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「家賃30万円ラブホテル暮らし」美人風俗嬢のプライド オンナの収支報告書
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50289
2016.12.07 鈴木 涼美 文筆業 現代ビジネス
気鋭の文筆家・鈴木涼美さんが「オンナの金の稼ぎ方・使い方」について、独自の人脈を駆使して取材する本連載。今回は大阪から上京し、家賃30万円のホテル暮らしをしながら月30日勤務し、250万円以上稼ぐ働き者の美女に密着します!
(バックナンバーはこちら http://gendai.ismedia.jp/list/author/suzumisuzuki)
■日給10万円プラスチップ×30日
彼女の「家」は歌舞伎町のとあるラブホテルの最上階にあった。月額に直して計算すれば30万円近くなるその「家賃」を「もったいなくない?」と私が笑うと、
「すたるかな、と思って。家賃25万円以下の生活とかって。その分、私、男には絶対使わないから。男の金で暮らすのも嫌だから仕事は続けるけどね」
と彼女の口調はなんだか家賃30万円を高いと思っている私が気恥ずかしくなるようなものであった。
すでに6ヵ月もの間そこに住んでいて、その間、地元である大阪には一度も帰っていない。友人という友人もいないため、基本的には仕事以外でそこから出ることも少なく、東京で電車に乗ったのはたったの2回だと言っていた。
リリと名乗る彼女は、moussyやSLYなどのダークカラー系ギャル服が似合う22歳である。髪の毛は金髪に近い茶髪で、若い子らしい細長い脚に好意的に見ればEカップの胸がついている上、顔は、ややお直しの痕跡があるものの香里奈をちょっと庶民的にしたような美人である。
その上、喋り方も高飛車で、ギャル服のくせに化粧品は外資ブランドで揃えていて、ちょっと嫌味がある。デリヘル店1本で月収はチップも合わせれば250万円を下らない。
1日も休みなく働く風俗嬢というのはそれほど珍しくはない。ただ、彼女の場合は勤めているデリヘル店のホームページ上では、ほぼずっと勤めていることになっている。
当然、そのような出勤形態はお客から見ても異様なのだが、店はとりあえずその日の早番の時間に出勤時間を朝10時〜夕方5時とでも載せておく。で、彼女の方に特別用事がなければ午後3時くらいに、勤務時間を午後3時〜夜11時とでも変え、夜10時頃になったら同様に夜10時〜朝5時などと変える。
彼女はいわゆる「自宅待機」を許されているため、客についていない時はホテルの一室である自宅で寝たりテレビを見たりしており、客が入ると店から電話がかかってくる。携帯電話の音量を最大にして寝ているため、大抵気づくが、睡眠が深くて気づかない場合はホテルのフロントに電話してもらい、フロントから部屋に電話が来るようにしてある。これで起きないことはまずない。
電話が来てから30分位で店の車がホテルの前に到着、それに乗り込み、ホテルや客の自宅に派遣される。直前まで寝ていた場合、車の中でちょっと寝たりまどろんだりすれば到着する頃にはそれなりに目が冴えているらしい。
接客の後、再び店の車に乗り込み、客が続いていればそのまま次のホテルなどに移動するが、続いていなければまた自宅に戻れる。
「続くときは4本とか。続いて入ったこともあるけど、逆に5時間以上鳴らない時もあるし、まばらだからとりあえず常に呼び出せるようにしとけば適当に休めるし、混んだタイミングで稼げるよ」
という彼女は、たまたま渋谷や六本木で仕事が入り、その後に仕事が続いていない時は、そのままそこで車を降りて出かけることもあるという。
約1年前に最近の流行りは六本木ヒルズのエル・カフェで買えるコールドプレスジュースを買って帰ることと言っていたが、先日は脂肪溶解注射と好きな成分を混ぜて打ってくれる点滴カクテルにハマっていると言っていた。
■上京組は美人で自信満々な子が多い
彼女の取り分は60分コースで1万8000円である。90分で2万4000円、120分で3万2000円。延長した場合は30分9000円。本指名はプラス5000円。
容姿もよくて、接客も感じがよく、若くて明るい彼女はそれなりにリピーターの客もいるため、1日の正規の稼ぎはそこそこ調子がよければ10万円は超える。そこに、プラスのサービスでチップをもらえばプラス1万、2万。生理中も海綿を丸く切ったスポンジを膣に詰めて出勤するので、かけることの月30日。高収入である。
