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(回答先: 現代病「スマホ依存症」が招く、さらに深い闇 脱却のための「珍妙なガジェット」も登場 投稿者 てんさい(い) 日時 2017 年 2 月 10 日 20:38:25)
http://toyokeizai.net/articles/-/120379
武笠 公治 :鍼師/東京大学農学生命科学研究科農学特定支援員
2016年06月04日
便利だからと四六時中、触っていると健康に影響が及ぶことも(撮影:尾形 文繁)
「先生、動悸と不整脈が3日間止まらず、ほとんど眠れていません。食事もノドを通らないんです。どうしたら良いでしょうか」
蚊の泣くような声で電話をかけてきたのは40歳の男性プログラマー、Hさん。詳しく話を聞くと心房細動(しんぼうさいどう)の発作だった。心房細動とは心臓の拍動がうまく打てなくなる病気で、血液がよどみ、血のかたまりができやすい環境が心臓内で起きてくる。この血のかたまりが最悪は脳梗塞や心筋梗塞をおこして死に至りかねない。
「Hさん、このままじゃ命が危ない、すぐに救急車を呼んでください!」
ところが、Hさんは若いわりに頑固で私の言うことに耳を貸さずに4日間心房細動と戦った。幸いにも5日目には発作はおさまり命に別状は無かったが、下手をすれば重篤な状態に陥っていたかもしれない。
Hさんの症状の原因は?
私は鍼灸師として35年の経験があり、指圧、あんま、マッサージなども絡めて、体の痛みや凝りなどを訴えている患者を2万人以上治療してきている。Hさんとは10年以上の付き合いになり、首肩を中心に全身のメンテナンスを引き受けている。
プログラマーはホワイトカラー族でも過酷な労働を強いられる。Hさんの場合、デスクに座ったままでへばりつき、猫背でパソコンを相手に2晩くらい寝ないで仕事をこなすのも当たり前だ。
Hさんの症状の原因は首肩の深い筋肉や靭帯の凝りにあると私は考えている。まめに通院するように話していたのだが、この電話がくるまで数カ月間のメンテナンスを怠っていた。Hさんは普段のデスクワークで疲れがたまっていたうえ、以前にも増して首、肩、眼、背中のダメージがより一層ひどくなっていた。その原因はスマートフォンだ。
ここ数年で若い世代を中心として爆発的に普及したスマホ。いつでもどこでもネットにつながり、他人とコミュニケーションを取ったり、ダウンロードしたアプリで音楽やゲームを楽しんだり。さまざまな機能を持つ小型コンピュータを手放せない人は非常に多くなってきた。
このように四六時中スマホをいじる生活は、さまざまな問題を引き起こしている。典型的なのは「歩きスマホ」だ。東京消防庁によれば、2010年から2014年の5年間で徒歩や自転車で移動中にスマホを使っていたことが原因で、救急搬送される事故に遭った人は152人にも上る。これは極端だが、こうした統計に表れていなくても転倒、接触、衝突などの人身・物損事故につながり、それが原因でトラブルになっているケースは山ほどあるだろう。
仕事中であっても勉強中であっても、寝ても覚めてもスマホが気になって仕方がない。スマホに触れない時間が続くとイライラしてしまう。こうした「スマホ依存症」は精神的なストレスにつながる。ただ、問題はそれだけではない。
中高生の子供にまで「凝り」が発生しているのはなぜ?
