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缶コーヒーや野菜ジュースは危険?激しい睡魔や疲労感、糖尿病やメタボのリスクも
http://biz-journal.jp/2017/01/post_17716.html
2017.01.13 構成=編集部 Business Journal
ビジネスパーソンの“相棒”ともいえる缶コーヒー。朝、出勤前に1本飲み、仕事中はデスクの上に常備、会議や残業時には「眠気覚ましに」とまたゴクリ――これが、もはや習慣となっている人も多いだろう。
しかし、覚醒作用は一瞬で終わり、その後「集中力が持続しない」「なぜか頭がぼんやりする」「吸い込まれるような眠気が襲ってくる」という経験はないだろうか。実は、それらの症状には危険なサインが潜んでいるという。いったい、どういうことか。『成功する人は缶コーヒーを飲まない 「すべてがうまく回りだす」黄金の食習慣』(講談社)の著者で心療内科医・医学博士の姫野友美氏に話を聞いた。
■缶コーヒーを飲む人は仕事ができない?
――なぜ缶コーヒーを飲んでも頭がすっきりせず、すぐに眠くなってしまうのでしょうか?
姫野友美氏(以下、姫野) それは、砂糖が原因です。缶コーヒーは、「微糖」「甘さすっきり」などと書かれていても、多くの砂糖が含まれています。砂糖は体内で吸収されやすいため、摂取すると血糖値が一気に上がります。すると、それを下げるために膵臓からインスリンが分泌され、今度は血糖値が急激に下がってしまいます。本来、血糖値は緩やかに上下するのですが、砂糖によって急上昇して急降下するという不安定な状態になってしまうのです。
「ひめのともみクリニック」より
血糖値が下がるということは、脳にとって重要なエネルギー源であるブドウ糖が供給されないということであり、そのときに強い眠気に襲われます。そのため、缶コーヒーで一度は「元気が出た」と思っても、1〜2時間後には眠くなってしまうのです。
そして、眠気を覚ますためにまた缶コーヒーを飲む……という悪循環にはまってしまうと、血糖値の反応が緩慢になり、いくら砂糖を摂っても血糖値が上がらない「無反応性低血糖症」になってしまいます。仕事の効率を上げるために缶コーヒーを飲んでいたのに、常に頭がボーッとして集中力も気力もないダメ社員ができてしまうというわけです。そのため、缶コーヒーを選ぶ際は「無糖」「砂糖不使用」などにするのがいいでしょう。
――砂糖が原因ということは、缶コーヒーだけの問題ではないですね。
姫野 飲み物では、栄養ドリンクや清涼飲料水も同じです。また、菓子パンやスイーツをはじめ、スナック菓子やせんべい、白米や麺類などの食べすぎも精製された糖質の過剰摂取につながり、血糖値の乱高下を招きます。さらに問題なのは、砂糖には依存性があることです。
本書に詳しく書かれていますが、チョコレートなどの甘いものを食べると幸せな気分になるのは、脳内に「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンが分泌されるから。セロトニンの合成にはトリプトファンというアミノ酸が必要なのですが、チョコ自体には含まれていないため、体内のトリプトファンを総動員しなければなりません。しかし、そのうち原料となるトリプトファンが枯渇してしまうためセロトニンを増やすことができなくなり、いくら甘いものを食べても満足できなくなってしまうのです。
また、甘いものを食べると「快感物質」と呼ばれるドーパミンが分泌されるため、脳には「疲れたときには甘いもの」とインプットされます。そのため、つい手が伸びて依存性を強めていくのです。
■野菜ジュースの飲みすぎで糖尿病の危険も
――仕事の合間にお菓子をつまむ……という人も多いと思いますが、どうすればいいのでしょうか?