聞けば彼女は大阪でも郊外の実家を離れて都心でホテルに住んでいたという。
特に借金があったわけでも、急な出費に困っていたわけでもないが、キャバクラに1ヵ月だけ在籍した後、すぐに風俗店に移った。
東京での生活と同様に、生活の空き時間をほぼ出勤にするスタイルで、月収はすぐに100万円に届いたが、2店舗ほど店をうつると似たような客に出くわすようになった。その上、「店の従業員の意識がマジで低い」のが気に入らなかった。ひとまず、知り合いのスカウトに東京のデリヘル店を紹介してもらった。
ただ単に都心や復興需要の土地でまとまった資金を稼いで地元の家族を養うような男の「出稼ぎ」の意義のようなものの他に、女の出稼ぎには自分を知る人の多い地元ではしづらい仕事ができるといった意味もある。また、食い荒らした土地で稼げなくなった女が新たな狩場を開拓するという意味もある。
現在の主流は、東京の風俗で一通り稼いだ女性や東京の風俗では需要のない容姿に恵まれない女性、周囲への身バレを極端に気にする女性が、地方の風俗店の期間限定の募集に1週間や1ヵ月単位で保証最低収入付きで稼ぎに行く形態である。まとまった金額が入る上に、保証付きであれば収入の見通しがたてやすいとあって人気だ。
逆に、地方から東京に出てくる夜職女性というのももちろん存在するのだが、その場合は1週間や1ヵ月の短期決戦ではなく、引っ越して腰を据えて東京で就職するいわゆる「上京」が一般的である。
そうすると最早出稼ぎという言葉はあまり適切ではなく、単なる地方出身の風俗嬢やキャバクラ嬢であって、愛媛生れで日経の記者になっている私の同期なんかとあまりメンタリティは変わらない。ちなみに、東京から地方に出稼ぎに行く嬢は東京で稼ぐ自信のない者が多く、地方から東京に稼ぎに来る嬢は自信満々な子が多い。
リリもまた、プライドが高くて自分の容姿にそれなりの自信がある上京組である。さらに仕事意識が異常に高い。
デリヘルは女性にとっての働きやすさ、すぐ稼げること、気軽な出勤システムなどをうりにしていることが多いため、高級ソープなどに比べると女性への接客教育はほとんどないに等しい。性病検査を受けずに働き続ける女性も多い。
客としてもその素人っぽさを楽しむ人も多いのだが、リリはそういった女性も客も「ありえない」と一蹴する。必ずローションを使ったシャワーサービスやパイズリなどを怠らない。ローションを口に含んだ状態でのフェラチオなど、自分で開発したオリジナルサービスにも熱心である。
「大阪で在籍してたところに比べればましだけど、今の店の従業員もできないやつが多すぎる」と不満が多い。
「今まで呼んだことがない子がいいっていう客の注文に、ちゃんと初めての子つけずに前にもついたことある子つけたり。車の配車間違えて、客の家で30分も待たされたことあるよ。じゃあ延長分従業員が払えって思う。女の子も嫌い。たまに3Pで女の子と一緒にお客についたことあるけど、みんなマジで働かない。客にされるがまま」
■公共料金とかコンビニで支払うの貧乏臭くて嫌
正直、風俗の客が嬢に求めることは結構それぞれで、きめ細かいサービスをよしとする人もいれば、プロじみた接客に興奮しない人もいる。ので、私は彼女の仕事哲学にはそれほど興味はなかった。それは、キャリア志向ばかり高くて周囲のおじさんが完全にひいている状態の会社の先輩に感じていたそれと似ている。
ホテルぐらしの理由も、
「仕事以外のことであんまり時間使うの嫌。家具買うとか、ガス開栓呼ぶとか、役所の手続きとか、料理も興味ない。公共料金とかコンビニで支払ってるのもなんか貧乏臭くて嫌」
と言っていた。
彼女はホテルぐらしで仕事命の高収入女性であり、家賃10万円のアパートなどに住んで「すたる」ことのないよう、仕事の努力は怠らない。収入は家賃や出前の食費、美容などに使う。確かに何度会っても、髪の毛を染めそびれていることもないし、ネイルが欠けていることもない。
ラブホテルに缶詰になって勤務24時間などと聞けば、何かに向けて稼ぐための我慢期間か、事情があって強要されているような悲壮感を感じる場合もあるが、彼女の場合、そのホテルぐらしの仕事漬けの毎日こそがすたらないために手に入れたい生活なのであって別に稼ぐための手段としての場所ではない。
稼ぎながら優雅な生活をする自由が完結していて、そのサイクルは終わらない。
十分満たされているのに、全然満たされていない」引き裂かれた欲望を抱え、「キラキラ」を探して生きる現代の女子たちを、鮮やかに描く。
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