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雑感。小売復活にむけた戦略について考える
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52902028.html
2017年01月09日 在野のアナリスト
今週から早くも米株市場は企業決算に焦点がうつってきます。その前に、小売関連は年末商戦が不振だったこともあり、大きく調整しています。ネット販売に主軸が移った、としても好調が伝えられる米経済で、小売業態の不振は雇用などにも直結する問題であり、製造業の工場移転を封じるより、小売の復活を促した方が雇用全体には大きく寄与するはず、ともいえます。米国ではいずれネットと均衡し、小売が復活するとの見立ても多いようですが、このままいけば小売はジリ貧でしょう。規模が小さくなれば大量入荷、値引きというスケールメリットが使えなくなり、ネットとの価格差は拡大するからです。しかしこれは日本にも同様の動きがあり、小売の復活について少し考えてみます。
衣服や靴など、本来は自分の体にフィットするかどうか、を確認して買うようなものまで今はネットで調達します。合わなければ売ってしまえばいい、が前提だからで、回転が利くものはネットが有利です。そんな中、ユニクロがここまで好調だったのも、価格と機能のバランスがいいというばかりでなく、自社生産、販売というネットでは売っていないものだったからです。しかも、要らないからと再販しようにも、販売価格がそれほど高くないため、二束三文にしかならない。これが差別化になりました。
しかし例えばヤマダ電機など、自社でEveryPadやHERBブランドを展開するなどしていますが、全く盛り上がらない。それは価格と性能、そしてデザインなども含めてバランスが悪いためです。これは戦略はよいが、生かしきれていない、といった典型であり、このネットでは絶対に売らない、それでも人々が欲しいと思える製品をどう揃えるか? といった点が小売復活の鍵になるのでしょう。そのためには小売による製造業の買収、もしくは独自販売契約といった生産体制をどう組むか、が重要と考えます。
つまり実店舗の強みは、きめ細かいサービスと故障時などの対応です。特に今、家電などの安価なものは中国製などが増えていますが、保証に関しての不安が付きまといます。しかし中国製であっても、家電量販店が独自ブランドとして実店舗でしか売らず、アフターサービスまで行うのなら、消費者も安心して買える。当然、価格も考慮して戦略を練るのなら、実店舗への客の呼びこみにつながるでしょう。小売が盛り上がるキラーコンテンツとして、ネットにはない商品、そうした展開も必要なのかもしれません。
しかし今とて自動車業界は販売奨励金など、消費の先食いでつなぐ状態。雇用統計では賃金の上昇も顕著でしたが、下層の低賃金で働く層にまで恩恵があったとは、到底思えない。そこに来て、トランプ氏の施策では米国で低賃金労働層を増やす恐れもあり、そうなると小売はますます失速することになるのでしょう。それが百均などの便利グッズでもよいのですが、実店舗でしか買えないキラーコンテンツ、そのついで買いを促すためには、まず実店舗に客をよびこむための、小売側の戦略が重要となってきます。
日本の百貨店は、中国人富裕層の爆買いをアテにしすぎ、爆買いのために売り場面積を広げるなどしたため、逆に日本人の客を遠のかせた、とされます。これも消費者の変化に合わせようとしたため、変化の速度についていけない、またついていこうとするとコスト増になってしまう、といった受身の態度が失敗の原因なのでしょう。客がそこでないと買えない、欲しいと思える攻めの戦略が、小売には求められるところなのでしょうね。
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