http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/209.html
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(Has Japanese PM's 'Abenomics' failed?: DW English)
http://www.dw.com/en/has-japanese-pms-abenomics-failed/a-36425940
アジア
日本首相の『アベノミクス』は失敗したか?
今年第3四半期の日本経済の好転は肯定的なサインだが、日本経済全体は陰鬱な状況を呈している。これが首相のアベノミクスにどう反映するか?DWが検証する。
4年前、安倍晋三・日本首相はこの東アジア国家の経済の強化を狙い、この経済政策を導入した。アベノミクスには3本の主要な柱がある。積極的な通貨緩和・財政拡大・構造改革だ。首相は自分の経済モデルが成長を促すことを望んだ。しかし専門家たちは、アベノミクスの大部分は目標に達しなかったと語る。
2012年12月、安倍氏が首相となった時に同政権のために設定した主要な経済目標は、2%のインフレ目標達成だった。この野心的な目標を達成するために、紙幣の増刷や金利の低減を含む一連の通貨政策が導入された。
通貨の流通が円安を導き、その後で日本の輸出拡大を助けるだろうと政府は期待していた。また、販売額が増加して日本企業は投資を拡大するようになり、経済の拡大・雇用の増加・賃金の上昇に繋がるとも考えられていた。その結果として、消費の拡大とインフレ率の上昇が導かれるはずだった。
実際、インフレ率は2014年4月と2015年4月に2%を上回る上昇を見せたが、これは消費税の3%引き上げの結果でしかなかった。この要因を差し引くとインフレ率は非常に低く推移し、2016年9月現在7ヵ月連続で低下している。
安倍政権は2%のインフレ目標を達成するためにあらゆる手を尽くしたが、それが発生した。日本銀行(BOJ)は国債と政府資産を購入し、その総額はGDPの約70%になった。米準備制度理事会と欧州中央銀行の貸借対照表では各行ともその合計額は25%に満たない。
このため日本の輸出主導型の各企業では記録的な企業収益を見た。さらに2016年1月、日銀は金利をマイナス領域に引き下げた。投資の促進を期待してこの異例の措置を実施したのは、世界的な中央銀行5行の中では日銀だけだ。
トリクルダウン効果はなし
しかし、日本の消費者にこれらの政策の利益によるトリクルダウン効果はなかった。安倍氏は日本の各企業に自社の収益を従業員の賃金引き上げに使うよう繰り返し呼びかけたが、実際に行われることはなかった。
国際通貨基金の日本における責任者であるリュック・エフェラールト氏は、過去数年間の給与の上昇は不十分だったと語る。8月、彼は日本の当局者たちに「国内の賃金引き上げを支援する諸政策」を進めるよう促した。
「全体として、通貨緩和は目標に達しなかった」と、ドイツ国際政治安全保障研究所のハンス・ギュンター・ヒルパート氏はDWに語った。「インフレ率が低下し、経済の活性化も十分に見られず、給与もあまり改善されておらず、程度の差はあるが投資も停滞している」と、ヒルパート氏は語った。
今月に入り、日本銀行は黒田東彦現総裁の任期中の2%のインフレ目標達成を放棄した。
挫折と障害
また、アベノミクス第2の目標である財政拡大も障害に直面している。2013年、そして今年再び、安倍首相はほぼ5000億ユーロに相当する巨額の景気刺激策を発表した。1回目は2011年の巨大地震に被災した地域に安心感を与える意図で、今回の刺激策は福祉事業への支出とインフラに焦点が移っている。
しかし、欧州議会による日本の経済政策についての最近の分析によれば、政府の刺激策は「見返りとなる経済への持続的な効果を何も生み出さないまま国家財政を更に悪化させる」結果になった。
日本の国家債務は今や国の歴史に記録される最高の水準に達し、2015年末には日本のGDPの248%となった。これは本会計年度末まで更に急増する見通しだ。
2014年6月、安倍氏は日本企業の競争力を高めることと国の人口高齢化という人口動態上の難題に立ち向かうことを意図して、広範囲な改革政策を発表した。その翌年、首相は構造改革の取り組みにタイミングを合わせて、自己の最初の2つ政策である通貨緩和と財政刺激策を拡大した。
「構造改革に関連するいくつかの問題が取り組みの対象となった。大いに必要とされる経済の再構築を容易にするための企業統治の改善がこれに含まれる」とヒルパート氏は語り、世界的な競争能力を高めるために農業・エネルギーの分野が自由化されたと付け加えた。しかし、経済の需要者側への対応はまだこれからだと、この専門家は強調した。
需要者側の問題の根は人口減少と所得格差にある。「そして、これらの問題は適切に扱われていない」と、ヒルパート氏は語った。
安倍氏は自己のアベノミクス電撃的成長戦略の推進の手助けに、アジア開発銀行前総裁の黒田氏を抜擢した。
一部は達成
女性の労働力への参加を増やすことにより人口動態上の変化に対抗することを狙った、いわゆる「ウイメノミクス」はいくつかの肯定的な成果を得た。
「労働力に入る低熟練女性労働者が緩やかなペースだが増加している」と、テンプル大学東京キャンパス現代アジア研究所のロバート・デュジャリック所長がDWに語った。
「しかし、今のところ、女性を高い地位に昇進させる取り組みは全くない」と、デュジャリック氏は付け加えた。
優遇税制のために、配偶者がまずまずの給与を得ている場合には日本女性はいまなお働かない。この制度の修正が政府で議論されているが、「安倍氏や自民党は保守的な考えからこの概念を変えたがらない」と、ヒルパート氏は語った。
「安倍首相は日本経済を景気後退に追い込んだわけでは決してないと、私たちには言える」と、ヒルパート氏は強調する。「しかし、彼はアベノミクスを導入した時に自分で設定した目標を達成できなかったとも言える。また、長期的に見て国の経済の強化には彼の経済政策では不十分だとも言える。」
この話題の音声・動画
景気刺激策により日本株が上昇する [2016.7.27 英語]
[Japan shares rise on stimulus package]
発表 2016年11月17日
記者 Kiyo Dörrer
関連テーマ アジア、日本、インフレ
キーワード アジア、アベノミクス、安倍晋三、日本、日本経済、経済、インフレ、構造改革、日本銀行、労働力
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