPhone」の公式サイトには次のように書かれている。
我々は、人々に彼らが望むもの──直接のアイコンタクトやより良い会話の技術といったひとつの命──を与えるために「NoPhone」を販売している。スマートフォンを超えた命。「NoPhone」の命。
もし、自分がスマホ依存症だと思ったら、少しスマホとの距離を見直してもいいかもしれない。
「NoPhone」を買わなくても、歩くときは歩く、食べるときは食べる、仕事をするときは仕事に専念する、人と話すときは相手の目を見て話す……。便利な物を便利に使いこなすことは大いに結構なことだが、何事も節度をわきまえないと、病むことになるようだ。
(文:加来 秀一)
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