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新宿にあるホテルバリアンリゾートのロビー(写真:瀧澤信秋)
ラブホテル業界で急速に進む「二極化」の実態 若いカップルは新法営業ホテルを選んでいる
http://toyokeizai.net/articles/-/147709
2016年12月17日 藤尾 明彦 :東洋経済 記者
少子化、セックスレスなど環境変化の荒波にもまれているレジャーホテル(ラブホテル)業界が、新たな活路を見出しつつある。いかがわしい雰囲気を醸し出すいわゆる昔ながらのホテルはジリ貧傾向にある一方、女性目線を意識した洗練されたホテルは特に若いカップルに人気で、2極化の様相を呈している。
ここでいうレジャーホテルとは、風俗営業法で規定された「4号営業ホテル」と、その規定条件に当てはまらない「新法営業ホテル」の2つを含んだ意味で使われることが多い。かつてはラブホテルと呼ばれていたが、業界はイメージ向上のためレジャーホテルという呼称の定着に努力してきた。
■主な客層は3パターン
4号営業ホテルは誰にも会わずにチェックインや精算ができるシステムなどを備えた施設で、店舗型性風俗特殊営業の4号営業に分類される。一方の新法営業ホテルはフロントに立ったスタッフが客に対応、レストランなども備えている。男女がデイユース(休憩利用)もできるが、女子会の利用を訴求するなどその他の目的にも応じている。
レジャーホテルの主な客層は大まかに3パターンに分けられる。不倫カップル、デリヘルなどの風俗嬢とその客(風俗利用)、若いカップルだ。このうち不倫カップル、風俗利用は人目につかないことを重視するため4号営業ホテルを利用する。一方、若いカップルは新法営業ホテルを選択するケースが増えているという。
人気の新法営業ホテルに共通する特徴は、外観から内装まで洗練されたおしゃれな作りでいかがわしさがないこと。たとえば備品から音楽、香りまでバリ島の雰囲気を醸し出すように統一し、まるで高級リゾートホテルにいるかのような印象を与えるようなホテルだ。
こうしたホテルが若者にウケる理由について、ホテル評論家の瀧澤信秋氏は、「昔のラブホテルは男性目線で直情的な雰囲気が好まれた。しかし最近の若いカップルは女性の意見が尊重される。男性にとっても女性にまた来たいと思われるようなホテルを選ぶことは理にかなっている」と言う。新法営業ホテルではフロントでスタッフと対面、他のカップルとも鉢合わせするが、「まったく気にする様子がない」(瀧澤氏)。
■数十種類のシャンプーを用意
東京・国立市のウォーターホテルS国立店のデッキスペース(写真:瀧澤信秋)
こうしたホテルが取り入れている”女性目線”は徹底している。たとえばシャンプーバイキングというサービス。数十種類ものシャンプーが取り揃えられ、自由に選ぶことができる。「家で使っているものと同じシャンプーを使いたい」、あるいは「新しいシャンプーを試してみたい」という女性のニーズに応えたものだ。またドライヤーもノーマルタイプ、カール用、アイロン用など数種類が置かれている。その他にも浴室テレビ、ビデオオンデマンド、カラオケ、サウナなど部屋の中は至れりつくせりの設備が整っている。
高級ホテル顔負けのサービスが、なぜ新法営業ホテルでいち早く導入されたのか。それには、人的サービスが限定されるという事情が挙げられる。基本的に利用客は部屋で過ごす時間が長く、その時間を楽しく快適なものにするには設備やアメニティに力を入れる必要があったのだ。
では4号営業ホテルの状況はどうか。店舗数の推移を見ると、風営法が改正された2011年の6259店から2014年は5940店と減少傾向にある(警察白書)。その理由は、少子化による若年層の減少、セックスレス傾向に加え、「都市部で一般ホテルとの競争が激化しているため」と瀧澤氏は指摘する。
それを象徴するのが、日本の三大歓楽街の1つ、新宿・歌舞伎町の動向だ。ここでは一般ホテルもデイユース(休憩利用)プランを用意しているケースが多い。「業態間の境界線が曖昧になり、休憩利用客を取り合っている」(瀧澤氏)。
もっとも4号営業ホテルは、利益を上げやすいビジネスでもある。一般的な利用単価は6000円程度と安いが、1日1室当たり2〜3組、繁盛店ではそれ以上と回転率を上げることができれば最終的な利益は大きくなる。
■リニューアルしようにも融資がつきにくい
ホテルバリアンリゾートではドリンクなどの飲み放題サービスを提供(写真:瀧澤信秋)
問題は客をいかに呼び込めるかだ。都市部では先述のように若いカップルは新法営業ホテルに流れがち。一般ホテルとの競争も激しくなっている。リニューアルで対抗しようとする場合、資金がネックとなる。4号営業ホテルは金融機関の融資を受けにくいという事情があり、基本的に自己資金で賄わなければならない。
法律の面でも、さまざまな厳しい制約がある。そもそも4号営業ホテルは現在新築することはできず、すでに存在している店舗のみ営業が許される既得権ビジネスだ。4号営業ホテルとして大規模な改築や増築を行なうこともできず、ビジネスホテルに業態転換して建て替えるケースもある。こうした厳しい環境が4号営業ホテルの減少につながっているといえる。
もっとも、不倫や風俗利用など、4号営業ホテルには一定の需要が根強くあることはたしか。また法律の許す範囲内でリニューアルをして人気を保っているホテルもある。新規に建設できないことを逆手に取り、勝ち残りさえすれば希少性の高さがウリになって残存者利益を享受することもできるだろう。
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