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筆者は基本的に強気のベテランアナリスト。当時と条件は違うが「1987年のブラックマンデーのような暴落に注意せよ」という(写真:AP/アフロ)
第2の「ブラックマンデー」は突然やってくる 1987年日経平均は1日で3836円も下落した
http://toyokeizai.net/articles/-/150339
2016年12月18日 平野 憲一 :ケイ・アセット代表、マーケットアナリスト 東洋経済
■押し目は待っても来ないが「気崩れ」は突然来る
注目のFOMC(米公開市場委員会)の定例会合(現地時間14日終了)では、米当局は予想通り政策金利を0.25%(25ベーシスポイント)引き上げて、0.5〜0.75%のレンジとした。
だが、市場が気にしていた「来年の利上げ回数」は、FOMC参加者17人の予測中央値によると、「25ベーシスずつ3回」となる。株式市場安定的上昇の条件は、「25ベーシスずつ年2回」がコンセンサスだったので、当日のNYダウはこの温度差を嫌気しての118ドル安となった。しかし、一気の1ドル117円台の円安に相殺され、翌15日(木)の日経平均株価はザラバ(日中値)で1万9436円を付けた。本年の最高値である。
引けにかけ大きく値を消したため、「目先天井か」の見方も出たが、翌16日(金)もドル円は118円台に入って、あっさり寄り付き段階で高値は更新された。
先週末の終値(1万9401円)で、日経平均は「過熱危険水域」と言われる「25日移動平均かい離率5%」の水準を6日連続上回っている。あたかも危険ラインをサポートライン(下値支持線)にしているかのような強さだ。
報道されているように、グローバル投資家の日本株への資金配分が、前月の5%アンダーウエートから過去最大の変化幅で一気に21%オーバーウエートに転じた。さらに、債券から株への資金の流れはこれから佳境に入る。35年続いた債券強気相場が終わったのではないかと、グローバル投資家の代表である米ブラックロックも判断しているようだ。
こうなってくると、多くのファンドはこの流れに乗らざるを得ず、その量が膨大なため、対処行動(ひとまずのETF《=上場投資信託》の買い)は簡単には終わらない。今までの弱気論者も、手のひらを返したように強気に転じている。このように日本株に流入する資金はわずかの下げにも買い向かって来る。ETF買いは日銀だけではないのだ。
しかし、押し目は待っても来ないのが相場の常だが、突然やってくるのもまた相場だ。突然下げる形の一つに「気崩れ」がある。
「気崩れ」とは、特に理由がないのに、売り買いのバランスが崩れて突然起きる急落現象を言う。
その代表例こそが1987年10月19日の米国のブラックマンデーだ(NYダウは前日比508ドル下落、下落率は同22.6%)。翌20日の日経平均は前日比3836円安(下落率は同14.9%)となったのである。下げの理由は後講釈でいろいろ言われるが、筆者は「だれも理由がわからず呆然としていたその日の朝」のことを、今でも鮮明に覚えている。
その翌日はあっという間に2037円高となったように、売り買いのバランスが崩れて突然起きた気崩れ現象だと言える。当時は未熟なアルゴリズム売買がそれを助長した。
■これから「危険日」は次々にやって来る
もちろん、当時とはさまざまな条件は違ってはいるが、この気崩れ現象が今週起きる危険性がある。特に22日(木)は、外国人投資家から見たら嫌な日だ。欧州系日本株ファンドは、23日(金)が天皇誕生日で休場。クリスマスを挟んで翌26日(月)がNY、ロンドン休場。さらに27日(火)ロンドン休場なので、22日は5連休前の立会日となる。
上役がクリスマス休暇でおらず、留守を任されたファンドの若手ファンドマネージャーの不満の声が聞こえてくるが、22日のオーバーナイトリスクを嫌って、ポジションをわずかずつでも一斉に減らしたら、売り買いのバランスが崩れる危険が生じないか。次々と「過熱の危険ライン」を突破している日経平均だが、今年最後のリスクと考えている。
ただ、22日を無事通過したとしても、売り方が期待する下げのタイミングは、これからどんどん来る。節税対策で年末売りを我慢した米投資家の売りが出る年明け、トランプ就任後の政策矛盾点の顕在化、金利上昇の速度予測がその都度分かるFOMC結果発表日(2月1日、3月15日、5月3日)など、来年前半だけでも注意点はいくつもある。
しかも市場占有率が50%を超えていると言われるアルゴリズム取引を考えると、「第2のブラックマンデー」はいつ起きてもおかしくない。
筆者は今回のトランプラリーを、共和党が盤石な政治的地盤を固める2年後の中間選挙までと見ているが、果実は腐る前が一番おいしい。急落をも楽しむ余裕で、これからの相場に対処してもらいたいと思っている。
さて、これを踏まえての週間の日本株予想だが、日銀金融政策決定会合(19-20日)は材料としては限定的であろう。いつ発信されてもおかしくないトランプ氏の「ドル高けん制発言」、小型無人潜水機接収で高まる米中緊張などの材料もあるが、まずはテクニカル面から見た株価の動きが重要だ。
目先の尺度となる25日移動平均(先週末時点で1万8421円)の5%かい離の1万9342円を割れると、ここから上が圧迫ゾーンになる。ひとまず25日線近くの1万8600円が下値のメドか。もし一気の2万円突破があったら、さすがに強気の筆者としても、もう苦笑するしかない。
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