私のもとに痛い鍼治療だと知っていて来院する患者の中に、最近は中学生や高校生の姿が見受けられるようになっている。大人ならまだしも、なぜ子供たちに「凝り」が原因の症状が多くなってきているのか疑問を持っていたところ、勉強やビデオゲームのやりすぎだけではなく、むしろ、スマホばかりいじっているスマホ依存症が原因だということに気がついた。
中学2年生のSさんはバスケットボール部で活躍する活発な女の子。お母さんが偏頭痛で来院していて完治に向かっている途中、「長女も偏頭痛と慢性鼻炎で悩んでいるので、鍼治療をお願いしたい」とのことだった。「本人が治療する気ならいつでもいらっしゃい」と伝えると、すぐに来院した。
Sさんの首の筋肉はとても固く、14歳の女の子のものとは到底思えなかった。バスケットボールの練習中とか試合中に転んだことが何度もあるというので、頚椎捻挫を疑って治療を開始したのだが、すこし良くなったかなと思ってもすぐに再発した。
おかしいなと感じていたところ、たまたまSさんが待合室で妹とスマホのゲームに興じていたのを見て、私はお母さんに「Sさんは1日、どのくらいスマホをいじっているのか分かりますか?」と尋ねた。すると、「ほとんど1日いじっていて、時間を制限しても守らないので困っている」という返事だった。なるほど、治るわけがなかった。スマホ依存症が原因だったのだ。
多くの小中高校生が肩凝りや頭痛、首の凝りの改善を訴えて来院してきている。すべてスマホのせいだとはいえないが、8割を超える割合でスマホいじりが原因にあるというのが私の実感だ。首の筋肉の凝りによる痛みは、顔や喉にある器官の神経を興奮させ、耳鳴りやドライアイ、慢性鼻炎の原因ともなる。
30〜50代でも頭痛やめまい、耳鳴り、吐き気を訴えるデスクワーカーが驚くほど多くなっている。その原因がスマホ依存症であることも少なくない。
特に首の筋肉の凝りが体の不調の元凶だということを現代医化学は知らない。痛みと病気の関係の研究が大幅に遅れているからだ。スマホを使うと姿勢は前かがみになり、首はうなだれ、視点は長時間に渡って一点にとどまる。焦点を合わせる目の器官は疲労困ぱいして悲鳴をあげる。
もともと人間の目は光源を見るようにはできていない。自然界では太陽光による反射光で、あらゆる「モノ」を見るように発達してきたため、光の源を見つめすぎると視神経はすぐに疲れてしまう。視神経の疲れが脳を異常な興奮状態におとしいれ、睡眠障害や目の奥の痛み、頭痛、めまい、嘔吐などの症状があらわれてくるのだ。
「眼精疲労」は睡眠を取っても回復しない
いわゆる目の疲れ「眼精疲労」である。眼精疲労は眼疲労とはまったく違う症状で、睡眠を取って休んだとしても回復しない。スマホの使い過ぎはパソコンやテレビの見過ぎ以上にさまざまな症状のもとになる。悪循環的に聴神経まで過敏にさせ、最終的には「メニエール病」に至る。
メニエール病は女性に多いが、男性も少なくない。めまいや難聴、耳の詰まりなどを感じる病気だ。症状がひどくなると、頭を少しでも動かすだけで立っていられなくなるほどの回転性のめまいが襲い、耐えられない気分の悪さと吐き気をもよおす。科学的には原因不明とされ、医師の処方する投薬治療では完治しない。経済活動だけでなく普段の生活にまで支障をきたす。
筋肉は、縮むことと伸びることの繰り返しにより、体液が滞らず各器官に運ばれて、細胞や組織が元気になるように設計されている。座りっぱなしや立ちっぱなしなど同じ姿勢を長時間続けさせると、筋肉細胞は疲労が始まり、筋肉は収縮して硬くなり凝るようになる。筋肉にとって必要な酸素や栄養が運ばれないばかりか、疲労物質が排出されないため筋肉の細胞がこの環境を嫌がって萎縮するからだ。
凝りからくる痛みの恐怖は、首肩や背中の痛みだけにとどまらない。痛みとは、神経の興奮を意味する。凝りが神経を興奮させ、その興奮は生命を保つための大切な臓器や器官の働きの邪魔をすることになり、致命的な病気となる。いわゆる自律神経失調症である。しかも、大問題は、自律神経に効くクスリがこの世に存在しないことだ。
自律神経の興奮は血管を収縮させる。流れを止められ血液はかたまりとなって、脳や肺に運ばれ血管をふさぎ、死亡や重度な後遺症を残す疾患を発症させる。長時間の座りすぎで死に至る病気である「エコノミー症候群」だ。
最近では、熊本の大震災後、乗用車の中に避難する人がエコノミー症候群に見まわれたニュースは記憶に新しい。すべての元凶である首の凝りは腕の良い指圧師や鍼師、整体師の手を借りなければ完治は望めない。
スマホの長時間使用は神経の異常な興奮を引き起こす
スマホの使用時間が長いということは、首、肩、背中、腰を痛め、体内の神経の異常な興奮を引き起こす。神経の興奮はカラダの諸器官の働きをそこね、治癒不能の症状により「社会的廃人になる」といってよい。長年の臨床上、筋肉の興奮と自律神経の失調による疾病の因果関係と治療方法を一刻もはやく講じなければ文明国の名前を返上しなければならないだろう。
動物は動いてこそ、生命を快活に維持できるように変化してきた。経済活動の利便性のためや快楽の追求のために、体を静止した状態で作業を長く続けられるように人は進化してきていない。
スマホの使用時間を制限しないかぎり、どんなに良い治療方法をもってしてもスマホ依存症による文明病を解決できない。ただ、大人でさえコントロールが難しいスマホの扱い方を、どうやって子供たちに指導すれば良いのか? 10代を子供に持つ30〜50歳の働き盛りだけの問題ではない。
ただ単にスマホを取り上げればいいというような目先の解決策だけでは処理できない。次代を背負う子供達の健康を守るには、使用時間を設定できるようなソフトウエアを備えた機器の開発も考えなければならないのかもしれない。
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