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6月に行われたブレグジット(英国のEU離脱)の是非を問う国民投票の結果をめぐって株式相場は大きく揺れ動いた。
「そろそろ急落があるかも」と身構える個人投資家
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161213-00149503-shikiho-bus_all
会社四季報オンライン 12/13(火) 21:06配信
11月9日(米大統領選挙の開票日)の日経平均株価の安値は1万6111円。あれから1カ月が経過した先週末12月9日の高値は1万9042円。「まだ上があったのか」とばかりに、今週12日には一時、1万9280円を付けた。1カ月で3000円上がった日経平均。
外国為替市場のドル・円相場も11月9日のドルの安値1ドル=101円10銭台からわずか1カ月程度で14円強も円安ドル高に振れた。スピード違反に見える上げに対して、「そろそろ調整あるかも」と心配する声もあちこちから聞かれるが、「余計なお世話」と言わんばかりの上昇相場である。
ただ、筆者は毎日のように心の中で思っている。「だって日経平均だから。心配するのは当然だろう」と……。株価は「経済を映す鏡」とか言われるが、今の日本の経済に対して、良くなっているという感覚を持つ日本人は多くないだろう。その感覚と乖離して上がっている日経平均に対して、“信頼できない”と考えるのは当然である。
さらにいえば、あの日経平均である。これまでどれほど、この感じにだまされたことやら……。上げるまでには時間がかかるが、いわゆる日柄整理は「ドミノ倒し」レベルのあっけなさである。「ジワジワ→ズドン」。この記憶だけは嫌というほど頭に焼き付いている投資家が多いはずだ。
■ 急落時には凄まじい力を伴う
たとえば、日経平均先物の日中値幅のトップ10をチェックするとよくわかる。東証が注文の処理能力を高めた株式売買システム「アローヘッド」を導入した2010年以降では以下の通りだ。
日経平均先物が日中取引の時間内で、上下に最も大きく動いたのは今年の6月24日だった。これはブレグジット(英国のEU離脱)決定当日で上下1570円幅。以下、のちに「バーナンキショック」と呼ばれた2013年5月23日、東日本大震災後の11年3月15日、今年11月9日の米大統領選開票日など、急落の引き金になる理由の存在する日が並ぶ。このランキングを見て気づいたと思うが、日経平均が凄まじく動くときの大半は「急落したとき」なのである。
変動幅トップ10のうち、7日が前日比で急落している。一方、上昇した3日のうち、今年1月29日は大幅高で値幅も1110円に達した。同日は日銀金融政策決定会合で、マイナス金利導入が決まったタイミングだ。日経平均先物はいったん安値1万6740円まで売られたが、「マイナス金利導入決定」のヘッドラインが流れた後に急騰。安値を付けてから16分程度で1000円以上もぶっ飛んだ。
一方、それ以外の2日(13年5月24日と15年8月26日)は“買い戻し”である。いずれも、「急落で変動が大きくなった日の翌日」だからだ。この上下値幅ランキングだけ見ても、東京時間の日経平均は「下がるときに凄まじい力がかかるが、上がるときは買い戻し」と理解できる。
そんな日経平均が今のように上がり続けると、「そろそろズドンあるかも……」と考えるのは至極当然だ。普通の日本人による普通の感覚でこれまで動いた結果として、信用売り残の積み上がったのが今のマーケット。二市場の2日時点の信用売り残高(金額ベース)は9332億円と、09年9月以来7年ぶりの高水準に達した。下落に賭ける投資家のポジションは12年暮れからのアベノミクス相場以降、今が最高潮なのである。いかに、最近の値上がりが「苦々しい上昇」であるかが想像できるだろう。
■ 順張りに切り替える個人が増加?
アベノミクス相場の初期には存在しなかった投資商品が個人投資家の間で流行している。価格変動が日経平均の騰落率のマイナス2倍になるよう設計されたNEXT FUNDS日経平均ダブルインバース連動投信 <1357> だ。発行済み口数は先週5日時点で5814万口と過去最高に膨らんでいる。
2日時点の信用買い残は1752万口とこちらも過去最高で、信用取引を使ってでも日経平均の下落に賭けてきたことがわかる。こうした個人投資家の売りポジションが締め上げられる格好で、日経平均が上値を試している側面も無視できない。
「トランプラリー」の終着点はどこか? 日経平均の年内2万円はあるか? といった余計な、お世話な企画が散見される今日このごろ。ひとつの目安は「個人の行動変化」と見ている向きが市場関係者には結構多いようだ。いわく、「外国人の一手買いで上がってきた相場だけに、そこに個人など国内勢が買いに転じて追随してきたときが天井だ」。この発想だけを切り取ってみると、先週末あたりから少し変化が出始めているフシがある。
個人投資家のフローが一番大きいのはネット証券最大手のSBI証券経由だ。SBI証券は前場と大引け後に店内の売買代金ランキングを公開。ここに変化が出てきたのが先週末9日だ。売買代金が常に群を抜いて多いのは、NEXT FUNDS日経平均レバレッジ・インデックス連動投信 <1570> である。
このレバETFは、SBI証券の開示でもトランプラリーの下では連日売り越し。つまり、手持ち分の売りあるいは新規のカラ売りが、新規の買いまたは手持ちのカラ売り分の買い戻しよりも多い状態だ。たとえば、前日の8日は日中を通じてみると売りが175.4億円だったの対し、買いは134.6億円で差し引き40.8億円の売り越しだった。前場と後場で分けてみると、前場は売りが90.6億円で買いは82.2億円で差し引き7.8億円の売り越し。後場も売り84.8億円に対して買いは52.4億円にとどまり、差し引きで32.4億円の売り越しだった。
9日も終日ベースでは売り215.6億円に対して買いは184.1億円で差し引き31.5億円の売り越しを記録した。ただ、前場と後場に分けると、前場は売りが146.4億円で買いは113.4億円。差し引き33億円の売り越しだったが、後場には売り69.1億円に対して買い70.7億円で差し引き1.6億円の買い越しとわずかながら買いが売りを上回ったのだ。
9日の後場といえば、日経平均が今年初めて1万9000円に乗せたタイミングである。1万9000円乗せをきっかけに、順張りに切り替えて波に乗ろうとする個人投資家が徐々に増えたのだろうか。はたまた、海外時間に進む日経平均先物の上昇傾向を受け「週明けのギャップアップが恐ろしい」ことから、これを回避するため、オーバーナイトせず東京時間のうちに(カラ売り分を)買い戻そうとする個人が増えたのか……。
いずれにしても、個人の中で、トランプラリーに対して「お手上げ」といった空気が生まれ始めている。市場参加者が「逆指標」「最後の買い手」と見る個人の動向が今回もトランプラリーの天井を示唆するのだろうか?
それにしても、である。いつになれば、株が上がると日本人の気持ちが明るくなる時代がやってくるのだろうか……。
(おしまい)
※株式コメンテーター・岡村友哉
株式市場の日々の動向を経済番組で解説。大手証券会社を経て、投資情報会社フィスコへ。その後独立し、現在に至る。フィスコではIPO・新興株市場担当として、IPO企業約400社のレポートを作成し、「初値予想」を投資家向けに提供していた。
※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。
岡村 友哉
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