姫野 チョコの代わりにナッツやチーズ、缶コーヒーの代わりに牛乳や豆乳を選べば、セロトニンの原料であるアミノ酸=たんぱく質を多く摂取することができます。また、集中力の低下や疲労感はビタミンB群不足の可能性が高いため、ランチなどで肉や魚を食べることを意識すれば、たんぱく質とともにビタミンB群も豊富に摂ることができるので“燃費”のいい体になります。
逆に、「ラーメン大盛りにご飯、デザートにシュークリーム」などは糖質過多になるため、食後30分〜2時間ぐらいで強い眠気に襲われるのは当然です。午後に大事な会議やプレゼンを控えているときは、麺類や丼ものなど単品メニューを避け、定食を頼んでご飯抜きにするのがベストです。
そういう意味では、クッキーやせんべいよりもビーフジャーキーやするめのほうが脳にとってはいい間食といえます。小腹が空いてコンビニで何か買うときは、お菓子よりおつまみのコーナーにあるものを選んだほうが賢明です。
また、「野菜不足を補うために野菜ジュースを飲む」というのは、逆に体にとって害になります。本書に詳述してありますが、野菜ジュースは食物繊維が分解されてしまう上に糖質が多く含まれています。果物が入っているものも多いですが、果糖は吸収が速く内臓脂肪を増やすため、飲み続けることでメタボリックシンドロームや糖尿病になりやすくなってしまうのです。ビタミン補給としても不足しており、「お菓子を食べるよりはまし」というレベルです。
■砂糖をやめたらパニック障害が治った男性
――著書の中では、「砂糖の摂りすぎはメンタルにも影響を与える」と指摘していますね。
姫野 先ほど述べたセロトニンが不足すると、イライラしたり、不安感や疲労感が強くなったりします。また、血糖値を上げる際に分泌されるアドレナリンやノルアドレナリンのホルモンによって、怒りや攻撃性が高まり、恐怖や抑うつを感じやすくなるのです。私のクリニックでは、精神的な症状で受診した患者さん400人のうち360人に「機能性低血糖症」(血糖調節異常)が見られたというデータがあります。
「ひめのともみクリニック」より
あるパニック障害の男性(40歳)は、朝起きると体がだるく憂鬱で、通勤電車の中で動悸や息切れを繰り返すために会社に行けなくなっていました。その男性は、不安になると缶コーヒーを飲むため1日3〜5本も消費、気分を落ち着かせるために毎朝キャンディを口にしていたそうです。そこで、薬による治療は継続しながら、「砂糖を一切摂らない」ことを徹底してもらいました。すると、どんなに薬を飲んでも改善しなかったのに、砂糖断ちをしてしばらくたつと、笑顔で「会社に行けるようになりました」と元気な姿を見せてくれたのです。
このように、パニック障害やうつ病を抱える患者さんの中には、実は低血糖症の人が多くいます。私は、うつ病は「脳の代謝異常と炎症である」と言っていますが、精神的な疾患も食生活である程度改善することができます。
■食べていても脳が栄養失調の現代人
――糖質を控えれば血糖値が乱高下することもなく、精神的にも落ち着くということですね。
姫野 脳にとってもっとも大切な栄養素である、たんぱく質を摂ることも大切です。もともと、日本人は糖質を摂りすぎの半面、たんぱく質が足りていないケースが多いのですが、脳の乾燥重量の40%はたんぱく質であり、神経伝達物質もそれをキャッチする受容体もたんぱく質でできています。そのため、たんぱく質を適切に摂取することで、脳の機能が活性化して頭の回転が早くなるといえます。
最適なのが肉や魚、卵、豆腐、大豆製品などです。糖質は吸収が速いため、食べてもすぐにお腹が空いてしまいますが、たんぱく質はゆっくり吸収されるため、腹持ちがいいエネルギー源です。朝食には菓子パンと缶コーヒーより、ゆで卵を1個食べるほうが、はるかに燃費がいいといえるでしょう。
――心身ともに健康を保つには、ご飯やパンといった炭水化物ばかりではいけないということですね。
姫野 私は「新型栄養失調」と呼んでいますが、ちゃんと食べているつもりでも、実は栄養不足になっている現代人は多いです。糖質(炭水化物)で満腹感は満たされますが、実は脳に栄養がいっていないので仕事がはかどらず、メンタルも崩しがちになってしまう……これは、企業にとっても大きな損失といえるでしょう。
以前、私が調べたところ、うつ病で休職している社員は1社につき約1割。年収600万円の社員が休職すると、企業は休職費用などで年間約1300万円のコストを負担するという試算もあります。そのため、企業としては社員の健康対策にお金を使って充実させるというのが、もっともコストパフォーマンスのいい投資になるのです。
■朝起きられない人は鉄分不足?
――ほかに、ビジネスパーソンにとって大切な栄養素や食習慣を教えてください。
姫野 意外に多いのは、男性の鉄分不足です。貧血というと女性のイメージがあるかもしれませんが、心身の不調を訴える男性は鉄分不足になっていることが多いのです。特に「寝起きが悪い」「午前中は頭がうまく働かない」などの症状は要注意。鉄分は睡眠覚醒をコントロールするシステムに関係しているため、寝付きや寝起きの悪さに影響します。鉄分はビタミンCと一緒に摂ると吸収率が高まるため、レバーや牛肉、かつおなどにレモンをしぼったり緑黄色野菜を組み合わせたりするといいでしょう。
また、男性にとって重要な栄養素が「セックスミネラル」とも呼ばれる亜鉛です。薄毛や抜け毛に効果があるとされる亜鉛は、生殖機能とも密接な関わりがあり、男性機能の回復に役立ちます。また、前立腺肥大症やアルツハイマー病の予防にも効果があるとされており、記憶力や頭の回転の向上に寄与します。亜鉛は鉄分と同じくレバーや牛肉のほか、牡蠣やホタテ貝に豊富に含まれています。
(構成=編集部)
●姫野友美(ひめの・ともみ)
心療内科医・医学博士
ひめのともみクリニック院長・日本薬科大学教授・東京医科歯科大学医学部卒業
分子整合栄養医学に基づく栄養療法を実践し、日々診療に当たっている。糖質制限をいち早くメディアで紹介し、テレビやラジオでも活躍中。主な著書に『成功する人は缶コーヒーを飲まない』(講談社)、『心療内科に行く前に食事を変えなさい』(青春出版社)、『美しくなりたければ食べなさい』(三笠書房)、『急に不機嫌になる女 無関心になる男』(青春出版社)など。
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